日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)について、文科省が中学の新学習指導要領解説書に「我が国固有の領土」と明記する方針を固めたことで、三年前に「竹島の日」条例を制定した島根県の議会関係者は十九日、歓迎の意を表明。一方、昨年、韓国・江原道との交流再開を実現した鳥取県は、領土問題と地方同士の交流は切り離して考えるべきとの考えを強調。在日韓国人関係者からは日韓関係への影響を懸念する声も聞かれた。
竹島領土権確立島根県議会議員連盟の細田重雄会長は「文科省は事情があって指導要領には『竹島』を明記できないということだったので、今年になってあらためて解説書に盛り込むようよう要望した。よく受け入れていただいたと喜んでいる。多くの教科書に竹島が記述されることになると思う」と期待する。
鳥取県の平井伸治知事は「国同士が国境についてそれぞれの立場を主張するのは当然のことだと思う。国同士で問題の解決を図っていただきたい」との見解を示した。
米子−ソウル便や県と韓国・江原道の交流などへの影響については「今回の問題をきっかけに冷え込むことにはならない。地方レベルでの人的、経済的交流は重要で、国同士を理解するのに不可欠だ。地方同士の交流はしっかりやっていきたい」と強調した。
在日本大韓民国民団鳥取県地方本部の薛(ソル)幸(ヘン)夫(ブ)団長は、竹島問題は国家間の問題として地方の民団の団長がコメントすべき立場でないとしながら「残念である。日韓関係に水を差すことにならなければいいが」と懸念した。