前回は、「ポータブルスキル」を「対人力」・「対自分力」・「対課題力」の3つのカテゴリーに分類して、自分の強みと対極にあるスキルを伸ばすことの大切さを解説しました。
今回からは、1つずつのカテゴリーに焦点を当てて、その能力を鍛える方法を具体的に紹介します。
まずは「対人力」。
人に対するコミュニケーション能力です。他者と新たな関係を築く、良好な関係を維持する、関係を発展させる…などのヒューマンスキル全般を指します。
すべての業務は他人との協働で成り立っています。対人力がなければ、他のスキルがどんなに優れていても、成長に限界が出てくるでしょう。それほど重要な、必須のスキルです。
前回詳しく説明したように、「対人力」は8つの具体的な能力に分類できます。図1を見てください。
図1
左右に並んだそれぞれの力は対極の関係で、どちらかが強いとどちらかが弱い。両方を兼ね備えた人は滅多にいません。
よって、「主張力」のある人は「傾聴力」を鍛えて、「否定力」のある人は「受容力」を鍛える…という具合にそれぞれを併せ持つと、自分の市場価値や評価がグッと高まります。(この「対極のスキル」についての考え方は、前回を参照してください)
「プロ」と「アマ」のヒューマンスキルの違い
では、この対人力がビジネスのどのような場面で必要になるのか、具体的に考えてみましょう。
ビジネスで他者と関わるシーンを分類すると、次の10シーンが挙げられます。すべてビジネスで必要な場面であり、ヒューマンスキルの基礎になるものです。
1.報告 2.依頼 3.拒否 4.相談 5.謝罪 6.説得 7.主張 8.支持 9.忠告 10.命令
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