
崔基鎬(チェ・ケイホ)氏 1923年生まれ。
明知大学助教授、中央大学、
東国大学経営大学院教授を経て、
現在、加耶大学客員教授
歴史をどう見るか。人によってその見方は違うと思います。また違って当然だと思います。
しかし事実を曲げて、歴史を自分の都合で書き直すことになれば、それは歪曲したことになります。
よく中国や韓国は、日本の教科書は歪曲していると非難しますが本当でしょうか。
日本人は、そう言われると本当にそうかと思ってしまう人も多いと思いますが、
日本人はあまり韓国や中国の状況を知りません。
私に言わせれば、例えば韓国と日本を比較した場合、日本が十のうち一の歪曲があるとするなら、
韓国は十のうち九は歪曲があると言っていいでしょう。
日本についての歴史だけでなく韓国の歴史そのものを歪曲しています。
韓国の権力者たちによって恣意的に作られた『国定教科書歴史編』は、まさにその傾向を強めています。
その顕著な例は、李朝500年末期の政治紊乱に蓋をして、公然たる売官買職が横行し貧官汚吏が跳梁した事実をまったく教えず、日韓併合がなければ、李朝は立派な国家として独り立ちできたかのような
書き方をしているところに表れています。これこそ、実態を知らない歴史観です。
日韓併合のことに少し触れれば、併合を通じて全国民に教育が徹底され、近代的医療制度が確立し、
農漁業と重工業が興り、社会のインフラ整備によって工業国家としての基礎が築かれたことは、明白な事実です。
終戦後、独立した韓国・朝鮮の教育は、日韓併合を日本帝国主義の侵略政策の産物であったと糾弾しますが、それがいかに歴史の実態を無視した身勝手なことであり、自己中心的な解釈であるかはいうまでもありません。
教科書では、例えば次の記述があります。
「日帝の狙いは、韓国を日本の経済発展に必要な商品市場と原料供給地にし、
彼らの国家利益を増大させるものであった。
日帝の産業侵奪政策で我が民族の経済活動は大幅に萎縮し、民族産業もその発展が抑えられて、
沈滞するほかなかった」
これには、あまりにも歴史の誤魔化しがあり、私などはコメントする気にもなりません。
李朝500年を知らないか、故意に隠蔽しようとしているとしかいいようがありません。
民族産業の芽を切り捨てたのは、ほかでもない李朝であり、李朝の下では経済発展など夢のまた夢でした。
なぜなら近代化を唱える者や先進的な思想家は、反逆分子として、その親族までも処断されたのです。
そういう史実を、忘れたとでもいうのでしょうか。
本当に日韓併合が悪かったというなら、それが事実かどうかを検証してみようというのが私の立場です。
大勢の人が虐待されたとか、従軍慰安婦にされたとかいいますが、私にはとてもそうは言えません。
それは歴史の真実を知っているからです。
私は80歳になります。ここまで生きてきて、やはり韓国のためにも日本のためにも、
自分の思うことを正直に語りたい。それが本音です。
ご承知の通り今の韓国では、植民地時代の日本統治を肯定的にとらえて発表することは、相当の覚悟がいります。
極端な話、身の危険も覚悟しなければなりません。
しかし私の使命として、どうしても言わなければならないと思っています。
なぜなら、歴史を歪曲するということは、国の進むべき方向を間違わせてしまうからです。
実のところ韓民族は、いつも身勝手な解釈で歴史を解釈し、これがもとで幾度も実態を見誤り、
国を滅ぼしてきたのです。とくに危惧するのは、それが韓民族の宿痾であるということです。
だからなおのこと私は、歴史の真実を見る重要性を訴えたいわけです。
http://www2.odn.ne.jp/~aab28300/backnumber/04_12/tokusyu.htm