動物病院の診察料未払い飼い主増加/八戸(2008/05/19)
年々増加傾向にある診察料未払いで、動物病院は対策に苦慮している(写真と本文は関係ありません)
 人間同様、ペットの世界でも診察料未払い―。八戸市内の動物病院で最近、診察料を支払わない飼い主が増えている。現金を持たずにペットの診察を受け、そのまま連絡が取れなくなるケースがほとんど。中には偽名やうその住所を病院側に知らせる“確信犯”も。ペット保険の加入率低迷が背景にあるとみられるが、病院側からは「飼い主のモラルが低すぎる」と嘆き節が聞こえてくる。
 
 診察料の未払い状況をまとめたデータはないが、市内の複数の動物病院によると、過去にも同様の問題はあったものの、最近はペットブームの影響で増加傾向にある。一カ月間に数件の被害に遭った病院もあるという。
 手口としては、ペットの診察時に「きょうは現金を持っていない」「引っ越したばかりでお金がない」などと言い、その後に連絡が途絶えるパターンが多い。
 病院側が要因の一つに挙げるのが、ペット保険の加入率低迷だ。イヌやネコなどを対象にしたペット保険に加入すると、自己負担は診察料の五―七割程度で済む。ただ、認知度こそ高まっているが、実際に加入する人は少ないという。
 ペットの治療費はその病気によってさまざまだが、十万円以上掛かるケースもある。
 市内のある男性獣医師は「例えば、イヌが風邪をひき、一万円の診察料が掛かったとして、それを高いか安いか考えるのは飼い主次第」と頭を抱える。また、未払いのまま病院を変え、次の病院でも同じ行為を繰り返す“渡り鳥”のような悪質なケースも後を絶たないという。
 病院側は、初診の飼い主にペット保険の加入を勧めたり、運転免許証コピーの提出を求めたりするなどの対策を講じているが、有効な手だてはないのが現状だ。
 別の男性獣医師は「家族のようにペットを飼う人が増えている中、モラルの低い人が依然多い。命を扱う仕事として、救える命は救いたいが、ルールは守ってほしい」と訴えている。
【写真説明】
年々増加傾向にある診察料未払いで、動物病院は対策に苦慮している(写真と本文は関係ありません)

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