「医師は認知症に向き合って!」 [ 05月19日 18時47分 ]
5月19日に開かれた厚生労働省の「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」第2回会合は、認知症介護を担う現場における、医療関係者に対する不満と期待が交錯したものだった。
家族支援に見た「認知症介護最前線」
まず、「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事が、「専門医の養成に力を入れていただいていることは、ありがたいと思っている」と、謝意を表した上で、「医療側からの支援が不十分だ、というもどかしさがある。すべての医師、医療関係者に、認知症に向き合ってほしい」と語った。さらに、「たとえ認知症の専門家ではないとしても、『専門ではありませんが』とおっしゃっていただいて、その上で『一緒に向き合っていきましょう』と言ってもらえれば、家族にとってどれだけ力になることか」と主張した。
「全国認知症グループホーム協会」の岩尾貢副代表理事は、「医療の側、特に医師の方に求めたいのだが、認知症の方とかかわる経験を積んでいただきたいと思う。そうした経験がないために、医療がどの部分でどういう役割を果たすかということが、分からないのではないか」と述べた。そして、「極端な場合、亡くなった時に診断書さえなかなか書いてもらえない。警察から『検視になりますよ』と強く言ってもらわないと来てくれないことも経験している。そうすると、先生方はいったい一人ひとりの認知症の人とどのようなかかわりをしようとしているのか、問いたくなることがある」と訴えた。
続いて高見氏も、「医療の専門職の方たちは、自分に何かできることがないと、二の足を踏むようなところがある。何年か前に新薬が出るまではほとんどなかった物忘れ外来が、雨後のタケノコのように急に増えたことが象徴的。その部分を直してほしい。とにかく、家族の言葉を聞いてほしい。その上で、専門的な治療が必要なら専門医を紹介していただければいい。顔を背けないでほしい」と訴えた。
また、「看取り」の問題でも医療側に苦言が─。
「生かすことには熱心だが、どう看取ってあげるか、その人が最期に納得できるような状況をつくるか、ということに対して、メッセージがあまりないのではないか。もう少しスピリチュアルな側面に対して、メッセージを発してほしい。むしろ、医療側がグループホームを利用するくらいのことでいいのではないか」(岩尾氏)
高見氏もまた、「人は誰でも死に向かって生きているわけで、そうした人に対して医師は、具体的な手だてがないからといってどうして顔を背けるのか」と述べた。
【関連記事】
「認知症の人と家族の会」などからヒアリング
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