民間企業に勤める給与所得者は4,485万人。2006年(H18)分の源泉所得税の対象者のうち1年以上勤務者の総数である。前年より0.2%減、9万人の減少。平均給与は435万円、前年比0.4%減、2万円の減少でもある。
日本の勤労者の所得分布と水準を知るには国税庁統計の「民間給与実態統計調査」がある。この統計によって我々は日本人の「給与所得」の実態、そこから社会の構造的変化の一端をつかむことができ、同時に勤労者の未来給与を想像することができる。
昨日の本誌で書いた「年収平均がほぼ500万円から700万円。この所得水準は、男性勤労者の約49%を占める」(筆者注:49%は39%の間違いでした)は、正確には「500万円から700万円は39%」「400万円から700万円は57%」であったが、
この層こそ、「企業の働き手の中核層であり、ニッポンの中流層」である。
今、深刻なのは、この層が「今も老後も豊かになれない」という「希望喪失」の淵においやられているのではないかという実感が、確かな実態となって顕になりつつあることである。
元資料には、平均年齢・勤続期間・給与総額があるが、まず、1年以上勤務した男性の所得階層の分布を把握してみたい。
男性は、300万円以上~500万以下が約35%、
500万円以上~700万円以下約22%、
700万円以上~900万円以下が約11%である。
ここから見える勤労者の未来給与像は、700万を超える年収にありつける機会は100人のうち11人程度であり、さらにそれを超えて1000万円以上になるチャンスは100人のうちほんの7.6人といった、現代日本のサラリーマンの現実であろうか。
●2006年分(H18)民間給与実態統計からみる所得階層別の勤労者割合