EPWING 形式の辞書を Zaurus で使う
FreePWING と wikipedia-fpw で生成した EPWING 形式の Wikipedia 日本語版を Zaurus で閲覧します。Zaurus での閲覧には Zten を使います。作成した辞書データは、1 GB の SD カードにも入るよう、圧縮をかけて使います。説明は Zaurus SL-C1000 を元にしています。
まず、Internet Archive に保存されている Buckingham Software のサイトから「Buckingham EB Player
for Windows」をダウンロードしてインストールします。インストールすると、スタートメニューに「Buckingham EB Player for Windows」と「Buckingham EB Compressor」が登録されます。圧縮には「Buckingham EB Compressor」を使用します。
「Buckingham EB Compressor」を起動します。わかりやすい画面です。ウィンドウの白いフレームの中へ「DATA」フォルダと「GAIJI」フォルダをドロップします。辞書「WIKIP」の場合、リストに追加されるのは「HONMON」ファイルひとつだけです。「HONMON」ファイルだけ選んでドロップしてもいいです。
圧縮すると元ファイルはなくなってしまうので、心配な人はバックアップしておきましょう。
ウィンドウの下部にあるバーを右へ動かして圧縮率を高めます。最高の「3」にし、「圧縮実行」ボタンを押します。
圧縮にはこちらの環境で 3 ~ 4 分ほどかかりました。
「DATA」フォルダを開いてみると「HONMON」ファイルが「HONMON.ebz」に変わっています。容量は 1.5 GB から 700 MB へ! これなら 1GB の SD カードに収まります。
Zaurus で使っている SD カードへコピーしましょう。SD カードの第一階層に「dict」というフォルダを作って、そこへ辞書「WIKIP」をコピーしてください。辞書「WIKIP」の中身は、親フォルダと同名の「WIKIP」フォルダ (この中に「DATA」「GAIJI」フォルダがある)、「CATALOGS」ファイル、「GFDL」ファイル、「README.PKG」ファイルであるはずです。
「dict」フォルダへ「WIKIP」をコピー。Zten で検索したい他の辞書もみなここへ置く。図では「WIKIP」以外の様々な辞書が。他の辞書は FPWBOOK で公開されています。ありがたや! これらの辞書の「HONMON」ファイルも「Buckingham EB Compressor」で圧縮すれば容量を節約できます。
Zaurus に Zten をインストールする。Zten のサイトから ipk ファイルをダウンロードしてインストールしましょう。インストール先は本体メモリがいいと思います。
Zten を起動するとこんな感じ。
「ファイル」メニューから「辞書の選択」を選びます。
「利用可能な辞書リスト」の一覧で「ウィキペディア日本語版」を選択し、右矢印ボタンで「選択された辞書リスト」へ移動させます。右上の「OK」ボタンで決定、「辞書の選択」ウィンドウが閉じます。
辞書一覧に「ウィキペディア日本語版」が追加されています。左側のチェックボックスをチェックすれば、検索対象の辞書に加えることができます。「検索」タブで検索すれば、辞書を使うことができます。
検索してみます。「検索タブ」に移動し、入力スペースに「Zaurus」と打ちました。すると、辞書の項目から関係のありそうな記事が表示されます。
記事を選択すると、説明文が表示されます。青い文字はリンクです。該当の記事へさらにジャンプすることができます。
縦表示だとこんな感じ。Zaurus の手書き認識精度の高さも相まって、非常に快適です。
ちなみに、入力スペースの右にあるプルダウンは検索語と検索対象の記事の合致方法を決めるものです。「前方」は検索語からはじまる題の記事を、「後方」は検索語でおわる題の記事を、「完全」は検索語と同じ題の記事を検索できます。「単語」はじぶんにはよくわかりません。Zten のページでキー操作時に使うキーが確認できます。
手のひらサイズのコンパクトな Zaurus に Wikipedia 日本語版が入るなんて… ほんとうに便利です。付属の辞書や他の EPWING 形式の辞書もありますし、ウェブにも接続できて、動画再生もできて、LINUX コマンドも使える。これほど小さくてパワフルなマシンは他にありませんね。