AMAZONの『会社は誰のものか』へのレビューをめぐって、
前回の記事のコメント欄で、私へご意見を頂いた著者の吉田様への回答を、
ここで記述させて頂きたいと思います。
まず、議論をオープンにすることは構いません。
ただ、メールでは本名で送らせて頂きましたが、ウェブ上では本名を提示する意図はありませんので、吉田様のコメントのうち私の本名の箇所については、勝手ながら改訂させて頂きました。吉田様はおそらく本名だと存じますので、ペンネームでの議論しかできないならレビューを取り消せ、と仰るのであれば、削除しても構いません。
私のレビューに傷ついた、と言われ、大変驚いております。
私は吉田様の人となりを存じ上げませんし、その他の著作も不勉強にして読んでおりません。従って、吉田様について前述したように「個人的感情」は一切持ち合わせておりません。
個人を傷つける意図はもちろんなく、AMAZONのレビューの機能の中で、本書に関する自分の感想を書かせて頂いたのみです。
吉田様はじめ多くの作者は多大なエネルギーをかけて作品を制作、著述されていると思います。
それでも、メディア上では、作品の良し悪しを、その制作のエネルギーを考慮せずに残酷に論じられるものです。
吉田様の専門のインターネットの発展のおかげで、私のようなプロの書評家や学者でもない人物が色々と本や映画など、色々と意見を述べられる環境があると思います。
それは良きにせよ悪しきにせよ、作者と評者・読者の距離を縮めることになっており、ある作品を世に出す以上、どれだけ優れた作品であっても、毀誉褒貶様々な言説がネットを中心に流通することは避けられませんし、その自由度がネット社会を拡大させてきたのも事実でしょう。
書籍を刊行される以上、そのことは十分ご理解下さっていると思いますので、1人の読者の感想としてやや否定的な見解がウェブ上で掲載されたからといって、吉田様が傷つく必要は全くないと思います。
ただ、もし私の表現が著者を傷つけるような、本来のレビューのマナーを無視した罵倒などが含まれているのであれば、それはもちろん訂正、削除いたします。
下記、質問に回答いたします。
1)あなたがこれまで高く評価された経営書は、何でしょうか。
有名無名を問わず、多くの経営書から感銘を受けました。仕事柄、経営理論や実務書は多数読みましたが、私は経営者の書いた書籍に、理論書では得られない生の智慧を感じます。
中でも、本田宗一郎、松下幸之助にはじまり、現代では稲盛氏、永守氏などに連なる、製造業の創業経営者に強い魅力を感じますので、彼らの著作、インタビュー、評伝には感心を持っております。
最近では、先日逝去されたヤマト運輸の小倉元社長の『経営学』も非常に感銘を受けました。
また、経営書ではありませんがウィーナーの『人間機械論』も組織と人間を考察する上で示唆を受けました。
2)ビジネスコンサルとして経営に携わっているのであれば、なぜこれまで、評価される経営書について書評者として言及されなかったのでしょうか。
3)あなたがビジネスコンサルという職業に忠実ならば、まず否定から入らず、あなたが評価される経営書についてポジティブな書評を書いて下さい。
その上でネガティブな評価をされるのならば、いたしかたないですが、あなたの人生最初のビジネス書の評価の槍玉にあがるのは、勘弁願いたいところです。
2)、3)はまとめて回答いたしますが、AMAZONの私の過去のレビューを見ていただくと、レビュー対象にビジネス書も含まれておりますので、他のビジネス書の言及がないというご意見は、事実とは異なります。
従って、私の吉田様の著作へのレビューが「人生最初のビジネス書の評価」と仰ることも事実とは異なります。
また、私の書いたレビューにはポジティブなものも含まれていますので、「ポジティブな書評を書いて下さい」というご要望は承りますが、ポジティブな書評が過去に無かった、との認識ではおりません。
また、レビューを見て頂ければおわかりと存じますが、仕事とは無関係の書籍、映画、音楽のレビューがほとんどです。
これは、ネット上にレビューとして拙文を載せることは、あくまで趣味であり、プライベートな時間での活動です。仕事関係で読むビジネス書については、プライベートな趣味の時間、活動に含めたくない、という気持ちがあります。
吉田様の著作についてはプライベートな自己啓発の一部として購入、拝読させて頂きました。
また同時に、経営書は、ある程度会社経費での購入が許されております。そこで、自費で購入していない書籍についてはレビューをウェブ上に掲載するような行為はするべきではない、という意識があります。
自費で購入した経営書ももちろん多数存在しますが、もちろん趣味の読書を含めて、全ての書籍をレビューしていることはなく、レビューする書籍を選んでいるのも事実です。
選ぶ基準は、他人にお教えすることではないと思います。
強く感銘を受けてもレビューしない本もありますし、あまりの内容のひどさに立腹してもレビューしない場合ももちろんあります。
以上が、質問への回答となります。
いずれにせよ、レビューについて、どれだけ著作にエネルギーを注いできたかといった感情論を排して議論することにおいては、私は全くやぶさかではありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
2005年07月14日
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amazon書評者nomadicaとバトル中・・・
Excerpt: おおむね好評であり、とても売れている、とは言いませんが、田原総一朗や公文俊平さん...
Weblog: nozomu.net - 吉田望事務所 -
Tracked: 2005-07-14 02:26
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Tracked: 2005-07-14 02:26
では次なる質問なのですが、「新潮社の社長と友人であるということが序文に書いてありました」と、アマゾンでご紹介いただきましたが(それは私の個人情報ですが)。本当に書いてありますか?
これがあなたの名前を私のブログで明かした理由です。ほぼ、イーブンです。
その情報はどこでお知りになったのですか?
私のブログを熟読していないとのことですが、それは本当なのですか?