2005年07月04日
初トラックバック。方法がよくわからない。
内田樹さんのブログ、時々読む。
メルロ・ポンティが、「相手が言っていることではなく、言わんとしていることに、全力で耳を傾ける」とどこかで書いていたのを思い出した。
言語によるコミュニケーションの能力とは、
1.相手の言語を正確に理解すること
2.相手の言おうとしていることを正確に理解すること
3.1と2のずれを正確に理解すること
ということだろうか。
以下、そのブログから引用。
逆から言えば、表層的な語詞レベルのメッセージでは、言葉は無限の誤解の可能性に開かれている。
グレゴリー・ベイトソンは『精神の生態学』の中で、コミュニケーション失調の端的な徴候として「何を言うつもりでその言葉を言っているのかが判定できない」ことを挙げている。
例えば、「今日は何をするつもり?」という問いかけを「昨日みたいなバカな真似は止めてくれよ」という「問責」と取るか、「ねえ、いいことしない?」という性的な「誘い」と取るか、それとも語義通りに「質問」しているのかが判定できないのがコミュニケーション失調の症候である。
私たちは、ふだんは前後の文脈や表情やみぶりや声のトーンやあるいは「オーラ」によって、多数の解釈可能性のうちから、もっとも適切な解釈を瞬時のうちに採用している。
(中略)
それは言い換えれば、メッセージの受信者には「複数の解釈可能性のうちから、自分にとって最も不快な解釈を選択する権利」が賦与されているということである。
コミュニケーション感度の高い人間とコミュニケーション感度の低い人間のどちらがこの権利を活用することになるのか、想像することはむずかしいことではない。
結果的に 私たちの社会はこれから自分宛のメッセージが含む複数の解釈可能性の中から、自分にとって最も不快な解釈を選択することを政治的に正しく、知的なふるまいとみなす人間たちを量産してゆくことになるだろう。
posted by ysms at 17:39|
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あなたの論評を拝見しフェアではないと判断し、書き込ませていただきました。
あなたの読書暦とこのHPを見る限り、経済書や経済書を論評する能力経験をお持ちかどうか、まことに失礼ですが、大いなる疑問です。
私のHPを熟読されていることから、おそらくは、そのなにかがあなたの琴線に触れて個人的感情を誘発されたと存じます。
私のA級戦犯論についてでしたら、あるいは、私の過去著書や経歴などについてでしたら、どうぞ私のブログにご意見をお書き下さい。そこで議論いたしましょう。
アマゾンに個人的感情で書き込むのはフェアではありませんし、個人ブログを開設されたら匿名性は消え、こうして反論を食らうのも当然といえましょう。もしまだ著書をご覧になっていないで書き込まれたのであれば、お送りいたします。よろしくお願いします。
いずれにせよオープンに進めたほうがいいかと思います。amazonへの批評自体はオープンですので、対象性は必要だと思われます。
-----------------------------------------
はじめまして。
AMAZONでレビューしたnomadicaこと◆◆と申します。
コメント頂いたので、下記ご回答申し上げます。
まず、件のレビュー自体は、「会社は誰のものか」というテー
マで、ここ数ヶ月で本を何冊か(吉田様の著作や岩井克人氏の
ものなど)読む必要があり、私なりに思うところがあったので
、レビューを書かせて頂きました。
つまり、ただ単に本を読んで個人的に感じたことをレビューに
書いております。
その他の要素、つまり吉田様が書かれているような本書につい
て感じたこと以外の「個人的感情」は全くありませんし、後述
しますが、吉田様のブログを読んでいないので、そのような感
情を持ち得ないのが事実です。
まず、コメントに、
> 私のHPを熟読されていることから
> そのなにかがあなたの琴線に触れて
> 個人的感情を誘発されたと存じます。
> 私のA級戦犯論についてでしたら、あるいは、
> 私の過去著書や経歴などについてでしたら、
> どうぞ私のブログにご意見をお書き下さい。
とお書きになっていますが、吉田様のブログを熟読した経験は
ありません。該当書籍に関する記述を少し眼にした程度です。
従って、吉田様がA級戦犯論をお書きになっていることも、本
メールで初めて知りました。
なので、吉田様の本書以外のご意見等は、全く存じ上げないの
で、正直申し上げて「琴線に触れ」ること、「個人的感情の誘
発」といった現象は一切起きようもないのです。
また、失礼ながら吉田様の他の著作を読んだことがありません
。
他の著作を読むことで、本書の執筆意図がより深く理解できる
ということでしたら、お教え下さい。
ぜひ拝読したいと思います。
昭和史等については、他のAMAZONのレビューをご覧頂いてわか
るように、私は昭和史が好きで、趣味として色々と読書をする
中で、いろいろレビューを書いています。
しかし、私は1970年代生まれで、大学では経済学を専攻、現在
はビジネスコンサルティングを本業とするものです。
仮に、吉田様のブログで昭和史に関する記述を読んでいたとし
ても、昭和の末期に生まれた私にとって、昭和史はあくまで趣
味の領域で、それによって「個人的感情」を誘発される理由も
ないといった方がよいでしょう。
上記のことから、突然「アマゾンに個人的感情で書き込むのは
フェアではありません」というコメントを頂き、正直言って驚
いています。
まずは、本書のレビューについて、事実誤認や全くピントがず
れているようなことがあれば、指摘してくだされば、私の誤読
だと思いますので、訂正いたします。
ただし、それ以外で、本書について私が抱いた感想については
(物足りなかった部分など)、レビュアーの権利として記述し
てもよいと思いますが、いかがでしょうか。
どんな形であれ、著者自らご意見頂き、光栄に存じます。
◆◆
1)あなたがこれまで高く評価された経営書は、何でしょうか。
2)ビジネスコンサルとして経営に携わっているのであれば、なぜこれまで、評価される経営書について書評者として言及されなかったのでしょうか。
3)あなたがビジネスコンサルという職業に忠実ならば、まず否定から入らず、あなたが評価される経営書についてポジティブな書評を書いて下さい。
その上でネガティブな評価をされるのならば、いたしかたないですが、あなたの人生最初のビジネス書の評価の槍玉にあがるのは、勘弁願いたいところです。
1)あなたは「吉田様のブログを熟読した経験は
ありません。」と書いていますが、書評にある「新潮社の社長と友人である」という指摘は本当に序文にありますか?
そんなことを新潮新書の序文に書く「馬鹿」がどこにいるでしょうか。お確かめください。
それに、どこからあなたはその情報を得たのですか?
2)「ブランド」についての言及が非常に多いとありますが、多いですか?言及はしていますが、むしろこの本は歴史的、経済史的な関心に重きをおいて書かれたものであり、ブランドそれ自体に言及している部分は少ないと思います。あなたの本来持つ「文化的素養」はそれを知っているはずです。
3)「本書は「会社は誰のものか」という問題設定に対して、的確に、論理的にアプローチしている本ではありません。」とあります。
それはそのとおりかもしれません。
しかしあなたの高いビジネスコンサル能力?があなたをして、それを言わしめるならば、まず書評者として、どの本がそれを的確に論理的にアプローチしているのかを、あらかじめ示すべし、と思います。
私は実名ですので、批判を含め、とうにその覚悟をしております。そのデメリットもあるわけですが・・・