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2008年5月14日 水曜日 | |||
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二次電池、07年は各社とも売上額2桁増 トップは三洋電機 各社リチウムに大きく注力 携帯機器、ノートPC、デジカメ、自動車などあらゆる用途に使われる二次電池の需要が好調だ。2007年における各社の二次電池売上額は軒並み前年比成長となった。主力のリチウムイオン電池は携帯機器向けで高容量品が、電動工具、自動車向けに高出力品の需要が広がっている。他方、同電池のノートPCの発火事故によるリコールや携帯電話向けの発熱による自主回収など経営に影響をおよぼし、同時に電池の安全性も注目されている。07年の二次電池国内販売(経済産業省機械統計)は、数量ベースで前年比2.2%増の17億9800万個、金額ベースで同16.5%増の6668億3800万円。電池別比率(数量)は、リチウム63.2%、ニッケル水素19.6%、ニッカド15.1%。世界市場は二次電池全体で40億1000万個規模(06年)。電池別比率はリチウムが52%、ニッケル水素が29%、ニッカドが19%。いずれも三洋電機がトップだ。 三洋電機の二次電池売上額は07年度12月累計実績(4〜12月)で2694億5200万円、同年度で3455億円を見込む。各電池の生産能力(08年3月末)はリチウムが月産7000万個、ニッカドが同4200万個、ニッケル水素が同4000万個。同社は二次電池事業として10年までの約3年間で約1000億円の設備投資を計画。主にリチウムが投資対象となる。 ソニーはリチウムを中心に展開。円筒/角型の従来型リチウムとゲル状ポリマーを使ったリチウムイオンポリマーを製品化する。円筒型はノートPC、カムコーダー、デジカメ、角型はデジカメなどに使われている。リチウムイオンポリマーは携帯電話向けが多く、同分野で高いシェアを持つが、携帯ゲーム機、音楽プレーヤー、一部ノートPCでも採用されている。製造は日本(福島)、中国(無錫)、それに08年から製造を開始するシンガポールの3拠点。製造比率は10年3月で日本50%、中国35%、シンガポール15%を見込む。リチウムイオンポリマーは中国を中心に製造している。 松下電池工業はリチウム、ニッケル水素、自動車用バッテリーなどの二次電池を手がける。06年度は全社売上額3000億円超を記録。内訳はリチウム33%、自動車用バッテリー/鉛蓄電池13%、ニッケル水素7%、充電器ほか7%、ニッカド/アルカリ蓄電池1%。同社は08年度も、小型二次電池の売り上げが堅調に伸びると予想する一方、亜鉛やニッケルなど、原材料の高騰に不安を抱える。同社は和歌山工場(和歌山県紀の川市)にて、リチウムの新棟を建設している。投資額は約45億円。07年12月に着工しており、08年5月の竣工を予定している。これまで、和歌山工場は電池用部品の拠点として位置づけられてきたが、今後は電池の源泉工程から電池の組み立て/検査/出荷まで一貫して行う。これにより、09年度には守口本社工場、和歌山工場、中国のパナソニックバッテリー無錫の3拠点を合わせ、世界のリチウム生産能力は同2500万個から同3700万個に拡大する。 |
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