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J最大級の大乱闘!“赤い悪魔”出口封鎖

 試合後、フェンスを突破してG大阪サポーターに詰め寄る浦和サポーター=埼玉スタジアム

 「J1・第13節、浦和2-3G大阪」(17日、埼玉)

 埼玉スタジアムで行われた浦和-G大阪の試合終了後、浦和サポーター約5000人が、G大阪側観客席の出口を3時間にわたって“封鎖”。G大阪サポーター約1000人が外に出られない異常事態が発生した。また、観客席にいた両チームのサポーターがもみ合いになり、G大阪サポーター(男性)が観客席から約4メートル下に転落し、ケガをした。試合は3-2でG大阪が勝ったが、国内2大クラブの今季初対決は、後味の悪さを残した。

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 怒号とともに、移動式フェンスで区切られた緩衝帯が両軍サポーターによって破壊されていく。J史上最大級の乱闘騒ぎだ。判定などをめぐり、両サポーターがヒートアップ。試合後、浦和サポーター約5000人がG大阪側の観客席の出口を取り囲み、G大阪サポーター約1000人を閉じ込めた。

 試合前からゴール裏には、異様な雰囲気が漂った。フェンス越しに挑発し合い、水入り風船、紙コップ、フラッグの竿などが飛び交い続けた。そして、1-0の前半44分。ボールがサイドラインを割り、判定が出ないうちにバレーがスローイン。そのままG大阪が追加点を奪った。このプレーに浦和GK都築が猛抗議。浦和サポーターの不満は募っていった。

 試合終了直後、勝利にわくG大阪イレブンはピッチ上で円陣を組み、喜びを表現。これを見た浦和・闘莉王らが突進するなど両軍は一触即発となった。呼応するようにサポーターの争いも激化。もみ合いによって観客席から転落した大阪府在住の35歳男性は、骨折の疑いで救急車で病院に運ばれた。

 浦和サポーターは、G大阪サポーターの謝罪を要求し続けた。緊急事態に埼玉県警は約200人が警戒に当たり、機動隊特殊車両3台、パトカー20台以上も出動。“封鎖”してから3時間、ようやくG大阪サポーターは別出口から急きょ用意されたバス約20台で搬送された。吹田市内に住む23歳の男性は「なんで勝ったのにこんな目に遭わないといけないんだ」と、涙目で訴えた。同日午後7時ごろ、双方のサポーターの代表者が話し合って騒ぎは収束した。

 大トラブルに滝マッチコミッショナーは、緊急報告書をチェアマンとJリーグの裁定委員会に提出。最悪の場合、主催者の浦和に1千万円の制裁金が科せられる可能性もある。リーグ戦中断前、最悪の遺恨が残った。






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