北京オリンピックを前にして、薄型テレビの売れ行きが好調だ。
シャープが発表した2007年度の液晶テレビの出荷台数は前年比37%増の825万台。松下電器産業も、プラズマテレビと液晶テレビを合わせて前年比27%増の750万台を出荷。いずれも高い成長率を達成している。
また、ソニーも、2007年度実績で1060万台の液晶テレビを出荷したと発表。前年度の630万台から大幅に出荷台数を増やしている。
これらの数字からも薄型テレビの好調ぶりは裏付けられるといえよう。
だが、こうした数字の裏に隠れた、気になる数字がある。
実は、高い成長率を遂げているシャープ、松下電器産業であるが、2社は、いずれも年間出荷計画には未達という状況なのだ。
松下電器産業はプラズマテレビで500万台以上、液晶テレビで400万台の合計900万台以上が、年度始めに掲げた目標。今年1月に発表した第3四半期決算の会見時には、通期のプラズマテレビおよび液晶テレビの出荷台数が、「プラズマテレビでは500万台を少し下回る程度。液晶テレビは年間350万台程度に落ち着く」(松下電器産業・上野山実取締役)と、事実上の下方修正を発表していた。
だが、結果としては、プラズマテレビが425万台、液晶テレビが325万台と、それをさらに下回る実績。つまり、第4四半期(1〜3月)でも、読みを下回ったのだ。
松下電器産業の大坪文雄社長は、「液晶テレビはパネルがなく、作りたくても作れなかったのが要因。プラズマテレビは、フルHD対応の普及機投入の遅れが響いた」と語る。
しかし、周到な計画立案を身上とする大坪社長にとって、主力の薄型テレビでの大幅な計画未達は、許し難いマイナス材料と言えるだろう。