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中之島フェスティバルタワー計画にゴーサイン
〜大阪市都計審が都市再生特別地区を承認〜
日本最高レベルの耐震性、環境面に最大限配慮

 フェスティバルホールや朝日新聞大阪本社が入るビルを建て替える大阪・中之島地区の再開発プロジェクトで、5月13日、大阪市都市計画審議会により、同開発計画案が都市再生特別地区の承認を受けました。朝日新聞社は、東西2棟の新ビルを「中之島フェスティバルタワー」(仮称)とし、建設に向け、本格的に始動いたします。国内最高水準の耐震性とともに、河川水を利用した地域冷暖房システムの採用によってCO2排出量を大幅に削減、ヒートアイランド現象を防止するなど、環境面に最大限配慮したビルをめざします。

□来年4月に東地区のビル解体

 都市再生特別地区が承認されたことにより、現行1000%の容積率を1600%に引き上げることが可能になります。この結果、当初計画通り、高さ約200メートルのツインタワーの建設が実現の運びとなりました。第1期工事となる東地区は、すでに実施設計に入っており、現在審議中の環境影響評価(アセスメント)が終了すると見込まれる2009年4月ごろに東地区のビル解体に入り、引き続き新ビル建設に着手します。今のところ、2013年に東地区、2018年に西地区が竣工する予定です。延べ床面積は東西合計約29万平方メートルです(容積対象面積は約26万平方メートル)。

□日本最高レベルの耐震性

 「中之島フェスティバルタワー」の耐震性については、「阪神大震災級の震度7の地震がきてもビルの機能上の問題は生じない。加えて1.5倍の地震動に見まわれても、ビルの安全上の問題を生じない」(設計者の日建設計)という、現時点で日本最高レベルの耐震性をめざします。低層部にフェスティバルホールが入る東地区では、ホール上部に免震装置とダンパー(振動吸収装置)による、中間層免震構造を採用します。ダンパーは地震のエネルギーを吸収して、長周期地震動にも対応します。免震構造を持った高さ200メートルクラスの超高層オフィスビルは日本で初となります。

□ヒートアイランド現象を防止

 今回採用する地域冷暖房システムは、2つの川に挟まれた中之島の地の利を生かし、敷地北側の堂島川から取水、河川水が持つ熱を利用した後、南側の土佐堀川に戻すというものです。河川水は年間を通じて水温が安定し、大気に比べ、夏は冷たく冬は温かいという特徴があります。中之島地区では、関西電力の関連会社である関電エネルギー開発が関西電力本店ビル(中之島3丁目)に導入しています。中之島フェスティバルタワーについては、関電ビルのサブプラントの位置づけで、同社が新ビル内に施設を新設・運営し、当社は冷水と温水による熱供給を受けることになります。河川水を利用するため大気への排熱は一切なく、ヒートアイランド現象を防止します。屋上に設置する冷却塔が不要になり、ボイラーなどからの排熱もありません。

□CO2を40%削減

 河川水の特性を生かした高効率ヒートポンプの採用などで、従来方式では年間4400トンと計算されるCO2排出量を、年間2600トンと、約4割削減します。

 冬の堂島川の水温は低いときで約6℃ですが大気より3℃ほど暖かく、逆に夏は3℃ほど冷たい、という特徴があります。この大気との温度差を生かし、効率的な熱移動を行うことで、従来の大気を熱源とした方式に比べ省エネを実現しました。さらに、大容量の蓄熱槽を設置し、昼間のピーク時には夜間に蓄熱した熱を利用、ヒートポンプの運転効率を高めます。

【新しいフェスティバルホール】

2700席を擁する新しいフェスティバルホールのイメージ図
 東地区に入る新しいフェスティバルホールは、「音楽の殿堂」として、世界的に高く評価されている現ホールの「クリアで艶のある」音響特性やイメージを継承。クラシックを中心とした音楽、舞台芸術公演の場となります。収容人員2700席(現ホールと同一)という国内最大規模に加え、臨場感あふれる客席、バリアフリー化、舞台機能の充実など、最高レベルのホールをめざします。

 現在のフェスティバルホールは、2700席の大空間を持つにもかかわらず、楽音が明瞭に聞こえ、迫力のある低音の響きが特徴的で、「クリアで艶のある音」として、多くの専門家や演奏者から高く評価されてきました。新しいフェスティバルホールは、明瞭かつ迫力のある現ホールの音響特性を継承することを基本方針とし、専門家のご意見を取り入れながら、詳細設計を進めています。

 新しいフェスティバルホールの客席数は現在と同じ2700。現在のフェスティバルホールの特徴であるホール内部天井のルーバー(※)、拡散形状の反射壁や照明、赤色基調の客席や内装などを継承します。また、ボックス席も現ホールと同様、1階席中央に設けます。客席から舞台を望んだ時に圧倒的な存在感を与えるフェスティバルホールの雄大なプロセニアム形式(※)の舞台間口を継承します。その上で、より多様な演出に対応できるよう、舞台脇の壁面位置を前後に動かせる機構を新たに導入し、舞台間口を変えられるようにすることを検討しています(イメージ図)。舞台面積も2倍以上に広がるほか、舞台機構、照明、音響設備については最新技術を取り入れて大幅に機能をアップ、様々な演目に対応します。

(※)ルーバー(Louver) 羽板(はいた)と呼ばれる細長い板を平行に組んで板状にし、取り付けたもの。
(※)プロセニアム形式 舞台前面にプロセニアム・アーチ(proscenium arch)と呼ばれる額縁状の枠が設置された劇場形式。

 このほか、大理石の柱と壁に囲まれ、赤いカーペットの敷かれたメーンエントランスの大階段、中之島の水景が一望できるメーンホワイエなど、大阪が世界に誇るフェスティバルホールにふさわしい豪華さと品格を表現します。

 新しいフェスティバルホールは、現在の1、2階席構造から、1〜3階席までの構造としますが、どの席からでも舞台がよく見渡せるよう、側方の座席配置にも細心の工夫を施しています。こうした取り組みによって、「舞台と客席との一体感」という現在のフェスティバルホールの特長を、最善の形で継承します。1階メーンエントランスから、すべての客席階にエレベーターでアクセスできるバリアフリー動線を確保し、幅広い年代のお客様に、より優しいホールとします。トイレの数も増やします。

(2008/05/13)

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