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【長野】外科医の相互派遣で手術件数増加 阿南病院と飯田病院2008年5月17日
全国的に医師が不足し、各病院が確保に躍起になる中、医師を病院間で派遣し合う取り組みが奏功している。阿南町の県立阿南病院は、飯田市の飯田病院と外科医の相互派遣協定を結んで約1年。順調に手術件数が増加している。 阿南病院は2005年度、飯田病院は07年度から、それぞれ外科医が1人になった。大掛かりな外科手術は1人では難しく、全国で不足する麻酔科医も両院とも1人だけ。大手術は、別の病院に頼まざるをえなかった。 しかし、阿南病院は高齢患者が多く、飯田市まで1時間以上かかり、公共交通機関も不便。飯田病院と思惑が一致し昨年6月、「病院間で医師を共有、派遣して助け合い、患者の利便性を図ろう」と初めて協定した。 病院同士で協力して手術予定を計画的に入れ、外科医が互いに行き来する形で実施。両院とも「手術できる症例が増え、大変に助かっている」といい、阿南病院は、06年度と07年度で手術件数が2倍に増えたという。 阿南病院の桜井勝司事務部長は「地域医療を守るため、医師が病院の枠を超えて活躍する時代になった」と話し、飯田病院の矢沢昭彦事務局長も「今後も地域連携を進めたい」と積極的な姿勢を見せている。 (石川才子)
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