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2008年5月18日(日) 朝刊 23面
「年齢格差」に憤り/人間ドック助成廃止
 今年四月からの新しい医療制度の導入は、市町村の保健事業を大きく変えた。多くの市町村が生活習慣病の予防を充実する一方、精密検査でさまざまな病気の早期発見・早期治療を目的とした人間ドック費用の助成を廃止。助成を継続する市町村では対象者を七十四歳以下に限定し、年齢により市町村で受けられる保健事業に差が出る形だ。七十五歳以上の高齢者からは「まるで年寄りはいらないと言われているよう」と憤りの声が上がっている。

 昨年助成を行っていた県内市町村の九割近くが、本年度から七十五歳以上を助成対象外とした。一方、七十四歳未満の助成は半数が継続する。

 市町村が助成対象を年齢で区別した背景には、後期高齢者医療制度の導入で七十五歳以上が国民健康保険から外れたこと、四十―七十四歳は特定健康診査の導入で健診事業が国保や社会保険など各保険者ごとに責任がより明確化したこと―がある。

 南大東村は「七十五歳以上の保険者は後期高齢者医療広域連合となり、市町村とは別」と話す。このほか宜野湾市や浦添市など五市町村が、七十五歳以上の助成を廃止する一方で、七十四歳以下への助成を継続した。二〇〇七年度は職場などで健診を受ける機会のない十八歳以上の住民にも助成していた南城市。〇八年度は二十―三十九歳は昨年同様の助成を行う一方、四十―七十四歳は国保加入者に限定、七十五歳以上は対象外とした。市は「病気を予防し、医療費を抑える点から若い世代へのアプローチが重要」と説明する。

 助成を継続した自治体も思いは複雑だ。北谷町は「国は保健事業を“予防”にシフトしており、助成への補助金も廃止された。予算を住民に公平配分する点から数年内に見直しが必要」とする。

 県広域連合によると、七十五歳以上の健診事業は問診、肝機能検査、尿検査など基本五項目。市町村が四十―七十四歳の国保加入者に実施する特定健康診査より健診項目は少なく、人間ドックへの助成もない。

 助成廃止について県退職教職員会那覇支部の永山恒さん(75)=那覇市=は「人間ドックを受けようと思って市に電話したら、『今年から後期高齢者は県が担当です』と言われて、見捨てられた気持ちになった。年金生活で人間ドック費用の自己負担はきつい。病気が重くなってから病院にかかっても遅いのに」と憤りを隠せない様子だった。



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