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アフリカへの攻勢強める中国
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日本が冷戦終結直後にTICADを発足させたのに対し、中国は遅れて2000年に中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を立ち上げた。だが、中国はアフリカでの石油・レアメタル(希少金属)など資源の獲得や台湾の独立阻止などの思惑をむき出しにして、直接投資や経済援助といった武器を駆使しながらアフリカでの存在感を急速に強めている。
平成17年の日本のODAに占めるアフリカ向け援助の割合は10・5%であるのに対し、中国のそれは約4倍の44%に上った。現時点で日本はアフリカでの国連平和維持活動(PKO)に人員に派遣していないが、中国では1273人が活動している。アフリカ諸国に置かれる大使館は日本が24カ国にとどまり、47カ国の中国に大きく水を空けられている。
巨額資金とともに大量の労働者を本国から連れてくる中国の支援に対し、日本外務省関係者は「アフリカ側も警戒感を強めている。透明性がないし、環境や社会面への配慮もない。必要性を疑うような豪華な政府庁舎建設を行い、人権状況に問題がある国への援助もためらわない」と指摘している。
しかし、こうした援助のあり方が、アフリカ諸国の首脳にとって、うまみのある援助であることも事実。政府関係者は「日本がよほど思い切った援助をしなければ、中国の存在感に太刀打ちできない」と漏らしている。