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【四川大地震】中国との意思疎通不足など問題点も 日本の国際緊急援助隊 (2/2ページ)
母娘の発見現場は、生き埋めになった者がもともと3人しかいないとみられる場所だった。しかも、援助隊が母娘の救出現場に到着したのは、四川省成都を出発してから14時間後。現場は成都の空港から400キロ。綿竹市や都江堰市など、成都から100キロの圏内には多くの学校や病院などの倒壊現場がある。一刻も早い救助を求める被災者も、それだけ多い。
日本隊が入った現場周辺の山は半分が崩れ落ち、大量の土砂が町を覆っていた。80メートルに渡り土砂に埋まった小学校もあった。現場は、都市型災害救助という援助隊の専門とは、かけ離れた状況だった。
「学校や病院など、生存率の高い現場で成果を上げたい」。複数の隊員がこうもらし、現場到着に予想外に時間がかかったことを残念がった。
援助隊の団長を務める小泉崇・外務省国際緊急援助室長は、「中国にとって外国の援助隊受け入れは初めて」と中国への理解を示したが、実態は、「現段階では生存率が1割程度にまで低下している」(隊員)だけに、援助隊には今、効率的な活用が最も求められている。(野口東秀)