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【四川大地震】中国との意思疎通不足など問題点も 日本の国際緊急援助隊 (1/2ページ)

2008.5.17 21:07

 日本の国際緊急援助隊の第1陣、第2陣計60人は17日夜、四川省綿陽市曲山(きよくさん)鎮に到着した。引き続き、約60キロ離れた最大被災地の一つ、北川県に向かう。

 被災地では、日本の国際緊急援助隊の活動を高く評価する声が上がっている。その一方で、援助隊が誇る高度な専門性が十分に生かせない現場に送られるケースもあり、援助隊の効率的な活用をめぐっての日中間の意思疎通や、事前調整の不足が目についている。

 日本の援助隊は17日早朝、青川県の病院宿舎で28歳の母親と生後2カ月の娘を遺体で発見した。母親は寝室で娘を抱きかかえるようにして死亡していた。援助隊員は全員で遺体に黙祷(もくとう)し、遺族らが泣き崩れる中、遺体を搬出した。

 「心より感謝します」「一番乗りしてくれた。困っているときに助けてくれた真の友人」−。日本隊の活動は周辺住民の間に知れ渡っている。インターネットの掲示板には、救助隊への感謝やその礼儀、規律の正しさを讃える声が集まっている。被災地では、不足しているはずの食料や水を、救助隊のためにわざわざ差し入れる住民もいた。

 一方、中国側から援助隊に新たに指示された北川県の救助現場は、生徒数約1500人の中学校。すでに軍が救助活動をした場所だ。中国外務省の同行者が日本側に伝えたところでは、まだ捜索や救助が実施されていない校舎が1、2棟あるという。

 しかし、援助隊には生き埋めになったとみられる人数すら通知されず、そのまま現地へ向かうよう指示を受けた。記者団から「なぜ情報が入らないのか」「軍が活動した後の現場ばかりに向かわせるのか」などと質問を受けた援助隊関係者は、「何も知らされていない」と答えるばかりだった。隊員からも、「なぜ軍が活動したところにわれわれを行かせるのか」と首をかしげる者もいた。

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