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パンダつがいで年1億円 高額のレンタル料に疑問の声も (1/2ページ)
このニュースのトピックス:動物園・水族館
東京・上野動物園にジャイアントパンダがつがいで戻ってくることが決まった。6日夜の福田康夫首相との非公式夕食会で中国の胡錦濤国家主席が貸与を表明。約35年間続いた上野のパンダ展示は4月30日のリンリンの死で途絶えていたが、再開される見通しだ。
ただ、パンダはそもそもチベットの動物。ワシントン条約で国際取引が規制されていることもあり、原則的に無償貸与もできない。このため、年間1億円以上ともいわれる高額のレンタル料を疑問視する声も上がっている。
上野動物園では連休中、リンリンのパンダ舎前に記帳所が設けられ、「天国でも元気でね」などと1万人以上が記帳。パンダ関連グッズも売れ行きは好調で、担当者は「上野とパンダは長い結び付きがあり、来園者に愛されてきたことの表れ」と話す。
一方で、中国側では1950年代から各国にパンダを贈る「パンダ外交」を展開してきたが、近年はワシントン条約に抵触することから繁殖研究目的として原則、有償貸与している。また、パンダの生息する四川省が、チベット族が多く住む地域であるため「外交に使うのはおかしい」との声も上がっている。
今回の貸与条件は不明だが、レンタル料はつがいで2頭を飼育している神戸市の王子動物園で年間計約1億円。しかし、純粋な増収効果は1億円に満たないといい、さらに研究費としても、年間5000万円が必要という。奥乃弘一郎副園長は「レンタル料ではなく、あくまで希少動物保護という動物園の役割を果たすために支払っているが、なければないで助かる」。
平成6年から日中共同の繁殖研究をスタートさせ、国内最多の6頭を飼育している和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」では、貸与額は「非公表」としている。