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心の叫び受け止めて 那覇でいじめシンポ2007年1月30日

意見交換する(左から)森さん、喜瀬氏、仲里教諭、長堂教諭=那覇市の真和志農協ホール

 いじめ問題を考える市民大シンポジウム(「子どもたちに愛と尊厳を!」実行委員会主催)が27日、那覇市の真和志農協ホールで開かれた。昨年10月、いじめを苦に自殺した福岡県筑前町の中学2年の男子生徒の母・森美加さんが報告、「いじめで苦しむ子に『あなたは大切な存在だよ』と伝えてほしい。心の叫びを受け止め、息子のような苦しみが2度と起きないでほしい」と呼び掛けた。 シンポジウムは保護者や教員、いじめを受けた経験者ら約180人が出席した。森さんは、26日には小禄中学校で生徒らを前に講演。これまでも埼玉県の大東文化大学などで講演しており、今回で5回目。
 森さんは、長男がいじめを苦に自殺した経過や、その後の学校側と町教育委員会の対応について報告。わが子を失った悲しみから涙で言葉に詰まる場面もあった。
 同級生から「うざい」「きもい」など言葉の暴力が日常的にあったことや自殺当日にもひどいいじめを受けたことを説明。森さんは「息子はいじめた子を責めるのではなく、ただ『ごめんね。言い過ぎたね』と言ってほしかったのだと思う」と話した。
 町教委の調査では同級生が「苦しんでいることに気づかなかった」との報告もあったことを紹介し「一人一人が相手の気持ちを思いやれるようになってほしい」と強調した。
 さらに「今もいじめを受けている子がたくさんいると思う。今、何が問題なのか真剣に考えてほしい。周りの大人は、子どもの心の叫びを受け止めることが大切。息子の自殺を、2度といじめ自殺が起きないための出発点にしてほしい」と力を込めた。
 意見交換では、森さんに加えて長堂登志子那覇市立古蔵小学校教諭、仲里健那覇高校教諭、喜瀬乗進氏(上級教育カウンセラー)が登壇。実践発表やいじめ防止に向けて提言した。


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