最終報告は「長期にわたる『からかい』や『冷やかし』などの蓄積は、『いじめ』に相当するものだった。自殺当日にトイレでズボンを脱がされそうになった出来事も、ふざけ合いのように見えるが、生徒にとっては相当な精神的苦痛だった」と指摘した。この精神的苦痛は「孤独感を伴った非常に大きなもの」で、「長期の『からかい』や『冷やかし』などの蓄積が(自殺の)大きな要因の一つと推測される」と結論づけた。
一方、学校について、1年時の学級担任の不適切な言動が自殺の直接的な要因だったことは否定したものの、教職員や校長らが生徒の異変に気付かず、日ごろから必要ないじめ対策も講じていなかった点を非難した。
調査委は学識経験者ら7人で構成し、真相究明を目的に、これまで同級生へのアンケートや遺族や教員への聞き取りをしてきた。【いじめ問題取材班】
12月29日9時56分配信 毎日新聞 /
12月29日17時0分配信 毎日新聞福岡の中2自殺、いじめと因果関係…調査委が報告書
福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒が自殺した問題で、調査委員会の高田清委員長(右)から最終報告書を受け取る同町の柿原紀也教育委員長。報告ではいじめと認定し、自殺との因果関係を認める内容に(28日)(時事通信社) 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒が自殺した問題で、同町教委の調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は28日、いじめ行為と自殺との因果関係をある程度認めた内容の最終報告書を、同町教育委員長に提出した。
調査委は、同級生らによる男子生徒への長期間のからかいや冷やかし行為を「いじめ」と認定。「こうした行為が、自殺にまで至った最大の原因の一つと推測される」と判断した。
いじめに気付かず対策を講じてなかった2年時の担任教師や学校、町教委についても「努力が足りない」「責任は重い」などと指摘した。
しかし、中間報告で、男子生徒への「軽率な言動」を指摘された1年時の担任の言動については「自殺の直接的な要因と考えることに無理がある」と結論づけた。
この問題では、三輪中2年の男子生徒が10月11日、「いじめられて、もういきていけない」などの遺書を残して自宅倉庫で自殺。学校側は当初、同級生がいじめを行っていたことや、元担任が、自身の不適切な言動が自殺につながったと一時認めていたが、後に撤回、このため、生徒の両親が反発していた。
(2006年12月28日21時33分 読売新聞)いじめ自殺の生徒の母が講演

福岡県筑前町でことし10月、いじめを苦に自殺した中学生の母親が26日、熊本県で学校の教師を対象に講演を行い、「いじめの問題を隠さず、学校と家庭と地域が連携して子どもと向き合うことが子どもを守ることにつながる」と述べて、いじめの問題を真剣に受け止めるよう訴えました。
講演をしたのは、いじめを苦にことし10月自殺した福岡県筑前町の中学2年の男子生徒の母親で、熊本県山鹿市の会場には、九州各地の小中学校や高校などの教師およそ300人が集まりました。
この中で、母親は「息子は命の大切さをわかっていたはずです。それでもみずからの手で命を絶ってしまわないといけない大きな原因があったということです」と述べました。
さらに、母親は「いじめというのは人の心と人の幸せを壊し、命をも奪うことがあることを忘れないで下さい。いじめの問題を隠さず、学校と家庭と地域が連携して子どもと向き合えることが子どもを守ることにつながる」と述べて、いじめの問題を真剣に受け止めるよう訴えました。
講演を聞いた小学校の男性教師は「遺族の苦しい胸のうちを聞くことができて貴重な経験となった。学校は年々、忙しくなり、子どもや保護者とかかわる時間が少なくなっている。もっと子どもとかかわり、子どものちょっとしたことばやしぐさに気がついてあげられる教師にならなければと思いました」と話していました。
NHK 12月26日 18時42分いじめ解消探る会議設立へ
筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(当時13)がいじめを苦に自殺した問題で、町は20日、いじめや不登校問題の解消に向け、「筑前町子ども未来会議」の設立推進本部を発足させた。町4役や総務、教育などの関係課長らで構成。発足にあたり、手柴豊次町長は「県や全国に与えたマイナスイメージをプラスイメージに変えて発信できるように、やっていかねば」と述べた。年内に全職員から意見を募る方針。
未来会議は来年1月下旬〜2月上旬をめどに、4役と教育課長、生涯学習課長、こども未来課長に有識者らを加えて発足させる予定。児童虐待なども含め、教育問題全般の対策を探る。町教委が設けた、いじめ自殺問題の調査委員会が年内の最終報告に盛る提言の内容も併せて検討する。
手柴町長は「広くて根が深い問題で、簡単ではないが、これは自殺した生徒に対する弔いであり、償いだ」と語った。
2006年12月21日 asahi.com:マイタウン福岡・北九州中2自殺、福岡法務局が調査開始 「人権侵犯の疑い」
複数あった遺書の一つ 福岡県筑前町の町立三輪中学2年の男子生徒(当時13)がいじめを苦に自殺した問題で、福岡法務局は「生徒へのいじめは人権侵犯の疑いがある」として調査を始めた。同中学の関係者に聞き取り調査などをし、人権侵犯の事実が確認できれば指導を行うことにしている。
福岡法務局人権擁護部によると、調査は被害者の救済を目的に、管内で人権侵犯のおそれがある問題が起こった時に行う。同町教育委員会の調査委員会が12日にまとめた中間報告は、自殺した生徒が複数の生徒からいじめに類する行為を受けていたとする内容で、同中がいじめ問題について意識が低く発見の努力を怠っていたとも指摘。このため同法務局は、学校の対応に問題がなかったか調査することにしたとみられる。
調査の結果、人権侵犯の事実が認められれば、文書や口頭で、学校に被害救済の対応をするよう要請したり、教員に反省を促すための指導をしたりするという。
asahi.com 2006年12月15日22時52分福岡いじめ自殺 筑前町教委の調査委が中間報告
いじめ自殺問題の調査中間報告書についてコメントする、高田清・調査委員長(左)=福岡県筑前町で12日午後7時47分、飯ケ浜誠司写す 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、町教委の調査委員会は12日、中間報告をまとめ、柿原紀也・町教育委員長に提出した。報告では「いじめに類する行為があり、生徒を結果として死に追い込んでいった可能性がある」と指摘し、学校側がいじめを見つけようとする努力を怠っていたと認定した。しかし、自殺との因果関係については明確にせず、調査の限界をうかがわせる内容となった。年内に最終報告をまとめる。
調査委のメンバーは学識経験者や県PTA連合会長ら7人。8回の会合を開いた。
中間報告によると、男子生徒は他の生徒から複数のあだ名を付けられ「うざい」「うそつき」などの「からかい」や「冷やかし」などの言葉を入学当初から断続的に受けていた。自殺当日の10月11日、男子生徒が校内でズボンを下ろされそうになったことについて、中間報告は「そこで、男子生徒は『死ぬ』という言葉の真偽を複数の生徒から迫られ、屈辱的な行為を受けた。『ウソつき』と言われたくない男子生徒は追い詰められた可能性がある」と指摘した。
男子生徒の親から受けた相談内容をクラスの中で伝えたとされる1年時の担任教諭については、教師として不適切な言動があったことを認めたが「自殺の直接の要因と判断することは難しい」と結論づけた。また、学校については「具体的ないじめ対策を十分に講じていなかった。問題についての意識が薄く、『いじめを見ようとして見る』努力を怠っていた」と指摘し、管理職も含め男子生徒へのいじめを認識していた教職員がほとんどいなかったことも明記した。【川上敏文、船木敬太】
◇「断続的と報告理由知りたい」男子生徒の父
男子生徒の父親(40)と母親(36)は12日、自宅を訪れた町職員から、生徒の遺影の前で中間報告書を受け取った。父親が取材に応じ、「最終報告書では因果関係を認めてもらいたい。『断続的』にいじめに類する行為があったとされているが、『継続的』にいじめがあったととらえている。なぜ『断続的』としたのかを知りたい」と淡々と語った。
12月13日10時26分配信 毎日新聞福岡の中2自殺「いじめも要因」、町教委が中間報告
福岡県筑前町の中2自殺問題で、生徒の両親に調査委員会の中間報告が手渡された。両親は報道陣に「きちんとした因果関係まで出ると思った。とても満足できるものではない」と感想を述べた(12日夜、福岡県筑前町)12月13日9時42分配信 時事通信 福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が自殺した問題で、同町教委の調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は12日、「同級生の男子生徒に対するいじめに類する行為が(自殺の)一つの要因になった可能性は否定出来ない」とする中間報告をまとめ、同町教育委員長に提出した。
報告書はA4判6ページ。男子生徒に対する同級生の言動について、1年生の時から「うざい」「きもい」などの言葉が投げかけられていたことなどで、「(男子生徒が)相当な負担感と精神的な苦痛を受けていた」と認定した。
1年の担任教諭が、同級生の前で母親からの相談内容を暴露したり男子生徒を「偽善者」と呼んだりした点は「教師として軽率」とし、「同級生のいじめにつながる要因になった可能性がある」としたが、「自殺の直接の要因と判断することは難しい」とした。
調査委は再発防止策の提言などを含めた最終報告書を年内にも提出する方針。
(2006年12月12日22時43分 読売新聞)福岡県筑前町いじめ自殺の中間報告 「いじめ類する行為原因」「精神的苦痛」も認定
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめられた」という遺書を残して自殺した問題で、町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は12日、中間報告を公表した。同委員会は、いじめについてからかいや揶揄やゆなどいじめに「類する行為が自殺に追い込んだ可能性がある」と判断した。ただ、生徒の心中を推測する手掛かりに乏しいことから、行為すべてを「いじめ」とは断言せず、さらに分析を進めるとした。
報告によると、男子生徒は「うざい」「死ね」「うそつき」などの揶揄を、複数の生徒から中学入学当初から受けたと判断。周囲は「冗談としてしか捉とらえていなかった」が、男子生徒は、そうした行為に「精神的苦痛を受けていたと十分に推測される」と分析。「死ぬ」と漏らし、実際に自殺した当日、トイレでズボンを脱がされそうになる事件が起き「屈辱的な行為を受けた」うえ、「うそつきと言われたくないため追い詰められた可能性がある」と指摘した。
いじめを誘発したとされる1年時の元担任教諭の言動については「いじめに類する行為につながる一因になった可能性は否定できない」としながら「自殺の直接的要因とは言い難い」とした。
ただ、自殺した生徒の受け止め方や精神状態を知る手掛かりが、遺書や一部証言以外に見当たらないことから「いじめと断定するのが困難」と判断。「いじめに類する行為」という表現に落ち着いたという。
調査委は11月7日に7人で発足。以降、同級生へのアンケートをはじめ、遺族や教師への聞き取りを実施した。自殺した生徒には、同級生らが繰り返し「死ね」「うざい」などの言葉のいじめを続けていたほか、1年時の元担任教諭がいじめを誘発するような言動を続けていたとされる。
2006年12月12日22時09分「教育再生会議」設置へ 筑前いじめ自殺
福岡県筑前町で三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとされる事件で、同町教委は12日、同町役場内にいじめなどに対応する「筑前町教育再生会議」(仮称)の設置計画を進める考えを明らかにした。中原敏隆・町教育長が議会の一般質問に答えた。
中原教育長によると、同再生会議は町教委と町の複数の課で構成。いじめや不登校、虐待など児童、生徒を取り巻く問題全般に積極的に対応していく。設置時期については、未定という。
中原教育長は、答弁の中で「今回の痛ましい事件に関して心苦しく、残念に思っている。町民や全国の方々に心痛を与えたことを、申し訳なく思っている」と述べた。
2006年12月12日20時09分福岡の中2死亡、「いじめ自殺の可能性」調査委報告へ
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が今年10月に自殺した問題で、同町の調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は、同級生からのいじめが自殺につながった可能性を認める方針を固め、12日にまとめる中間報告に盛り込む。
学校側はいじめと自殺の関係について、「ほかの要因の有無を含め、丁寧に調べたい」などとして慎重な姿勢を続けており、いじめを把握出来なかった学校側の責任が改めて問われることになりそうだ。
調査委はこれまで、同校の教職員や遺族への聞き取り調査を行ったほか、生徒らにアンケートを実施。その結果、男子生徒を不名誉なあだ名で呼ぶなどのからかい行為が繰り返されたり、教師の不適切発言があったことなどが判明した。教師らの言動を巡っては、12日の会合で再度、委員の意見を聞くことにしている。
調査委は、再発防止策の提言を盛り込んだ最終報告書を年内にも提出する方針。
男子生徒は10月11日、「いじめられて、もういきていけない」などと記した遺書を残して自宅の倉庫で首つり自殺した。校長は同月15日、遺族に対し、元担任の不適切な言動が自殺につながったことを認めたが、翌日に発言を撤回した。
(2006年12月11日14時39分 読売新聞)筑前いじめ自殺 調査委 遺族聞き取り実施
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとされる事件で、町教委が設置した調査委員会(委員長・高田清福岡教育大教授)は5日、遺族への聞き取り調査を実施した。
調査は約1時間にわたり、報道された内容や家庭内での男子生徒の様子などを確認したという。終了後、男子生徒の両親は「自分たちの思いは伝えられた。調査委の方々は真剣に話を聞いてくれた。今後の調査に期待したい」と語った。
調査委は年内に最終報告をまとめる方針。
またこの日、1998年に高校1年だった長女(15)がいじめを苦に自殺した横浜市の小森美登里さん(49)が遺族宅を訪問した。小森さん夫妻は2003年にいじめのない社会を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)を設立。講演活動などに取り組んでいる。小森さんは「多くの人たちに寄り添ってもらい、今の自分がある。筑前町の男子生徒の両親とも今後、情報交換をしていく機会を持ちたい」と話していた。
=2006/12/06付 西日本新聞朝刊=
西日本新聞 2006年12月06日01時10分いじめ自殺 福岡・筑前の中2遺族に千羽鶴…ネットの有志
遺族に千羽鶴を手渡す投稿者の女性会社員(左)=福岡県筑前町で2日午後3時半ごろ、船木敬太写す 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」で知り合った投稿者が2日、生徒の家を訪れ、遺族に千羽鶴を手渡した。
三輪中のいじめ自殺に関する掲示板の投稿者が「遺族を励ましたい」と呼びかけて始まった。投稿者数十人が11月中旬から折り始め、全国からまとめ役の投稿者に郵送した。うち13人が2日、集まった5505羽を筑前町でまとめた。
世話人役の福岡県筑紫野市の会社員女性(33)は「初めて会った人たちだが、ルールや目的がしっかりしていればできる。遺族にも喜んでもらえて、やって良かった」と話した。
男子生徒の母親(36)は「うれしかった。この問題を子供も大人も見つめていってほしいという気持ちが伝わってきた」と感謝していた。【船木敬太】
(毎日新聞) - 12月3日10時25分更新 /
msn・記事自殺した中2生徒の遺族に激励の千羽鶴
写真:2ちゃんねる より いじめを苦に自殺した福岡県筑前町の中2男子生徒(13)の遺族宅に2日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の呼び掛けで全国から集まった約5500の千羽鶴が届けられた。
千羽鶴を持参したのは、同県筑紫野市の女性会社員(33)ら3人。「学校の責任をうやむやにしたまま問題を風化させたくない」と考える人が多いことを伝え遺族を励まそうと、広島県の女性が11月16日に掲示板に書き込んだのをきっかけに、数十人から届いたという。
生徒の自殺から2カ月近くになるが、会社員によると、掲示板には今でも高い関心が集まっている。
千羽鶴を受け取った母親(36)は「励まされた。すごくうれしい」と話し、すぐに祭壇に供えた。
日刊スポーツ [2006年12月2日19時49分]【福岡】筑前町の中2生徒いじめ自殺から四十九日
福岡県筑前町で、中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題です。
四十九日の法要が開かれた28日、遺族が、現在の心境を語りました。
母親は、息子の自殺から四十九日が経った現在の心境について触れ、「悲しい気持ちに変わりはない。情報が何もないので、調査委員会には、しっかり調査してほしい」「真相の解明に向けて努力したい。また2度と同じような遺族を出さないためにいじめ根絶を訴えたい」と語りました。
四十九日の法要が行われた28日、自宅には、男子生徒の
同級生や校長らが次々と弔問に訪れ、仏前に手を合わせていました。
自殺の原因について学校側は依然、「いじめが、自殺の直接の原因かどうかわからない」としていて、遺族側との話し合いは、平行線をたどっています。
九州朝日放送 11/28 19:06 更新福岡中2男子いじめ自殺で四十九日法要 「悲しみ癒えない」
いじめを苦にする内容の遺書を残し自殺した福岡県筑前町立三輪中学校の2年男子生徒(13)の四十九日法要が28日、同町の自宅で営まれ、親族ら約30人が参列した。父親(40)は「気持ちは落ち着いてきたが悲しみは癒えない。四十九日が来た気がしない」と話した。
父親は今でも毎日、遺影に日々の出来事などを話し掛けているといい、納骨はしばらく見送る。
10月11日の生徒の自殺から約1カ月半になるが、中学はいじめと自殺の直接的な因果関係を認めておらず、いじめが自殺の原因と考える遺族と見解が対立したまま。自宅には午前9時すぎから喪服姿の親族らが集まったが、平日のためか
学校関係者や同級生らの姿はなかった。
筑前町教委は調査委員会を設置し、自殺の原因を調査している。
サンスポ 2006年11月28日 更新福岡中2自殺 両親、いじめ根絶訴え 北九州で人権集会「真相、徹底究明を」
写真:つのブログ より 福岡県筑前町の中学2年男子(13)がいじめられたとの遺書を残し自殺した問題で、生徒の両親が26日、北九州市八幡東区で開かれた福岡県人権問題研究集会(同実行委員会主催、西日本新聞社など後援)で、同校でのいじめの実態や現在の思いについて報告した。両親は「同じ悲劇を繰り返さないためにも、学校や社会からいじめをなくしたい。その思いを筑前町から全国に伝えていきたい」と、約700人の参加者を前に懸命に訴えた。
福岡県内の小中高校教師や人権擁護団体でつくる同実行委員会側が両親に要望し実現。報告には父親(40)が立ち、1年生のころの担任教師が集中的に生徒をからかいの対象にし、同級生たちのいじめを誘発したと指摘。いじめがあったのに町教委に「ゼロ報告」をしていた学校や、調査委員会に遺族を加えない町教委を批判した。
その上で父親は「なぜ息子が死なねばならなかったのか真実を知りたい。徹底した真相究明を行い、それを学校で生かしてもらいたい」と要望。いじめの存在を正直に報告すると教師の能力が問われるのではなく、「いじめ解決に懸命に取り組む教師を評価する仕組みが、学校や教育行政に絶対必要だ」と訴えた。
=2006/11/27付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 11月27日10時7分更新「真実知りたい」人権集会で心境
いじめを苦に自殺した筑前町立三輪中学2年の男子生徒(13)の両親が26日、北九州市八幡東区の九州国際大で開かれた「第28回県人権問題研究集会」に出席し、心境を語った。約700人を前に「真実がはっきりすることを切に望みます。それをもとに、二度と私たちみたいに子どもを亡くし、毎日悲しい思いをする遺族をつくってほしくないのです」と訴えた。
両親が不特定多数の人の前で話すのは初めて。知人の誘いで決意した。壇上に並んで立ち、父親が約10分間話した。
「残された遺族の思いと、息子が亡くなってから47日間のことを話します」と切り出し、真相究明とはほど遠い学校側のこれまでの対応を淡々と振り返った。その上で、町教委の調査委員会に触れ「息子がなぜ死ななければならなかったのか、真実を知りたいのです。私たちは真実がはっきりし、町から、全国から、いじめをなくすという気持ちで精いっぱいたたかっていきたいと考えています。息子の死を無駄にしたくないのです。私たちは一生、息子の死と向かい合って生きていきます」と語った。
終了後、両親は取材に「今後も機会と時間があれば、できるだけ(多くの人に)伝えていきたい」と話した。
asahi.com マイタウン福岡・北九州 2006年11月27日生徒自殺問題で三輪中校長らから聞き取り…筑前町教委調査委
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、同町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)の第4回会合が24日、町内で開かれた。合谷智校長や2年時の担任ら同校の教職員4人から初めて聞き取り調査を行った。
終了後、高田委員長は「既に報道されているいじめの内容について、事実かどうかを確認したり、より詳細な状況を聞いたりした」と説明したが、具体的な内容は明らかにしなかった。
読売・九州発 11月26日筑前の中2いじめ自殺、町教委調査委が独自アンケート実施
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、町教委が原因究明に向けて設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は22日、いじめの実態把握のため独自アンケートを行った。
同校の2年生約120人が対象。生徒が男子生徒へのいじめや嫌がらせについて見聞きしたことを、時期や場所を含めて詳細に尋ねる内容で、生徒の本音を引き出せるよう、記入や回収の際に教職員は立ち会わせなかった。調査委は今後、アンケート結果を整理し、男子生徒を取り巻く環境が入学時からどう変化したかを検証。自殺に至った背景を探るのに役立てる。
読売・九州発 11月23日がめ煮っ記:沈黙の背中 /福岡
花束を手に生徒宅へ向かう合谷校長(手前)と教職員ら=福岡県筑前町で11日午前9時15分、矢頭智剛写す 途方に暮れて、語らない背中を見つめ続けるしかなかった。
筑前町でいじめに追い詰められた13歳の中学生が死を選んだ。1カ月がたった11日の朝、中学の教職員約30人が弔問のために中学生宅を訪れた。
先月16日以降、ぷっつりと口を閉ざしてしまった学校。毎日欠かさない生徒宅への弔問でも、校長は取材に一切応じない。話せなくなった「理由」もあるかもしれない。だが、教育機関である学校が問題をどうとらえ、何を考えているのか全く見えない。それでいいのだろうか。
お参りを済ませた先生が1人、また1人と玄関から出てきた。同僚を待つ校長に尋ねた。「子どもたちにいじめについてどう話したのか」「命の大切さをどのように伝えているのか」。いくら問いかけても、こちらに向けた背は動かなかった。
祭壇に手を合わせた時、30人の先生たちは何を思っていたのだろう。遺影に何か約束できましたか、先生。【高橋咲子】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2006年11月17日福岡中2自殺 教諭や同級生らが自宅に弔問 1カ月
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺して1カ月がたった11日、三輪中の教諭や同級生らが男子生徒の自宅に次々と弔問に訪れ、改めて冥福を祈った。
午前9時過ぎ、合谷智(ごうやさとし)校長と教職員ほぼ全員にあたる約30人が訪れ、生徒の遺影を見つめながらそれぞれ焼香した。
遺族によると、合谷校長に、生徒に対する聞き取り調査の中間報告などについて聞いたが「待ってほしい」と答えるにとどまったという。学校側は10月16日以降、調査の進ちょく状況を積極的に公開せず、この日も経過について尋ねる報道陣にも終始無言だった。
父親(40)は「1カ月だといっても私にとって変わりはない。真相を早く知りたい思いで過ごしてきた。すべて分かったときに初めて気持ちが変わるのかもしれない」と話した。【高橋咲子】
(毎日新聞) - 11月11日17時8分更新福岡 いじめ自殺1か月で弔問
福岡県筑前町で、中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺してから11日で1か月がたち、生徒の自宅には、多くの同級生や教師が弔問に訪れました。
先月11日に自殺した福岡県筑前町の三輪中学校の2年生の男子生徒の自宅には、11日午前、合谷智校長らおよそ30人の教師が訪れました。
教師たちは生徒の遺影の前で1人ずつ手を合わせ、めい福を祈りました。自宅には、花を持った同級生や保護者も次々と訪れ、亡くなった生徒をしのんでいました。
学校側は、いじめの実態など明らかにするために行っている調査の中間報告を近く、遺族側に伝えるとしていますが、この日も明確な回答はなかったということです。
男子生徒の父親は「息子の死から1か月がたったといっても、あまり実感がわかず、悲しみは増すばかりです。一日も早く、真実を知りたいという思いでいっぱいです」と話していました。
NHK 11月11日 12時0分筑前・いじめ自殺から1カ月 真相程遠く
福岡県筑前町で三輪中2年の男子生徒(13)が自殺してから11日で1カ月。同級生グループから「死ね」「消えろ」など繰り返し言葉のいじめを受けていたことが判明しているが、学校側はいじめと自殺の因果関係については「はっきりしない」と慎重な立場だ。学校や町教委による真相解明は進まず、遺族の悲しみといら立ちは募るばかりだ。 (いじめ問題取材班)
■学校、関連に慎重姿勢 遺族、説明不足に憤り
「1カ月がたとうというのに…。何も進んどらんし、変わっとらんです」。自殺した生徒の父親(40)は、深いため息をついた。視線の先には、丸刈りで目のクリッとしたわが子が遺影の中で、ほほ笑んでいる。
「せめて今は一緒にいてあげたい」。両親は毎晩、霊前に手を合わせ、遺影のそばで「添い寝」するのが日課だ。
「亡くなってすぐは『ただいま』って帰ってくるようでした。少し落ち着いた今はかえって寂しさが込み上げます」。母親(36)は声を落とした。
学校で何があったのか。わが子を死に追いやったものは何なのか‐。両親の思いは真相解明の1点に尽きる。だが、思いが届かないことが、時に学校や町教委に対するいら立ちの言葉となって漏れる。「早く火を消したいとしか思えない」と。
■ ■
「死ね」「消えろ」「うざい」‐。同級生らの証言により、特定の同級生グループがたびたび生徒を汚い言葉でののしっていたことが次第に明らかになっている。自殺の6日前には、体育のダンスの授業中に行われた班分けで仲間外れにされ、泣く姿も目撃されている。
一方で「じゃれ合っているようにしか見えなかった」と証言する同級生もいる。「廊下で擦れ違いざまにとか、便所など人けのないところで汚い言葉をかけていたからではないか。陰湿化する今のいじめの実態だと思う」と父親は語る。
■ ■
「この程度かと思うと悔しくてたまらん」。今月6日深夜。遺族宅で厳しい声が響いた。生徒への聞き取りなどを通して調査を進める学校側が、約束だった中間報告を延期。「伝えるだけの十分な情報がない」との説明に遺族が怒りを爆発させた。
なぜ調査が進まないのか。自殺した生徒をクラスの中でからかうなどしていじめのきっかけをつくったとされる、1年時の担任教諭が精神的ストレスから入院し、事情を十分に聴けていない。さらに、無記名で生徒にいじめの実態を聞く3回目のアンケートも、生徒の動揺などを理由に延期されたままだ。朝倉署は複数の生徒から事情を聴いているが、十分な情報は学校側に伝わっていない。一方、町教委は有識者でつくる調査委員会を発足。12月上旬に中間報告か最終報告を出す方針だが、「公平性」を理由に遺族関係者をメンバーに加えてほしいという遺族の意向には応じていない。
「親としていじめに気づいてあげられなかったことが悔しい。だからこそ真実を明らかにしたい。うやむやで終わらせるわけにはいかない」。両親は、やり切れない思いにさいなまれている。
西日本新聞 2006年11月11日01時49分筑前町三輪中教諭を懲戒免職=酒気帯び運転など−福岡県教委
酒気帯び運転やシートベルト装着義務違反などで検挙されたとして、福岡県教育委員会は9日、筑前町立三輪中学校の男性教諭(54)を懲戒免職にした。同校では先月、2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したが、この教諭との接点はなかったという。
(時事通信) - 11月9日20時1分更新福岡・教諭が飲酒運転で懲戒免職
生徒がいじめを苦にした遺書を残して自殺した筑前町の三輪中学校で別の不祥事が明らかになりました。
三輪中学校の教諭が飲酒運転や交通違反を繰り返していたとして懲戒免職されました。
懲戒免職されたのは筑前町立三輪中学校で特殊教室を担当していた田中和人教諭(54)です。
田中教諭は今年1月から6月にかけて3件の一時不停止などで検挙され、30日の運転免許停止処分になりました。
さらにこの免停が通知される前の7月、学校の帰りにコンビニで酒を買い車内で飲んですぐに運転して検問で検挙されました。
田中教諭は、その後、90日間の免停中も車で通勤し、9月にシートベルト装着義務違反で検挙されました。
校長には全く報告せず警察が校長に連絡して発覚しました。
田中教諭は91年にも飲酒運転の追突事故で5ヶ月の停職処分を受けていました。
今回の飲酒運転について「いけないとわかっていたがどうしても飲みたかった」と話してるということです。
FBS 福岡放送 2006年11月9日(木) 19:00841人「いじめ被害」告白 久留米市教委 小中高生調査 「現場を目撃」2000人
福岡県筑前町の三輪中の男子生徒が遺書でいじめ被害を訴えて自殺したことを受け、同県久留米市教委が同市立の小・中・高校生約2万8000人に「いじめ」に関する無記名アンケートを行ったところ、「今いじめられている」と答えた児童・生徒が841人いたことが8日、分かった。
同市教委は「いじめられている」と答えた児童・生徒の学級では全員に個人面談し、いじめの有無を確認して再度、報告するように各校に指示。事実であれば、加害者と被害者双方に家庭訪問をするように求めた。
この調査は10月中旬から実施。「いじめられている」の回答のほか、約2000人が「いじめを見たことがある」と回答。「誰にいじめられたか」の質問に「先生」と答えた児童・生徒も数人いた。
市教委が、いじめの加害者を「先生」とした回答者の学校に事実確認した結果、生活指導で厳しく注意されるなどした対象者が「いじめ」と受け取ったともみられることから、「いじめと確認できない」としている。
男子生徒が自殺した三輪中では、教諭によるいじめも発覚したため、市立校教諭約1500人にも同時にアンケート。55%の821人が「自分の言動を見直そうと思った」と答えたという。
市教委は8日あった市立全校の校長会で、いじめを早期発見するチェックリストを保護者にも配るように指示した。
(西日本新聞) - 11月9日10時7分更新筑前町教委が調査委設置=中2男子いじめ自殺−福岡
福岡県筑前町の中2男子がいじめを苦に自殺した問題で、同町教育委員会は調査委員会を設置し、第1回の会議を開いた。今後、遺族や学校関係者からの聞き取り調査を進め、約1カ月後をめどに報告書をまとめる(7日)(時事通信社)22時42分更新 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、同町教育委員会は7日、事実解明のための調査委員会を設置し、第1回の会議を開いた。今後、遺族や学校関係者からの聞き取り調査を進め、約1カ月後をめどに報告書をまとめる。
(時事通信) - 11月7日22時1分更新福岡・筑前町の中2自殺から3週間、いじめなど真相解明進まず
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した事件を受け、臨時の県議会文教委員会(亀谷正委員長、11人)が30日開かれた。質問に対し「調査中」を繰り返す県教委に、委員からは「自殺から19日もたっているのに、回答を逃げるのはおかしい」と批判が相次いだ。
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめが原因」という遺書を残し、命を絶ってから3週間が過ぎた。学校側はいじめの事実は認めたものの、「自殺との因果関係は分からない」との姿勢を続けている。町教委は調査委員会を設け、原因究明することにしているが、1回目の会合も開かれていない。自殺に至る“心の軌跡”はたどれないままだ。
男子生徒は10月11日、自宅倉庫で自殺した。午前中から級友に、何度も「死ぬ」「死ぬんだ」と漏らし、遺書まで作成していた。
事件のあと、三輪中では体調を崩し、欠席する生徒が相次いだ。登校しても、突然、泣き出したり、急に気分が悪くなって、保健室に運ばれたりする生徒も目立った。2年の女子生徒は「遺族もつらいだろうが、私たちもつらい。今、みんなが傷ついている。三輪中は深刻ないじめがある学校ではなかったと、今でも信じている」と訴える。
母親からの相談内容をほかの生徒の前で暴露し、男子生徒が不名誉なあだ名でからかわれるきっかけをつくった1年時の担任教諭(47)は、体調を崩し入院した。
男子生徒の遺族宅を訪れた合谷智校長は「2か月ほど休むことになりそうだ」と説明したという。
この担任教諭の評判はさまざま。同級生の一人は「傷つくことを平気で口にしていた」と批判する。担任教諭は授業中、指名した生徒が答えられないと「助けてやれる人は」と教室を見回し、挙手した級友が少ないと「おまえの友達はこんなものだ」と生徒に言っていたとされる。
一方、卒業生の一人は「気さくで、子ども好きだった」と振り返る。卒業式当日、不登校の級友が「先生(担任教諭)のクラスで卒業できて良かった」と話していたのが印象に残っているという。
福岡県警は、生徒の事情聴取をしているが、思うようには進んでいない。聴取できる時間が、放課後に限られるうえ、同席する保護者と聴取の日時を調整する必要があるためだ。県警幹部の一人は「事実関係の把握が目的。聴取の対象者が中学生だけに慎重に進めており、結論が出るまでに時間がかかるかもしれない」と説明する。
男子生徒の両親が学校側に求めている3回目のアンケートも行われていない。先送りの理由について学校側は「県警の調査が続いており、アンケートでさらに動揺を与えたくない」と説明しているが、「いじめの真相解明」を求める両親のいらだちは募るばかりだ。
また、町教委の調査委員会もなかなかスタートが切れない。事実の解明を求める両親に対し、手柴豊次町長は「社会的な問題として、幅広く議論した方がよい」と話し、方向性についても思惑のずれがうかがえる。
読売・九州発 11月6日福岡中2自殺:いじめ調査委に遺族参加認めず 筑前町
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、いじめの調査委員会への参加を求めていた男子生徒の遺族に対し、町教委は4日、遺族を含む保護者代表の調査委への参加を拒否すると伝えた。
町教委の回答書は「公平性、客観性、透明性、迅速性が確保できる第三者機関による調査を目的としているので、応じることはできない」としている。
町教委は調査委を設置する計画だが、まだメンバーは確定していない。このため、遺族は大仁田厚参院議員(自民)と連名で「自殺は命をかけた最後の訴え」とし、遺族を含む保護者代表を調査委に参加させるよう、今月2日に要望書を出していた。
遺族は「納得できない。遺族の声を反映してほしい。委員として(遺族が)入れないなら弁護士2人を委員に入れてほしい」と語った。
また、遺族らは調査委の早期設置も同時に求めていたが、町教委は「1週間以内に発足させる」と約束した。【山本泰久】
(毎日新聞) - 11月4日20時2分更新自殺後もいじめ、別の生徒標的に続く 福岡の中学校
いじめを受けていたとの遺書を残して自殺した中学2年の男子生徒(13)が通っていた福岡県筑前町立三輪中学校で、生徒に「死ね」などと言ういじめを繰り返していた同学年の男子グループが生徒の自殺後、別の複数の男子生徒に対して言葉によるいじめをしていたことがわかった。
関係者によると、グループは生徒の自殺前から別の生徒をばかにするような発言をしていたが、自殺後も繰り返し、別の生徒についても存在を疎んじるような発言をしたという。これを知った関係者が同校に通報。現在は、いじめは止まっているという。
一方、自民党の調査団が2日、県教委と町教委、遺族から聞き取り調査をした。鳩山邦夫議員は「いろいろ問題のある出来事が起きながら、学校全体の問題、教育委員会の問題にならなかったのが問題だ」と話した。
参院文教科学委員会理事で同党の大仁田厚議員もこの日、町教委を訪問。調査委員会の早急な設置や、委員に遺族など保護者代表を加えることを求める要望書を、遺族と連名で提出した。大仁田議員は町役場で会見し「学校をあげて調査していると説明されたが、第三者機関を入れないと真実は出てこない」と話した。
asahi.com 2006年11月03日09時13分福岡いじめ自殺:事件後も別の生徒に繰り返す 同グループ
中2男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中で、この男子生徒をいじめていたとされるグループが事件後も別の生徒にいじめを繰り返していたことが分かった。学校側は遺族側に「再発防止を目指す」と繰り返しているが、いじめ対策が進まない現状が浮き彫りになった。
複数の関係者によると、新たないじめを受けているのは自殺した男子生徒と同じ学年の別の男子生徒。暴力的な行為はないものの、言葉によるいじめだったという。
男子生徒の自殺後、間もなくいじめグループが別の男子生徒を対象にしたいじめを始め、見かねた他の同級生が保護者に相談し、保護者が学校側に通報した。学校側はこの保護者に「実際に新たないじめがあるかどうか調査中」と説明しているという。
同級生の保護者によると「いじめのやり方は亡くなった男子生徒と全く同じと聞いている。学校は一体何をしているのか」と憤っている。
自殺した男子生徒は自殺直前に7人の生徒からいじめを受けていたことが判明している。同中にはこの7人を含む多人数のいじめグループがあり、新たないじめもこのグループの生徒が繰り返しているという。
男子生徒は死の直前まで「消えろ」など言葉によるいじめを繰り返し受け「いじめが原因です。いたって本気です。さようなら」などと記した遺書を残し、先月11日に自殺した。自殺した男子生徒の父親(40)は「また息子と同じようないじめが起きているとすれば許せない。つらい思いをするのは私たちで十分だ」と話している。【船木敬太、高橋咲子】
毎日新聞 2006年11月3日 3時00分「学校の改善必要」 筑前町いじめ 自民党調査団
福岡県筑前町のいじめが原因とみられる中学生の自殺事件で、自民党調査団が2日、県教委や両親から聞き取り調査をした。同党の大仁田厚参院議員も同日、単独で町教委などを訪れ、調査委員会の早期立ち上げを要望した。
調査団の鳩山邦夫元文相、吉村剛太郎参院議員らは、県教委、町教委、両親と相次いで面会。元担任教諭がいじめを誘発したことについて、鳩山氏は「学校や町教委が深刻な問題として取り上げていない。特に、学校の体質改善が必要ではないか」と批判した。
一方、参院文教科学委員会理事の大仁田氏も、町教委、PTA、両親と会談。調査委員会の早期立ち上げと、両親も含む保護者代表の委員会参加を求める要望書を、両親と連名で、町教委に提出した。大仁田氏は「第三者による調査が不可欠だ」と語った。
=2006/11/03付 西日本新聞朝刊=
2006年11月03日02時13分筑前中2自殺で「調査中」繰り返し、福岡県教委に批判相次ぐ
村尾崇・県義務教育課長が現時点で明らかになっているいじめの内容や、1年時の担任教諭による不適切な言動を報告。複数の委員が「担任の言動がいじめを引き起こした最大の要因か」「いじめの把握に問題はなかったのか」とただしたが、村尾課長は何回も「調査中です」と繰り返すだけ。
このため、「調査を理由に問題を先送りせず、早く全容を明らかにすべきだ」「なぜ生徒にアンケートばかり行い、教員は真相究明のために自ら語ろうとしないのか」などの批判の声が上がった。
質疑で、県教委が1995年に作成し、県内の小中学校や教職員らに配った「いじめ早期発見・指導の手引」が三輪中では使われていなかったことも判明。手引には、子供の表情や行動でいじめが起きていないかを確認するリストや、子供への接し方を記している。村尾課長は「事件を受け、実践的な内容にしたい」と述べたが、「使っていないのに何を改訂するのか」と委員の怒りを買った。
さらに、同じ委員が96年に旧城島町(現久留米市)で中学3年の男子生徒がいじめを苦に自殺した後、県教委が子供の本音を募る「目安箱」を各校に置くとの話があったと指摘。現状を尋ねられた村尾課長が「現時点では(どうなっているのか)確認できていない」と答えたため、「教訓が生かされていない。もう一度きちんと確認して」としっ責された。
読売・九州発 10月31日福岡いじめ自殺:「笑顔忘れない」生徒らの寄せ書き届く
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、遺族宅にクラスメートから色紙が届いた。「ずっと忘れないよ」「頑張るから見守ってね」。寄せ書きには、男子生徒を思う優しい言葉がつづられている。
色紙は事件後、同じクラスだった女子生徒らが届けた。生徒たちの思いが記された寄せ書きで、男子生徒が好きだった馬やバレーボールのイラストとともに「忘れないからね。どこかで会おうね」「大好きな友達」「とても心配してた」「これからも見守っていてね」「笑顔は一生忘れません」などと書かれている。
また、遺族宅には、事件後も死を悼む友人たちが連日訪れている。
男子生徒の両親は「息子が亡くなってからいろんなことを学びました。兄弟のきずな、友人たちの思い、子供たちの勇気。本当にありがたいと思っています」と話している。【高橋咲子、船木敬太】
毎日新聞 2006年10月30日 10時55分新設立「いじめ被害者の会」、福岡県教委に防止策要請
資料を見ながら話し合う親ら。福岡県筑前町で起きた中学2年男子生徒のいじめ自殺問題を受け、いじめを苦に自殺した子供の親が「いじめ(不登校、ひきこもり、自殺)被害者の会」を設立した(29日、福岡県筑前町)(時事通信社)21時00分更新 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)が自殺した問題を受け、いじめが原因で自殺した子どもの保護者らで29日に設立された「いじめ被害者の会」の大沢秀明代表ら5人が30日、県教委を訪ね、いじめ自殺の防止対策を徹底するよう申し入れる文書を提出した。
(2006年10月30日13時35分 読売新聞)自殺生徒宅で「いじめ被害者の会」設立、5家族が参加
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)が自殺した問題を受け、いじめが原因で自殺した子どもの保護者らが29日、男子生徒の自宅で「いじめ被害者の会」の設立総会を開いた。
九州や神奈川県などの5家族7人が参加。発起人で代表を務める大分県佐伯市の大沢秀明さん(62)は「いじめの存在を隠そうとする学校の体質は変わっていない」と指摘し、「学校がいじめの早期発見や適切な対応に取り組むように、国や県に働きかけていきたい」と強調した。
大沢さんは1996年、福岡県城島町(現久留米市)で、中学3年の四男(当時15歳)を亡くしている。
94年に中学2年の長男(当時14歳)を亡くした神奈川県相模原市の平野信矢さん(57)は「子どもへのいじめで悩む保護者に必要なのは、周囲の支え。自分の経験を生かして、苦しむ人たちの相談に応じたい」と話した。
筑前町の男子生徒の父親は「今は自分のことで精いっぱいだが、将来はいじめの被害をなくすために協力したい」と語った。
問い合わせは大沢さん(0972・23・8372)。
(2006年10月29日20時32分 読売新聞)いじめ隠し究明めざす
福岡中2自殺 石井副委員長、遺族と懇談 福岡県筑前町立三輪中二年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、日本共産党の石井郁子副委員長(党文部科学部会長)・衆院議員は二十七日、亡くなった生徒の家庭を弔問し、遺族の両親と懇談しました。高瀬菜穂子福岡県議が同席しました。
石井議員は、祭壇に飾られた生徒の遺影に手を合わせて黙とう。党のいじめ問題についての提言などを手渡し、「このような事件を二度と起こしてはならない、との思いで駆けつけました」と話しました。
両親は「人権を守らなければいけない先生が子どもの差別化をしている。なぜこのようなことが起こるのか」と時折、言葉を詰まらせながら切々と訴えました。
「行政への要望は」との問いに、母親は「いじめの実態をきちんと把握してほしい。現場で、教師はいじめの発覚を避ける傾向がある」と声を震わせます。
父親は、町教育委員会の調査委員会がいまだ立ちあがらず、メンバーも知らされないことに、「いじめの隠ぺいをはかっているとしか思えない」と悔しさをにじませました。
石井議員は「いじめを隠していること、隠そうとしていることは大変問題です。国会でも事件の真相解明をすすめるよう党も力をつくします」と手を固く握りながら話しました。
2006年10月28日(土)「しんぶん赤旗」中2自殺実名報道の週刊新潮、地元図書館が黒塗りに
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒を実名報道した19日発売の「週刊新潮」について、同町が町図書館に置いてある新潮の掲載記事を黒塗りしていたことがわかった。
27日夜に行われた町議会の臨時全員協議会で町が報告した。
出席した議員によると、町は、「雑誌には生徒の実名が出ており、遺族も不快感を示している。記事を黒塗りにして対処した」と報告したという。
(2006年10月27日23時37分 読売新聞)自殺2週間前からいじめ激化
福岡県筑前町で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒に対するいじめは、自殺する2週間ほど前の先月下旬からエスカレートし、連日のように同級生から「邪魔だ」「死ね」などと激しくののしられていたことが友人の証言で明らかになりました。
福岡県筑前町で、自殺した中学2年生の男子生徒に対する同級生のいじめは、1年生のときの担任だった教師の言動から引き起こされたことを学校側は認めています。
こうしたいじめは、自殺する2週間ほど前の先月下旬からエスカレートしていったことが友人の証言などで明らかになりました。
それによりますと、教室で連日のように8人前後の同級生が男子生徒の机を取り囲み、机をたたきながら「邪魔だ」「消えろ」「死ね」などと激しくののしっていたということです。
自殺の前日にもさらに激しい口調でののしられていたため、心配した友人が声をかけたところ、男子生徒は「大丈夫。自分で何とかするから、絶対親には言わないで」と話したということです。
自殺当日の今月11日、男子生徒は「死にたい」と何度も周囲に漏らしていましたが、この友人に対しても、「周りの目が『死ね』と言っているようだ」などと話したため、「死んだらだめだ」と言って引き止めたということです。
町が近く設ける調査委員会は、男子生徒が自殺するまでのいじめの実態などについて調べることにしています。
NHK 10月27日 19時7分いじめに加担した教師、最悪の場合くびに…都教委
自殺した福岡県筑前町の中二生徒の遺族や関係者から聞き取りを終え、記者の質問に答える小渕優子政務官(右端)ら。「事実関係を精査し、いじめ防止につなげたい」と語った。生徒宅にも弔問に訪れた(25日)(時事通信社)19時25分更新 いじめを苦にした児童・生徒の自殺が相次ぐ中、東京都教育委員会は26日、教師がいじめに加担した場合、最高で免職処分にできるよう懲戒処分基準を見直した。
福岡県の中学生自殺では、担任教師の不適切な言動がいじめを誘発していたことが明らかになったが、都教委では厳罰化で意識改革を促すことにした。
これまでの基準では体罰やセクハラ、交通事故などが懲戒処分の対象とされ、いじめについては処分すべきかどうかをその都度、判断していた。新たな基準では教師による児童・生徒へのいじめや、児童・生徒同士のいじめを助長させるような言動を処分対象として明記する。
いじめを隠そうととしたり、被害に遭った児童・生徒が不登校になったりした場合は免職もしくは停職。悪質性が低くくても、教師によるいじめなどがあれば減給や戒告処分とし、学校現場の担当を一定期間外して「いじめ再発防止研修」を受けさせる。
東京都では1986年、いじめを受けた中野区の中学生徒が自殺。担任も加わった「葬式ごっこ」が発覚し、都教委は関係した教師を諭旨免職などの処分にした。
(2006年10月26日21時29分 読売新聞)いじめ、私は見ました…三輪中の同級生が両親に手紙
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、文部科学省の小渕優子政務官らが25日、実態調査のため同町を訪れ、同校の合谷智(ごうや・さとし)校長や男子生徒の両親らと面談した。
ほかに町を訪れたのは、山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)と安倍首相の諮問機関「教育再生会議」の義家弘介委員。
面談後、小渕政務官は男子生徒の1年時の担任教諭(47)の言動に言及、「(男子生徒への)いじめの誘因となった可能性がある」との認識を示した。
男子生徒の両親は小渕政務官らに対し、同級生から25日朝に受け取った手紙を読み上げた。聞いていた山谷補佐官も涙を流していたという。手紙の要旨は次の通り。
◇
私は言いたいことがあります。私は○○君の大親友です。今はもう遅いけど、早くおじちゃんやおばちゃんにいじめにあっていることを話しておけば、自殺することはなかったと後悔しています。どんなに帰ってきてと言っても、もう帰ってきません。でも毎日夢をみます。夢の中の○○君は親や家族、みんなを悲しませていることを苦しんでいます。
本当にいじめはあったのです。私は知っています。見ました。だから学校も本当のことを言ってほしい。これ以上つらく悲しい思いをするのは嫌です。(○○君は男子生徒の名前)
(2006年10月25日23時51分 読売新聞)小渕政務官ら、いじめ苦に自殺した中2の両親と面談
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、文部科学省の小渕優子政務官らが25日、実態調査のため同町を訪れ、同校の合谷智(ごうや・さとし)校長や男子生徒の両親らと面談した。
ほかに町を訪れたのは、山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)と安倍首相の諮問機関「教育再生会議」の義家弘介委員。
面談後、小渕政務官は男子生徒の1年時の担任教諭(47)の言動に言及、「(男子生徒への)いじめの誘因となった可能性がある」との認識を示した。
山谷補佐官は学校や教育委員会について「なぜ隠ぺい体質になってしまうのか、具体策を考えたい」と述べた。義家委員は合谷校長が「現時点では、いじめがあったこと自体が確認できない」と説明したことを明らかにし、「調査だけではなく、具体的な対応策を練ることが大切」と対応の遅れを批判した。
(2006年10月25日21時27分 読売新聞)【参考】・
はせ日記・平成18年10月26日(木曜日) (小渕政務官の弔問までのいきさつ)「いつ死ぬと?」生徒ら繰り返す 福岡中2自殺
福岡県筑前町で、町立三輪中学2年の男子生徒(13)がいじめを受けていたという遺書を残して自殺した問題で、この生徒が同学年の特定の生徒たちのグループから「死ね」「消えろ」などと言われ、継続的にいじめを受けていたことが関係者の話でわかった。この生徒たちは、亡くなった生徒の1年の時の担任教諭と日常的に接し、教諭の不適切な言動を見ていたため、自分たちがそうした発言をしても許されると考えたと話しているという。
関係者によると、このグループの生徒たちは亡くなった生徒に「死ね」「いつ死ぬと?」「消えろ」「うざい(うっとうしい)」などと言い続けていたという。こうした発言は1年の時から自殺直前まで続いたといい、生徒は学校で度々「死にたい」などと漏らしていた。
このグループは、生徒の元担任教諭の不適切な言動を日頃から見ていた。教諭は亡くなった生徒がいない場でも、生徒をからかう発言をしていた。グループの生徒たちは生徒の自殺後、「(教諭の不適切な言動を見て)自分たちもしていいと思った」との趣旨の発言をしているという。
この生徒たちは、焼香などで遺族宅を訪れた際に、「自分たちの発言で自殺してしまったのではないか」と遺族に話し、謝罪している。中には、「眠れない」「気力がわかない」と訴えている生徒もいる。
教諭は、亡くなった生徒が友人の文具を拾ってあげた際、「偽善者にもなれない偽善者」と言うなどしていた。同校の合谷智(ごうや・さとし)校長は、教諭の言動が生徒間のいじめの発端となり、自殺の誘因になったという見方を示している。
asahi.com 2006年10月25日15時44分福岡県筑前町のいじめ自殺調査、小渕政務官を現地へ
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福岡県のいじめ自殺問題で、文部科学省の小渕優子政務官らが25日午前、福岡市の同県教育委員会を訪れ、聞き取り調査をした。写真は生徒の自宅に弔問に訪れた小渕政務官(25日午後、福岡県筑前町)(時事通信社)14時34分更新
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、文部科学省の小渕優子政務官が25日、現地に行き、遺族や校長から直接話を聞くことになった。伊吹文部科学相が24日の閣議後会見で明らかにし、「具体的な事実関係を文科省として把握するため」と理由を説明した。
一方、北海道滝川市で小6女児がいじめを苦に自殺した問題で、道教委が市教委から女児の遺書のコピーを入手しながら紛失していたことについても、伊吹文科相は「何の指導、助言、援助もしていなかったのは、重大な責任回避で、怠慢だ」と述べた。
また、今の教育委員会の制度にも触れ、「問題が起こった時の責任権限がだれにあるのか非常に不明確」と問題点を指摘した。
(2006年10月24日12時4分 読売新聞)福岡いじめ自殺、県教委が調査結果公表を要求
福岡県教育委員会の臨時会で発言する森山良一教育長(左から3人目)。同教育長は、「悲痛な事件が2度と起きないよう重大な決意を持って取り組みを進める」と述べた(23日、福岡県庁)(時事通信社)19時15分更新 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題を受け、県教委は23日、臨時会を開き、町教委が近く設置する調査委員会に対し、原因究明を進めたうえで結果も公表するよう求めることを決めた。
臨時会では、学校が今週中に再度、生徒に原因究明のためのアンケートを計画していることについて、委員から「(生徒に負担を与えるので)何度も実施することがないように内容を精査して行うべきだ」などの意見が出た。
(2006年10月24日0時45分 読売新聞)福岡のいじめ自殺、遺族側が調査委入りを要望
福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒の両親が23日、同町役場を訪れ、町が設置を予定している原因究明のための調査委員会のメンバーに、遺族側の代表を加えるように求める要望書を提出した。
要望書では、調査委員会について、「遺族からの意見も反映されないまま学校関係者を中心として発足されようとしており、透明性、公平性を欠いている」と指摘。調査委員会のメンバーとして、遺族と、遺族が指名した識者の計2人以上を参加させるよう求めている。
父親(40)は手柴豊次町長らに要望書を渡した後、識者については具体的には決めていないとしたうえで、「遺族側の事情をよく知っていて意見を述べられる人がいい」と語った。
また「真相を解明したいとの思いから要望した。遺族側の関係者が入らなければ、学校側だけの言い分で議論が進まないか不安だった」と話した。
父親によると、手柴町長は「できるだけ対処したい」と答えたという。
(2006年10月23日12時57分 読売新聞)見えない、いじめの真相 3回目のアンケート実施へ
▽福岡県の中2男子自殺 「いじめられて、もういきていけない」。暗い倉庫の中で中学二年の男子生徒が自ら命を絶って十日以上が経過した。十三歳の少年はなぜ死を選んだのか。生徒が通っていた福岡県筑前町の町立三輪中学校では今週、全校生徒を対象にいじめについて尋ねる三回目のアンケートを実施する。見えてこないいじめの真相。精神的ショックで体調を崩す同級生も多い。
▽アタッカー
「本当にほがらかで純真」「ずばぬけて明るい」「笑顔を絶やさず、あいさつを欠かさない子」。自宅周辺で聞く男子生徒の姿は、勉強もスポーツもできる活発な子という印象だ。
小学生のときからスポーツ少年団でバレーボールを続け、中学でもバレー部。アタッカーとして活躍していた。
スポーツ少年団の監督は「友だちも多かった。言われたら言い返す気の強さもあったし、けんかも強い方。いじめられていたなんて想像もできない」と語る。
これまで、自殺当日にズボンを脱がされそうになった、一年時の担任教諭(47)が「偽善者」と言ったなどいじめの一端が判明している。
しかし、同校の女子生徒は「彼がいじめられていたとは聞いていない。疑問だらけ」と話す。多くの生徒が知っている、いわゆる“いじめられっ子”ではない。
▽カウンセリング
遺書にも誰にいじめられたのかや詳しい実態は書かれておらず、先週、学校側は毎日自習の時間をつくり、担任教諭が何度も生徒を一人ずつ呼んで事情を聴いた。福岡県警も保護者立ち会いのもと、同級生らから話を聴いている。
もしや、自分の言った何げないひと言が死に追いやったのでは。そう考えて落ち込む子も多く、遺族を訪ね謝罪した同級生もいる。
男子生徒は自殺した十一日に学校で「死ぬっちゃん」と話していた。本気にしなかった同級生の中には「なぜ止められなかったのか」との自責の念から体調を崩し、学校を休む生徒も。
「夜寝られる?」「ご飯は食べている?」。学校では真相究明と並行して専門家によるカウンセリングも続いている。
中国新聞ニュース '06/10/23自殺中2の同級生「先生がからかったので…」と両親に
福岡県筑前町の中学2年の男子生徒が命を絶った自宅倉庫。花や線香が供えられている。この日、「週刊新潮」が生徒の実名を掲載したことに対し家族は発行中止と回収を求めた(19日、同町)(時事通信社)20時44分更新 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、同級生が「先生がからかっていたので、自分たちもしていいと思った」などと、遺族に告白していることが分かった。
男子生徒の両親が22日、自宅で記者会見して明らかにした。
両親によると、焼香に訪れた複数の同級生の男子が、男子生徒が1年生だった時の担任教諭の言動をまねて、いじめたことを認めた。同級生たちは「悪いことを言ってしまった」と涙をためて謝ったという。
両親は「生徒たちは勇気を出して謝罪に来てくれるのに、学校側は事が収まってくれれば良いという姿勢。しっかり問題に向き合い、説明責任を果たしてもらいたい」と指摘。町教委が設置する調査委員会についても「遺族が参加できるようにしてほしい」と訴えた。
また、両親は「町や学校を騒がせ、迷惑をかけて申し訳ない」とした上で、「息子を死に追い込んだのは長期間にわたるいじめだった。これ以上、犠牲者を出さないためにも、全国でいじめ問題を考えるきっかけにしてもらいたい」と話した。
(2006年10月22日20時47分 読売新聞)福岡中2自殺 いじめ集団1年前からしつこく 死後「せいせいした」
福岡県筑前町の中学二年男子生徒(13)による自殺事件で、同級生の一部のグループが、一年前からたびたび、「死ね」「うそつき」などと生徒をののしっていたほか、自殺後も学校で「せいせいした」などと口にしていたことが二十一日、複数の関係者の証言で分かった。生徒を自殺に追い込んだいじめ行為の根深さを物語る証言で、福岡県警もこの情報を把握しており、近く同級生らから事情を聴くことにしている。
証言によると、いじめは主に特定のグループによって繰り返されていた。その中の一人は一年前から被害生徒を「死ね」「うそつき」などと罵倒(ばとう)。「近寄らんめえよ(近寄らないがいいよ)」と、周囲に無視を呼び掛けることもあったという。生徒が自殺した十一日には、別のメンバーが教室で生徒の机をたたき、「消えろ」と大声でののしった。
また、自殺後も「せいせいした」「別にあいつがおらんでも、何も変わらんもんね」「おれ、のろわれるかもしれん」などと校内で友人に話したほか、十三日の通夜の席では、笑いながらひつぎの中を何度ものぞき込む姿も目撃されている。
メンバーたちは二十一日までに、入れ替わり生徒宅を訪れ遺族に謝罪。その際、これらの行為の一部を認め「(自分も同じ立場だったら)死にたくなる」などと答えた。さらに被害生徒が一年生の時、いじめを誘発する発言をしたとされる男性担任教諭(47)の言動を見て「先生と一緒になってからかったりしてました」と、教諭の影響があったことも口にしたという。
北海道新聞 2006/10/22 06:59福岡いじめ 複数生徒が謝罪 遺族に「悪いこと言った」
福岡県筑前町でいじめを苦に自殺した中学2年の男子生徒(13)の父親(40)が21日未明、遺族に謝罪に来た同級生らがいることを明らかにした。
父親によると、謝りに来たのは男子生徒で複数おり、「ぼくも悪いことを言ってしまったかもしれない。謝りたい」「ぼくも悪いことをしたかもしれない」などと話した。中には、中学1年時の担任教諭の言動がきっかけになったと話している生徒もいるという。
父親は「悩んで言いに来てくれたようだ」とする一方、報道陣からそうした子供たちへの思いを聞かれ「よく分からない。何と言ったら良いか」と語った。
また、同校の合谷智校長は20日深夜に遺族宅を訪れ、全校生徒を対象とした3回目のアンケートを来週実施する方針を説明した。
(産経新聞) - 10月21日8時0分更新取材拒否カード 全校生徒に配布 福岡県筑前町三輪中
福岡県筑前町の三輪中学校父母教師会は17日、全校生徒に「私は取材を受けません」と書かれた
オレンジのカードを配布した。生徒が取材に応じたくない場合、記者らに見せることを想定しているという。同会の鎌田正博会長は「保護者から取材を断りきれない生徒もいるとの声が上がり、カードを作った。取材拒否を生徒に強いるものではない」としている。
2006年10月18日00時17分筑前・いじめ自殺から1週間 悩む生徒、地域 欠席続出、祭り中止 住民有志が公開討議へ
福岡県筑前町の三輪中学校2年の男子生徒(13)が、11日にいじめを苦に自殺したとみられる事件から約一週間。同級生による悪質ないじめや、元担任教諭によるいじめを誘発する言動が明らかになる中、学校では精神的ストレスから学校を休んだり、体の不調を訴えたりする生徒が相次いでいる。ここにきて情報を公表しなくなった学校側に住民も不信感を募らせるなど、波紋が広がっている。
「3年生は高校受験を控えている。勉強しやすい環境を整えなきゃいけない時期なのに…」。同校に通う娘を持つ母親は声を落とした。
同校ではショックから体の不調を訴える生徒が続出。多い日で約20人、平均でも十数人が連日欠席している。現在、県教委から派遣された4人のスクールカウンセラーが全校生徒(425人)を対象にカウンセリングを実施しているが、面談の途中で突然泣きだしたり、「眠れない」と訴えたりする生徒も少なくなく、継続的なカウンセリングが必要という。
学校や町教委には全国から電話やメールが殺到。「なぜ学校はひどくなるまで気づかなかったのか」など大半が怒りや抗議という。同町では来月、恒例の「どーんとかがし祭」の開催が予定されていたが、町などでつくる実行委員会は「事件で町の一体感が失われている今、祭を楽しむ雰囲気にない」と中止を決めた。
生徒や保護者への過熱取材を懸念し、同中父母教師会は報道各社に取材自粛の要請を出したり、全校生徒に取材拒否カードを配布したりしたが、逆に「真実が覆い隠されるのでは」(住民)との懸念も広がり始めている。「包み隠さず真実を明らかにしたい」として学校が始めた記者会見も数日、中断したままだけに、「取材に応じないことがかえって混乱に拍車をかけている」(別の住民)との批判もある。
こうした状況の中、住民の間では事件に向き合おうという動きも。同世代の子どもを持つ母親など住民有志でつくる「ちくぜん子どもネット」は、21日に町民が事件について考える公開フォーラムを同町女性センターで開催する。稲永正子代表(47)は「子どもたちの不安は今ピークに達している。自分たち大人に今、何ができるのか考えたい」と話している。
(西日本新聞) - 10月19日17時7分更新福岡中2自殺、文科省担当が県教委調査…父親と面会も
いじめ自殺問題で、福岡県教育委(右側)から聴取する文科省の宮崎初等中等教育局視学官(左列2人目)ら。調査内容について、19日の緊急連絡会議で報告することを検討(18日、福岡県庁)(時事通信社)17時15分更新 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、文部科学省の職員3人が18日、同県教委を訪れ、聞き取り調査をした。
北海道滝川市の小学6年女児いじめ自殺の調査結果と合わせ、19日に東京で開く都道府県・政令市教委担当者の緊急会議で報告する。
福岡県教委での調査は約2時間にわたって非公開で行われ、県、町両教委担当者が、宮崎活志・文科省初等中等教育局視学官らに、男子生徒が自殺に至るまでの経緯、いじめを受ける発端となった元担任教諭(47)の言動などを説明した。
その後、男子生徒の父親(40)が県教委を訪れ、宮崎視学官らと面会。父親が全国のいじめによる自殺件数が文科省のまとめで1999年度以降ゼロとなっていることに触れ、「実態を反映していない」と指摘したのに対し、文科省側は「調査システムに問題があれば、改善したい」と答えた。父親は「(実態を反映した)ガラス張りの調査報告となるような体制作り」を要望した。
面会後、会見した父親は「文科省側と話ができたのは前進だ。次回は筑前町に来ていただき、調査報告書に遺族の意見を取り入れてほしい。(亡くなった)息子には『一歩前進したよ』と伝えたい」と話した。
(2006年10月18日20時39分 読売新聞)「バカ」「目障り」と机に落書き 福岡いじめ自殺
福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒が、いじめられたとの遺書を残して自殺した問題で、両親が1年当時の担任男性教諭に対し、不適切な対応があったと指摘。写真は自殺した生徒の遺書(一部画像処理しています)(時事通信社)21時25分更新 福岡県筑前町の中学2年の男子生徒(13)がいじめを受けたという遺書を残して自殺した問題で、ほかの生徒らから受けていたいじめの一端が17日、わかった。ほかの生徒が、亡くなった生徒の机に「バカ」と書いたり、「おまえは目障りだから向こうに行け」と言ったりしていたという。
生徒の祖父が同日、報道陣に明らかにした。祖父によると、亡くなった生徒はこうした言葉のいじめを受けていることを友人に打ち明け、メールでのやり取りもしていたが、「親が心配するから、自分でどうかするから、心配せんでいい」と話し、他言しないように伝えていた。生徒は、両親にこうした内容を伝えていなかった。
友人たちは、これまでいじめの事実を明かさないでいたが、自殺が起きたあと、友人の親が様子を聞いたのに対し、語り始めた。それを聞いた親が遺族に伝えた。
asahi.com 2006年10月17日20時41分福岡いじめ自殺 全校生徒の1割「経験ある」 校長が謝罪
記者会見する合谷智・三輪中学校長=福岡県筑前町で16日午後3時54分、西本勝写す 「いじめが原因です。さようなら」との遺書を残して福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が自殺した事件で、同校は16日、過去に別のいじめがありながら、町の教育委員会には報告していなかったことを明らかにした。また急きょ行ったアンケートで、全校生徒の1割がいじめの経験があると答えていることも発表。後手に回る学校の対応、自殺原因と教師の関係の説明も二転三転する中、文部科学省は調査に乗り出すことを決めた。
16日午後の記者会見で合谷智校長は「(校長に就任した)04年4月以降、今回の事案とは無関係だが4〜5件のいじめがあった」と告白した。町教委にいじめの報告をしなかったが、「いずれも長期にわたらなかった」「自殺した男子生徒のいじめは分からなかった」などと釈明した。
同校では男子生徒の自殺翌日から全生徒425人を対象に記名アンケートを実施。ここで生徒たちがいじめの実態を次々に告白しているという。
男子生徒にいじめ発言を繰り返したとされる学年主任(47)については合谷校長は「父親は学年主任が長期的に(いじめ発言が)続いたと訴えているが、私は短期間に集中し、例えば1年生の1学期にあったと考えている」と、いじめ発言期間が限定的なものだったと強調。「いじめを否定しないが、誘因と考えている。裏付けられるデータが上がっていない」と語り、自殺の直接の引き金になったとの見方を否定した。その上で処遇に触れ「今は話を聞ける状態ではないので、今後の推移をみて判断したい」と述べた。
これに先立ち三輪中は同日午前、緊急の全校集会を開いた。合谷校長は「本当に申し訳ない」と全生徒に謝罪。「先生たちが手を抜いてしまった。乱暴な言葉を使った。全力で君たちの信号をキャッチする」と話し、信頼回復に全力を尽くす考えを強調した。
三輪中や町教委には数百件を超える電話やメールによる批判が殺到している。生徒の間では「先生が(いじめ発言をしたのが)原因なら、学校はきちんと調べるべきだ」「学校からいじめをなくしてほしい」などの声が上がっている。
◇「学校は自殺との因果関係なかなか認めない」
98年に長女をいじめ自殺で亡くした小森美登里さん(49)=横浜市港南区=は、今回の事件に触れ「教育委員会や学校は謝罪していじめがあったことを認めても、自殺との因果関係はなかなか認めない」と話す。
小森さんは現在、いじめのない優しい社会を目指すNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の理事で、講演活動などのために各地の学校に出向いている。
一般論としながら「いじめなどの問題が多いと学校の管理職らの格下げなどの処分となり、保身のために事実を言いにくくなる」と指摘。また、学校現場の教師たちのしがらみが、「いじめの対応が遅れる一因となっている」と分析する。
同NPOが03〜06年に、中学校23校8997人を対象に行ったアンケートでは、4人に1人がいじめられた経験を持つと回答した。小森さんは「子どもの実感と教師の目に違いがある」という。
また、いじめの数を減らすために目標数値を設定する自治体もあり、「目標値内に収めようと(いじめを)隠す原因になる」と疑問を投げかける。「数が多いことを恐れず、国や自治体は一度、実態を把握して解決に動いてほしい」と訴える。小森さんによると、長女の死亡原因は「いじめ」とされていないと学校側に説明されたという。
いじめを解決する方法の一つとして、「大人は子どもと一緒に、心と命の問題について考えていかないといけない。話を聞けば子どもは答えをしっかり教えてくれる」と話した。【吉永磨美】
◇教諭のいじめ関与、全国で
「葬式ごっこ」や差別発言、暴力、体罰……。教諭が生徒へのいじめに関与した事例はこれまでも全国で起きている。
86年2月に「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ」との遺書を残して自殺した東京都中野区立中野富士見中2年、鹿川裕史君(当時13歳)のケースでは、教諭4人が同級生とともに色紙に追悼の言葉を寄せ書きするなどの「葬式ごっこ」を行っていた。
91年6月には福岡市の市立中学校でも、尿検査で再検診となった3年生の男子生徒に対し、担任の男性教諭が中心となって同級生に「追悼の言葉」を言わせるなどした。
また、福岡市の市立小学校の男性教諭が、担任の4年生男児の曽祖父が米国人と知って、男児に「血が汚れている」などの差別発言や体罰などを繰り返し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症させたとして、男児と両親が、教諭と市を相手取って総額約5800万円の損害賠償を求めて提訴。福岡地裁が今年7月、体罰と差別的発言があったと認定し、市に220万円の支払いを命じた。しかし、PTSDは否定したため、男児側が控訴している。
ほかにも、横浜市の市立中学校で05年、男性教諭が3年生の男子生徒の鼻にチョークを押し込もうとするなどの「いじめ」を繰り返し、頭を柱にぶつけて軽傷を負わせた。02年には東京都武蔵村山市の都立養護学校の高校2年の男子生徒が、授業中に担任の男性教諭からワインを唇に塗られたり、遺影と誤解するような黒縁立ての写真を贈られている。【佐藤敬一】
(毎日新聞) - 10月17日10時23分更新文科省、いじめ自殺の小中2校に職員派遣・現地調査へ
文部科学省は16日、いじめを苦に児童・生徒が自殺した北海道滝川市内の小学校と福岡県筑前町立三輪中学校に、職員を派遣し、現地調査に乗り出す方針を決めた。
同省がいじめや自殺に関して職員を現地に派遣するのは異例。生活指導を担当する職員ら数人が、学校長らから事実関係について直接話を聞き、対応策を検討するという。
(2006年10月17日3時2分 読売新聞)いじめ誘因教師、他にもトラブル…三輪中
福岡県筑前町立三輪中2年男子生徒(13)のいじめ自殺問題で、同校は16日、全校生徒を対象に2回のアンケートを実施した。合谷智(ごうや・さとし)校長は同日夜、回収したアンケートを携え、男子生徒宅を訪問し、両親らと話し合った。
また、合谷校長は同日午後の記者会見で、男子生徒に対するいじめの誘因となった言動をした元担任教諭について「ほかのトラブルも1、2件あるので調査している」と述べた。
県教委や同校にはこの日、市民から抗議の電話が相次いだ。「(元担任教諭を)放っておいていいのか」など、厳しい処分を求める内容が目立つという。
合谷校長によると、午前中のアンケートは「(男子生徒の自殺を含め)ふだん思っていることや教職員への要望」というあいまいな設問で、具体的な回答を得られなかったという。このため、16日夕、各教諭の教科や部活動の指導に対する問題点などを回答させるアンケートを実施。アンケートは、両親がいじめの真相を探るため、無記名での実施を求めていた。
県教委は16日、県内の全小中高校を対象に、いじめ防止の取り組み状況について緊急調査を行うことを決め、各市町村教育長あてに通知した。
各校では、いじめを早期に発見するため、登下校や給食などの時間帯ごとに「いつも一人で登校している」「表情が暗い」などの点検項目を示した教諭向けのチェックリストが使われている。調査では、リストが各校で生かされているかどうかなどの活用状況や教育相談の取り組みの実態などについて、今月中の報告を求めている。
一方、県警朝倉署は男子生徒に対するいじめの実態を把握するため、教諭や生徒の同級生、遺族らの事情聴取を始めた。生徒の両親から生徒の携帯電話の提供を受け、メールなどにいじめを裏付けるやり取りが残っていないかを調べている。同署は、暴行や恐喝など悪質ないじめが続いていなかったか、解明を進める方針。
(2006年10月16日23時47分 読売新聞)2年生自殺の三輪中、いじめ7─8件を「0件」と報告
自殺した男子生徒宅を訪れた合谷校長=16日午後6時半過ぎ、福岡県筑前町で 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、合谷智校長は16日の記者会見で、同校ではこの数年間、7、8件のいじめが起きていたのに、担当教諭の指導などで解決したため、「いじめが続くことはない」と判断し、町教委に「0件」と報告していたことを明らかにした。
文科省は「いじめが起きていたのなら、解決したかどうかには関係なく、正確な件数を報告してほしかった」と指摘している。
7、8件のいじめうち4、5件は、合谷校長が着任した2004年4月以降に起きていた。合谷校長は「統計上もきちんと報告を上げるべきで、私の判断が誤っていた。7、8件のいじめについては現在、再調査しており、内容が判明したら公表したい」と述べた。
同校で15日夜に開かれた保護者会で、「ほかにいじめはないのか」との質問があり、校長は「把握していない」と答えたが、同席していた複数の教諭が「いじめを校長に報告した」と発言。合谷校長は保護者に「失念していた」と謝罪したという。
(2006年10月16日21時56分 読売新聞)教諭のいじめ関与調査へ=職員派遣、県教委から聴取−福岡の中2自殺で・文科省
中学2年の男子生徒が自殺した倉庫を開け、手を合わせる男性。教諭によるいじめもあったと指摘されている問題で、文部科学省は、教諭の関与について調査することを決めた(16日、福岡県筑前町の男子生徒自宅)(時事通信社)22時00分更新 福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめで自殺し、教諭によるいじめもあったと指摘されている問題で、文部科学省は16日、同県教育委員会に職員を派遣し、教諭の関与について調査に乗り出すことを決めた。
文科省は、県教委から13日に「いじめが原因で自殺があった」と報告を受けた。しかし報告の中では、いじめに関与したとされる男性教諭についての言及はなかったという。
(時事通信) - 10月16日20時0分更新福岡いじめ自殺 教諭発言、一転因果関係認めず 校長会見
苦渋の表情で記者会見する合谷智・三輪中校長(左)と中原敏隆・筑前町教育長=福岡県筑前町のコスモスプラザで16日午前0時26分、木葉健二写す 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、合谷(ごうや)智校長が16日未明、記者会見し、男子生徒の1年時の担任教諭で、現在2年の学年主任(47)が、男子生徒に対するいじめ発言を繰り返し、それが発端になって生徒たちによるいじめが広がったことを認める一方、教諭の発言と自殺との直接の因果関係については「認められないと思う」と述べた。
合谷校長は15日朝、自殺した男子生徒の家に赴き、遺族に対して「教諭のいじめ発言は自殺に結びついている」と説明していた。だが、16日未明の記者会見で、合谷校長は「遺族への説明時には冷静さを欠いてしまい、『因果関係がある』と説明してしまった。もう一度考え直すと情報が少なく、より多くの情報を集めて分析してみないと因果関係については分からない」と述べた。学年主任は15日、体調を崩したという。【倉岡一樹】
◇全生徒対象にアンケで「調べ直す」…生徒宅訪問の校長
合谷校長は16日午前1時半すぎに教頭とともに自殺した男子生徒宅を訪問、両親と2時間近くにわたって面会した。父親によると、校長は全生徒を対象に教諭らによるいじめについてのアンケートを16日に無記名で実施することを伝え、「もう一度最初から調べ直します」と答えたという。
校長らは面会後、報道陣の質問に一切答えず、無言で車に乗り込んだ。
自宅玄関で取材に応じた父親は「(1年時の)担任が引き金となってその後の(生徒たちによる)いじめが続いたという説明を受けた。でも、私たちが思っているのはそうじゃない。(担任のいじめは生徒が)2年になってからも日常的に続いていた。納得できない」と語気を強めた。
(毎日新聞) - 10月16日17時33分更新「元担任のいじめ」波紋 教師や保護者ら批判と不安 「人権意識問われる」 「指導しにくくなる」
福岡県筑前町の三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとみられる事件で、1年生時の担任だった男性教諭が男子生徒へのいじめを誘発するような発言をしていたことに対し、九州の教師や保護者からは「教師の人権意識が問われる」との批判の声が上がる一方、「生徒への指導がますますやりにくくなる」と影響を不安視する声もあった。
福岡市の男性小学教諭(53)は、同市城南区の中学校で1991年、中三男子に対して担任教師が率先して引き起こした「葬式ごっこ」事件を思い浮かべ「あの事件は、先生が多くの子どもと同じレベルに並び、被害者の子ども側に立ちきれなかったことが原因だった。あの反省が生きていない」と悔やむ。「今回の元担任は、自らの言動が子どもの人権を侵したということをどこまで認識しているだろうか」と語った。
同市の30代女性中学教諭は「同僚にもエッ? と思うこと(生徒の陰口)をつい話してしまう先生はいるが、それを教室で生徒に話すというのはちょっと考えられない行為だ」と批判。同市の中学校に勤める50代女性教諭は「似たような教師を何人か知っている。本人はクラスを盛り上げるつもりの冗談が、人をあげつらう不快な話になり保護者から苦情が出たこともある」と語った。
一方、「1人の教師のために、生徒指導がますますやりにくくなってしまう」と危惧(きぐ)するのは熊本市の男性中学教諭(50)。「子どもたちはぶつかり合いながら成長していくもので、たくましく育ってもらいたいとの思いで指導するが、今回の事件をきっかけに、傷つけないよう配慮することばかりになりはしないか」と話した。
高校生と小学生の子どもがいる北九州市門司区の母親(46)は「校長や教育委員会と保護者との間で板挟みになり、だれも守ってくれる人がいない今の教師は、子どもにいかに気をひかれるかに神経をすり減らしているようにみえる。その結果、他の生徒にうけるような言動をしたのではないか」と語った。
(西日本新聞) - 10月16日17時8分更新福岡・中2自殺、校長が担任の言動との因果関係撤回
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した事件で、1年生の時の担任だった男性教諭(47)の言動と生徒の自殺との因果関係を16日の記者会見で否定した合谷(ごうや)智校長は、16日午前2時前、生徒の両親宅を訪ね、「時間が経過しており、自殺と結びついているとは考えていない」との見方を直接、伝えた。
両親は納得せず、「教諭のいじめは最近まで続いており、因果関係は明らかだ」と反発している。
合谷校長は、男性教諭が生徒の母親からの相談内容を暴露、これが生徒間のいじめに発展し、男子生徒の自殺に結びついたことについて「教諭の言動が自殺につながったと認識している」(15日)と直接の因果関係をいったん認めていたが、16日の記者会見では一転して否定した。
三輪中では16日朝、全校集会が開かれ、合谷校長は「すばらしい君たちを前に手を抜いてしまった。乱暴な言葉や甘えがあった」と謝罪。「全力で君たちを守る。この言葉にうそはない」と学校への信頼回復を呼びかけた。さらに、元担任の男性教諭についても言及し、「君たちの誰かを傷つけていたかもしれない。(教師の言動に疑問があれば)『先生それ違う』と言ってほしい」などと述べた。
(2006年10月16日13時29分 読売新聞)他生徒にも「豚」「偽善者」=不適切発言の元担任−中2男子自殺問題・福岡
福岡県筑前町の町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめられたとのメモを残し、自殺した問題で、男子生徒のいじめの引き金になった言動をしたとされる元担任の男性教諭が、ほかの生徒に対しても、「豚」「偽善者」などと不適切な発言をしていたことが16日、分かった。
合谷智校長によると、この教諭は男子生徒が中学1年の時の担任で、ほかの生徒にもイチゴの品種に例えて、「あまおう」「とよのか」「お前は出荷できないイチゴ」などとランク付けをしていた。女子生徒には「君は太っているから豚だ」と言って、漢字を書いたりした。
(時事通信) - 10月16日14時1分更新福岡いじめ自殺 「本当に申し訳ない」全校集会で学校側
福岡県筑前町立三輪中学校の登校風景。同校の合谷校長は集会で「本当に胸が痛い思いです。先生たちの気持ちの中に甘えがありました。本当にきょうからが新しい2学期のスタートです」と話した(16日)(時事通信社)12時53分更新 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で16日朝、同中で緊急の全校集会が開かれ、合谷校長は「本当に申し訳ないと思います」などと生徒たちに謝罪した。
佐藤勝彦教頭によると、集会では自殺した男子生徒に黙とうをささげた後、合谷校長が生徒に「男子生徒を忘れてはいけない。(先生が)身体的、精神的なプレッシャーを与えていたかもしれない。先生たちが手を抜いてしまった。乱暴な言葉を使ってしまった。ごめんなさい。全力で君たちの信号をキャッチする」と謝罪したという。
また、集会では「マスコミなどで言われている三輪中じゃないということを知っている。力を合わせて頑張っていきたいと思う」とし、最後は「頑張っていきましょう」と繰り返して訴えた。【船木敬太】
(毎日新聞) - 10月16日17時33分更新福岡いじめ自殺 発端は学年主任の「いじめ発言」繰り返し
唇を噛み締めて自殺した生徒の家を出る合谷智・三輪中校長=福岡県筑前町で16日午前3時半、木葉健二写す 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、合谷(ごうや)智校長、中原敏隆町教育長、学年主任らが15日、男子生徒宅を訪れ、両親と面会した。学校側は、男子生徒の1年時の担任教諭を務めた学年主任(47)がいじめ発言を繰り返し、それが発端となって他の生徒にまでいじめ行動が広がったことを認めた。
両親と学校側の面会は報道陣に公開された。両親らは、自殺直後に学校が全生徒から取ったアンケートと、両親が親しかった生徒2人に書いてもらったメモを基に「息子だけが1年の時からいじめられていた」「一部生徒がアンケートで学年主任によるいじめを記述している」と指摘した。
また、▽1年の時に生徒らをイチゴやジャムに例えてランク付けするなど人格無視の発言を繰り返した▽ケガをしているのに仮病よばわりやうそつき扱いした−−ことなどを、同級生2人から伝えられたことを明かし「間違いないか」とただした。学年主任は「(男子生徒が)からかいやすかったから」と、いじめ発言を繰り返していたことを認めた。
さらに、母親が男子生徒のインターネット利用について教諭に相談した内容を他の生徒たちに明かして、同級生らがこれに絡めたあだ名で呼ぶようになったいじめを誘発していたことも指摘した。母親によると、男子生徒はこの後「学校に行きたくない」と言うようになったという。
両親がこうした教諭の言動がいじめ助長につながったのではないかと迫ると、合谷校長は「そう思います」と答えた。
両親との面会の後、中原教育長は報道陣に対し「校長から今朝、(1年時の担任教諭の)発言内容を聞いた。教師によるいじめがあったと判断している」。学年主任は「一生かけて償います」とうつむきながら謝罪した。【川上敏文】
◇保護者に説明会
三輪中では15日夜、全生徒の保護者を対象にした保護者会が体育館で開かれ、男子生徒が自殺した経緯など、これまでに判明したことを学校側が説明した。
学校側は報道陣をシャットアウトし、非公開の状態で保護者会を開催。会は約3時間半に及んだ。関係者によると、学校側が謝罪した後、スクールカウンセラーが子供たちへの接し方を保護者らに指導。学校側は「教師同士の連携を密にし、保護者とも連絡を取り合うようにし、小さなことも見逃さないようにしたい」と述べたという。
保護者からは学校の姿勢に対して批判の声が上がったが、中には「われわれ親も子供のさまざまなサインに気付いていない面があるかもしれない」と自己批判する保護者もいたという。
自殺した男子生徒と仲が良かったという生徒の母親は「1年ごとに担任は変わるし、担任はきちんと一人一人の生徒を見てくれていたのだろうか……。今、子供はとても傷ついている。学校は今わかっていることを説明してほしい」と不安そうな表情で語った。【米岡紘子】
(毎日新聞) - 10月16日17時33分更新母の相談を教諭が暴露、いじめのきっかけ…中2自殺
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した事件で、学校側は15日、1年生の時の男性担任教諭が、男子生徒の母親から受けた相談内容を無断で同級生に暴露し、それが元で男子生徒がいじめられるようになったことを認めた。
この日、合谷智(ごうや・さとし)校長、この教諭らが、男子生徒宅を訪れ、こうした事実をおおむね認め、両親に謝罪した。
この直後、合谷校長は「教諭によるいじめと受け取られても仕方がない。これが自殺につながったと認識しており、申し訳ない」と、自殺との関係を認めるかのような発言をしたが、16日未明の記者会見では、「教諭の言動がいじめの誘因になったが、自殺と結びつけるのは危険。(私が)冷静さを欠いていた」と発言の一部を撤回した。
両親に謝罪した後、教諭は報道陣に対し「一生をかけて償っていきたい」と話していた。
男子生徒の両親や学校側によると、1年の1学期、男子生徒が早退を繰り返し、自宅でインターネットのサイトを閲覧していたため、母親が教諭に相談した。教諭は同級生の前で、その内容を明かしたうえで男子生徒に注意したことから、同級生に不名誉なあだ名を付けられ、このころから男子生徒は「学校へ行きたくない」「死にたい」と漏らすようになった。
(2006年10月16日1時46分 読売新聞)福岡いじめ自殺 生徒、当日5回も「死にたい」と話す
理科の学習ノートの片隅に書き込まれた遺書=倉岡一樹写す 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、同中の合谷(ごうや)智校長らが14日記者会見し、生徒が自殺した11日に授業時間中や昼休みなどに計5回、「死にたい」と話していたことを明らかにした。さらに、下校直前に生徒7人にトイレで「(死にたいのは)うそだろう。下腹部を見せろ」とズボンを下ろされそうになっていたことを認めた。合谷校長は「トイレの事件が自殺の要因の一つになった可能性もある」と話した。学校側はこの事実を13日までに確認していたが、「聞かれなかったから」として公表していなかった。
合谷校長によると、男子生徒は11日は1、3、5時限の授業中に周囲の生徒に聞こえるように「死にたい」と漏らしていた。発言の内容が分からず私語だとして「集中しなさい」と注意した教諭もいた。また昼休みにも「死にたい」と話していた。
6時限目の美術の時間には、スケッチブックを忘れてきたため、クラスの生徒から借りた。それに「遺言 お金はすべて学校に寄付します。いじめが原因です」などと書いた。貸した生徒は冗談と思っていたという。遺書は学校のスケッチブックの他にも、プリントの裏などに書かれ、計4通あった。
6時限目終了後にトイレで7人の男子生徒に囲まれた時も「死にたい」と漏らすと「うそだろう。下腹部を見せろ」と言われ、ズボンを腰のあたりまで下ろされそうになったという。男子生徒はその後家に帰り、自宅の倉庫で首をつって自殺した。合谷校長は「徐々に気持ちが高まっていったのかもしれない」と話し、トイレの事件が自殺の引き金になった可能性に言及した。【川上敏文】
(毎日新聞) - 10月15日10時12分更新福岡中2、自殺当日に何度も「死ぬ」…級友取り合わず
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒が、自殺した11日の1、3、5時限目の授業中や休み時間などに、級友らに何度も「死ぬ」と漏らし、級友と話しながら遺書を作っていたことがわかった。
同校の合谷智校長が14日明らかにした。級友らは「本気とは思わなかった」などとして取り合わず、担任教諭らに報告しなかった。
校長によると、授業中に男子生徒の言葉を聞いた教諭は、内容が分からないまま、「私語をやめろ」と注意した。6時限目の美術の授業中、男子生徒は隣席の男子生徒と話し合いながら、スケッチブックに遺書を書いた。「遺言」と書いたうえ、「いじめが原因」「いたって本気です。さようなら」などと記していた。
さらに放課後、校内のトイレで、7人の男子生徒に「死ぬんだ」と告げ、7人から「本気なら、下腹部を見せてみろ」と言われ、ズボンを下げられそうになった。合谷校長は「この行為はいじめに当たると考えている」としている。午後4時40分ごろ、学校を出た男子生徒は同8時ごろ、自宅の倉庫で首をつって死亡しているのが見つかった。
合谷校長は「多くのサインが出ていながら、教職員の誰もが気づけなかったことに、自責の念を感じる。担任教諭と生徒との信頼関係の強化に一層、力を入れたい」と話している。
(2006年10月14日23時47分 読売新聞)当日「死にたい」、同級生ら服脱がす 福岡・中2自殺
福岡県筑前町の中学2年の男子生徒(13)がいじめを受けていたという遺書を残して自殺した問題で、自殺当日の11日、生徒が繰り返し「死にたい」と漏らしたのに対し、同級生らが「本気なら下腹部を見せろ」などといい、ズボンを脱がせようとしていたことが分かった。校長が14日、記者会見で明らかにし、暴力にあたるかもしれないという認識を示した。一方、生徒の父親(40)は学校側の説明に不信感を示し、「真実を知らせてほしい」と訴えた。
生徒が通っていた町立三輪中学の合谷智校長の説明によると、生徒は11日の1、3、5時間目の授業中や休み時間に「自分は死ぬんだ」「死にたい」などと友人らに話した。6時間目の美術の時間には、スケッチブックに「いじめが原因です。いたって本気です」と記すとともに、「遺言」として「お金はすべて学校に寄付します」などと書いた。この文面も近くにいた生徒と話し合いながら書き込んだらしい、という。
6時間目の直後、生徒はトイレの中で、同級生7人に「死にたい」などと話したが、同級生らは「うそだろう」「本気なら下腹部を見せろ」などと言いながら、ズボンを脱がせようとし、少しおろしたという。
同校や生徒の親類によると、生徒は長い期間、いじめを受けていた可能性があり、1年生のころから友人に「死にたい」とこぼすことがあったらしい。
合谷校長は13日夜の会見で、暴力や金銭の要求はなかったが、生徒の発言に周囲が反応しないといったことがあったのではないかと説明していた。14日の会見では、トイレ内の行為について「暴力といわれればそれに当たるかも知れない」と釈明した。
一方、父親は14日、記者団に対し、遺書は四つあったことを明らかにした。このうち理科のノートには「さようなら 僕が死んだら 僕の貯金は学級にあげます」と記されており、父親は「金銭的な要求があったのかとも思う」と話した。
自殺当日、生徒が死にたいと漏らしたのに対して、「同級生から『じゃあ死ねば』と言われたらしい」と話した。
また父親は、生徒の祖父から「自転車をパンクさせられたり、ねじをゆるめられたりすることがあったようだ」と聞いたことを明らかにした。
父親は14日の葬儀で「友達のみなさん、今回の(息子の)死を無駄にしないで下さい。少しでも変わったことがあったら見逃さないで下さい。何かのサインかも知れません」と呼びかけた。
asahi.com 2006年10月14日23時22分いじめ自殺中2告別式、同級生「相談乗れず悔しい」
いじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)の告別式が14日、自宅で営まれ、親類や同級生らが、冥福(めいふく)を祈った。
焼香後、同級生の男子生徒が「明るく、へこんでもすぐ立ち直る姿しか思い出せない。一人で悩んでいる時、相談相手になれなかったのが悔しい」と別れの言葉を述べた。
続いて小学4年と5年の2人の弟が「よく面倒を見てくれてありがとう。お父さん、お母さんのことは僕たちに任せて下さい」と祭壇に語りかけると、すすり泣く声が広がった。
父親は「競走馬のディープインパクトのファンになり、将来は馬にかかわる仕事がしたいと話していた。息子が何を訴えたかったのかを知ることが、家族に与えられた課題」と語った。
(2006年10月14日19時56分 読売新聞)福岡いじめ自殺 葬儀に500人、めい福祈る
いじめで自殺した男子中学生の葬儀の焼香台で涙ぐむ参列者ら=福岡県筑前町で14日午前11時17分、飯ケ浜誠司写す いじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(13)の葬儀が13日正午から同町内の自宅で営まれた。葬儀には、近所の人たちのほか同中の教職員、生徒ら約500人が参列し、めい福を祈った。
男子生徒は自殺する直前、学校の友人に「おれは今日死ぬ」などとほのめかし、今月11日午後に遺書を残して自宅倉庫で首をつった。男子生徒は計3枚の遺書を上着のポケットや学校の美術室に残していたが、その中には「いじめが原因です。いたって本気です。さようなら」「お母さん お父さん こんなだめ息子でごめん 今までありがとう」などと書かれていた。
学校側は12日朝に全校集会を開催。男子生徒の死を伝えるとともに、11日の帰宅直前に学校で会っていた7人の生徒から聞き取りをするとともに全校生徒にアンケート用紙を配布するなどして調査を始めた。その中では男子生徒がクラス内で無視されていたことなどが浮かんできているという。【高橋咲子、倉岡一樹】
(毎日新聞) - 10月14日17時12分更新“いじめ”中学1年のころから…福岡、父が明らかに
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒の両親が14日、自宅で取材に応じ、中学1年のころから、いじめとも受け取れる出来事があったことを明らかにした。
両親によると、バレーボール部に所属していた男子生徒は、中学1年の1学期、「部活に行きたくない」と漏らすことが何度かあったが、父親(40)は厳しい指導が行われていると解釈し、「くじけるな」と励ましたという。
2学期には、通学用の自転車のねじを緩めるいたずらをされ、男子生徒が隣に住む祖父に「自転車を交換して」と頼んだことがあった。祖父が理由を尋ねても答えなかったが、祖父は「いじめられているのかな」と感じたという。
父親は「今思えば、そのころすでにいじめに遭っていたのかもしれない。明るい性格で、家では一切そんなそぶりは見せず、気づいてやれなかった。苦しみを一人で抱えていたと思うとやりきれない」と悔しさをにじませた。
両親はまた、男子生徒が自殺した当日、学校で同級生に数回、「おれ、きょう死ぬっちゃん」と話していたことを、学校関係者から聞いたという。
同校では、クラスの中に男子生徒の言うことをまともに取り合わないなどの行為があったほか、男子生徒が1年のころから「死にたい」ともらしていた。担任教諭は気づいていなかったらしい。
同校の合谷(ごうや)智校長は13日、記者会見し、クラスで男子生徒をばかにするような行為があったことを認め、「精神的な苦痛を受け、自殺に至ったのではないか」と述べた。
一方、学校から両親へのいじめの内容に関する詳しい説明はなく、父親は「自殺にまで追い込まれた原因が何だったのか、隠さず明らかにしてほしい。息子のような子どもを二度と出さないよう、町教委や学校に対策を望みたい」と語った。
(2006年10月14日11時39分 読売新聞)中2男子自殺、「いじめ」の遺書残し自宅で…福岡
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が遺書を残し、自殺していたことが13日わかった。写真は自殺した中学生の遺書、「お母さんお父さん、ごめん。今までありがとう。いじめられてもういきていけない」などと記されていた。 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が、「いじめられてもういきていけない」などと記した遺書を残し、自殺していたことが13日わかった。
同校の合谷(ごうや)智校長は会見で、クラスで男子生徒をばかにするような行為があったことを認め、「精神的な苦痛を受け、自殺に至ったのではないか」と述べた。同県警朝倉署も自殺の原因を調べている。
同校によると、11日午後8時ごろ、帰宅が遅い男子生徒を捜していた家族が、自宅の倉庫で首をつって死亡しているのを見つけた。男子生徒はこの日ふだん通りに登校、午後4時40分ごろには下校していた。
足元と、学生服の上着のポケットに遺書が残され、学校の美術室にあった友人のスケッチブックにも遺書のようなメモがあった。あて名はなく、メモには、いじめを受けていたことが書かれていたという。
父親によると、倉庫にあった遺書には「お母さんお父さん、ごめん。今までありがとう」などと記されていた。父親は「どんないじめがあったのか、なぜ、こんなことになったか明らかにしてほしい」と訴えている。同校は12日朝、全校集会を開き、男子生徒の自殺を報告。全校生徒に、いじめの有無を確認するアンケート調査を行うとともに、11日の放課後直前に男子生徒と一緒にいた同級生らから事情を聞いた。クラスの中に男子生徒の言うことをまともに取り合わないなどの行為があったことが分かった。また、1年のころから「死にたい」と同級生に漏らしていたともいう。
(2006年10月14日1時55分 読売新聞)中2いじめ苦に自殺 教委も認識 「生きていけない」 福岡・筑前町
福岡県筑前町の三輪中学校(合谷智校長、425人)の2年の男子生徒(13)が自宅の倉庫で首つり自殺をしていたことが13日、分かった。遺書とみられるメモ紙が計4通見つかり、「いじめられて、もういきていけない」と学校でのいじめを苦に自殺したことを示唆する記述があった。同町教委は「いじめがあった認識がある」として、男子生徒が自殺にいたった経緯を調査している。
同町教委などによると、11日午後8時すぎ、隣家に住む祖父(67)が自宅倉庫のかもいにビニールひもをかけて首をつっている学生服姿の男子生徒を発見。救急車で近くの病院に運ばれたが、死亡が確認された。死亡推定時刻は午後5時すぎとみられる。夕食に姿を見せなかったことから辺りを捜していた。
残された遺書とみられるメモ紙には「いじめられて、もういきていけない」「いじめが原因です」「うざい奴等はとりつきます」などといじめを苦に自殺したことをうかがわせる記述があった。
同中は、男子生徒が自殺した翌12日朝に緊急の全校集会を開催。合谷校長が事実関係を説明した。その後、全校生徒にいじめの有無などを確認するアンケート用紙を配布し、同日中に回収。11日の放課後の直前に男子生徒を学校のトイレで取り囲んでいた同級生計7人から個別に事情を聴いたという。
学校側の聴取に対し担任の男性教諭(45)は「いじめは把握していなかった。(自殺した日、男子生徒は)朝から目前に迫っていた中間テストに向けてプリント学習に励んでいた。給食も元気そうに食べていた」と答えたという。
中原敏隆・筑前町教育長の話 男子生徒が自殺するまで学校内でいじめがあったことは把握していなかった。しかし、遺書にはっきり「いじめられた」と書かれている以上、いじめがあったと認識している。その前提で今後の調査を進めたい。
=2006/10/14付 西日本新聞朝刊=
西日本新聞 2006年10月14日00時01分「いじめ」書き残し自殺/福岡・筑前町の中2男子
福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(13)が、いじめられていたと書き残し、自宅の倉庫で首つり自殺していたことが13日、分かった。
町教育委員会や学校によると、11日夜、倉庫で首をつった生徒を祖父が発見。ズボンのポケットなどに複数のメモがあり、いじめを受けていたとの内容だった。生徒は同日昼にも、学校で友人に「死ぬ」と話していたという。
合谷智校長は「学校としては把握していなかったが、ほかの生徒に事情を聴くと『いじめがあった』と証言した。かけがえのない命が失われたのは残念で、真相解明に努める」と話した。
中学校は12日に全校集会を開いて生徒に事情を説明し、来週にも保護者会を開催する予定。
四国ニュース 2006/10/13 19:50【ニュース特集】・
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