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ドクターヘリ検討 山口県、委員会を設置へ '08/5/17

 山口県は、ヘリコプターで救急現場に医師を運ぶ「ドクターヘリ」の導入に向け、検討委員会を設ける。現在、県消防防災ヘリを使っているが、出動や搬送に時間がかかり、利用は年に数件と低調なため。両ヘリの効果的な併用策についても議論する。

 ドクターヘリは事故や急病で一刻を争う患者の治療をできるだけ早く始め、救命率の向上や後遺症の軽減を図る。離島や中山間地域での救急医療の確保も狙う。導入時期は未定。

 検討委は県、病院や消防関係者でつくる。また、県は山口大医学部に委託し、県内四カ所の救命救急センターへのヘリポート整備、搬送先の病院や消防との連携、専門医師や看護師の養成について研究を進める。

 県や山口大は昨年度、導入の是非を検討。入院が必要な患者で救急車の搬送が一時間以上かかった例が年三百八十五件あり、ヘリ搬送の必要性を確認した。一方、防災ヘリの利用は二〇〇三年の開始時からの累計でわずか十四件。ヘリ待機場所と病院が離れ、出動に時間がかかる点などが壁となっている。

 検討委では、事務手続きの簡素化など防災ヘリ活用の拡充策も議論する。山口大付属病院高度救命救急センターの笠岡俊志准教授は「防災ヘリは着陸が困難な場所でも対応できるなどメリットも多い。ドクターヘリとの相乗効果で活用が増えるはずだ」と話す。

 ドクターヘリは現在、岡山など十三道府県が計十四機を導入している。(高橋清子)




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