生徒を前にいじめについて講演する森美加さん=26日、那覇市の小禄中学校
福岡県筑前町でいじめを苦に自殺した男子中学生=当時(13)=の母・森美加さんが26日、那覇市立小禄中学校で「痛みがわかる人間に!苦しむ子もうつくらないで」と題して講演した。2006年10月11日に息子を亡くした森さんは、1年生約280人を前に「いじめは人の心と幸せを壊してしまう悲しいこと」「死にたいと相談されたとき、受けとめられる人になってください」と訴えた。
森さんは、息子の写真をそばに置いて講演。息子の名を何度も口にし、小学校時代の思い出や文集を紹介。自殺した当日の行動や告別式で同級生に訴えたことなども話した。「一人一人が相手の気持ちを考え、相手を思いやる気持ちが大事。(息子も)いじめた子に罰を与えてとは願っていなかったと思う。『ごめんね』の一言がほしかったんだと思う」と時折、声を詰まらせながら語り掛けた。
「自殺する子は弱い子、いじめる側にも問題があるという意見も聞いたが、いじめ自殺は決して弱いわけではない。いじめがあるから生きていく力がなくなった」
森さんは一つ一つの言葉をかみしめながら「親子だから言わなくても分かると大人の視点で見て、(息子に)大事な存在だということを伝えていなかった。大人から子どもに心を開いて一人一人を見つめ、認め合ってほしい」と教諭や父母に訴えた。
27日午後2時からは、森さんも参加する「いじめ問題を考える市民大シンポジウム」が那覇市の真和志農協で開かれる。入場無料。問い合わせは沖教組那覇支部098(832)1394。
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