地揺れて、仲深まる 中台に「同胞意識」 四川大地震2008年05月17日20時12分 【北京=藤原秀人】中国共産党の胡錦濤(フー・チンタオ)総書記(国家主席)は17日、台湾の呉伯雄(ウー・ポーシュン)国民党主席に早期に大陸を訪問するよう招請した。20日に台湾で「一つの中国」を掲げる国民党政権が発足するのを前に、関係強化の意向を鮮明にしたものだが、四川大地震発生後に台湾でも「同胞意識」が高まっている状況を見据えた動きでもある。 国務院台湾事務弁公室の陳雲林主任が新華社通信に明らかにした。台湾の国民党も訪中団派遣を決め、中台関係は新たな局面を迎えた。 中台の改善ムードは四川大地震で一気に高まった。99年に死者2千人以上を出すなど台湾は地震多発島で、住民は地震の被害に敏感だ。国民党の馬英九(マー・インチウ)氏(次期総統)は13日に約70万円の義援金を出した際、「一つは人道面から、もう一つは中華民族のひとりであるからだ」と述べた。 また、独立志向の陳水扁政権も人道支援に踏み切った。台湾からの義援金は、ずば抜けて多い。 中国メディアは台湾から義援金を寄せた企業や宗教団体、著名人の名前と金額を詳細に伝えている。大陸で活動する台湾企業にすれば、払わざるを得ない雰囲気でもあるが、中国のネット上では「同胞」からの支援に対して感謝の表明が相次いでいる。 また、中国側は台湾からの救援隊を乗せたチャーター機の成都直行を認めた。中国メディアは、隊長が99年の台湾大地震の際に救援の指揮をとったことがあることや、馬氏との関係が深いことなども含め好意的に報じている。 陳主任は「台湾各界は同胞の骨肉の情から義援金や物資を寄せ、国民党は直ちに共産党中央に見舞いを送った。被災地を代表して心から感謝する」と表明。「呉主席の大陸訪問は台湾海峡両岸関係の平和的発展を促す」と述べた。 馬氏が3月の総統選で当選して以来、中台関係は改善に転じ、チベット問題も大きな影響を与えていない。国民党幹部の大陸訪問も相次ぎ、4月には次期副総統の蕭万長氏が胡総書記と会談した。 国民党と共産党のトップ会談は05年から始まったが、国民党は当時は野党だった。今回は政権党となるため、会談では経済関係や人的交流などの具体策を打ち出すものと見られる。 PR情報この記事の関連情報国際
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