【北京・西岡省二】中国共産党最高指導部の一人である李長春・政治局常務委員が四川大地震の報道に関する会議の席上、「大局を意識し、団結と安定を強め、プラス面の報道を中心にして災害に立ち向かう精神的な原動力を提供すべきだ」と主要メディアの責任者に求めていたことが明らかになった。新華社が13日に伝えたもので、被害の拡大や救援の遅れで住民の不満が高まることへの中国指導部の危機感を表したものと言えそうだ。
会議は地震が発生した12日夜に開かれ、党の宣伝部門を管轄する李常務委員や劉雲山・中央宣伝部長が出席した。会議を受けて中央宣伝部に震災報道に関する指導グループが発足し、主要メディア幹部が報道内容に指示を与えているという。
新華社の配信記事は「地震発生以来、中央宣伝部門と主要メディアは組織の協調を強め、党中央や政府の被災者に対する重大な関心と迅速な対応、軍や武装警察の犠牲を顧みない感動的なシーンを大いに宣伝している」と説明している。
毎日新聞 2008年5月15日 10時15分