洋上補給「日本は活動継続を」
11カ国大使、異例の声明
「不朽の自由作戦」(OEF)の対テロ海上阻止活動に部隊を派遣している米国など計11カ国の駐日大使らが9月27日、東京・渋谷のパキスタン大使公邸で会合を開き、今国会で焦点となっている海上自衛隊によるインド洋での補給活動について、「日本の支援に深く感謝し活動の継続を希望する」との共同声明を発表した。
会合に出席したのは、米、英、豪、仏、独、伊、パキスタン、アフガニスタン、カナダ、ギリシャ、ニュージーランドの大使ら11人。これだけの各国大使らが集まって協議し、日本向けの声明を発表するのは極めて異例。各国大使らは約30分にわたって協議し、インド洋における海自の給油支援がOEFの作戦遂行の上で必要不可欠との認識で一致したという。その後、公邸前でパキスタンのカムラン・ニアズ駐日大使が代表して記者団を前に声明を読み上げた。
ニアズ大使は「日本は、OEFの成功に不可欠な給油活動やアフガニスタンにおける平和、安定を促進させるための国際社会の努力に対し、極めて重要な貢献を行ってきた」として日本の支援を高く評価、インド洋上で海上阻止活動を展開している各国艦艇への給油活動の延長を求めた。
また、米国のシーファー駐日大使は、海自の給油を受けた米艦艇がペルシャ湾に向かい、イラク作戦にかかわったのではないかとの記者団の質問に対し、「調査したが、そのようなケースは見当たらない」と否定した。
この共同声明を受けて、町村信孝官房長官は27日、記者会見で「関係国の大使らが声明を出したということは、国際社会からの高い評価の表れの一つ。継続に向けた要望は大変強いと受け止めている。国際社会の期待というものを野党を含めた国民に理解していただけるよう、引き続き努力していきたい」と述べた。
テロ特措法は、2001年9月11日の米同時中枢テロを受け、時限立法として同年11月に施行。海自艦艇がインド洋に派遣され米軍艦艇などへの補給活動を行っているが、11月1日で期限切れとなる同法の延長に野党の民主党などが反対、活動中断は避けられない情勢となっている。