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台湾で日本製SLを毎月運行 来春から観光客誘致の目玉に
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【台北=長谷川周人】日本統治時代の台湾に導入された日本製蒸気機関車「CK124」が、来年4月から日本人観光客を誘致するけん引役として、月1回、北部のローカル線を走ることになった。照準を日本の鉄道ファンに合わせ、台湾観光の新たな目玉となることを関係者は期待する。
CK124は、日本では「C12」と呼ばれる型式で1936(昭和11)年に日本車輌が製造した。鉄道の電化が進み79年に引退したが、レトロブームの影響もあって7年前に復元され、台湾では実際に走る唯一の機関車として、息を吹き返した。
台湾当局は来年から2年間を「旅行台湾年」と決め、観光客の誘致拡大を目指すが、今月11日は中部・彰化県でCK124を走らせ、日本人約50人を招待した。定期運行が始まる北部の平渓線でも、来月28日に日本の鉄道ファンらを対象に試乗会を開き、神社跡や日本家屋が残る沿線を眺めながら、日台の歴史的つながりをアピールする計画という。
CK124の定期運行について、台北在住の鉄道ジャーナリスト、片倉佳史氏は「台湾新幹線の開通に加え、台湾は日本時代の木造駅舎や旧型客車などが残る鉄道文化の宝庫。人々や郷土文化に触れる列車の旅では、より多くの日本人に台湾の素顔を見てほしい」と話している。