就業形態の年別推移
県内の2007年のパートタイム労働者は31・6%で、05年の16・4%の約2倍に増え、働く人の約3人に1人はパート労働者が占めていることが県雇用労政課のまとめで分かった。
また05年に66・2%と3分の2を占めていた「常用雇用労働者」は06年には52・1%まで減少し、07年には54・4%と前年より2・3ポイント回復したが、05年比で11・8ポイント減となった。07年の常用雇用労働者の割合をみると、女性は男性の約2分の1にとどまり、一方でパートタイム労働者の割合は女性が男性の4倍を占めるなど女性が常用雇用に就けない雇用情勢の厳しさも浮き彫りになった。
県雇用労政課は、県内の従業者規模5人以上の事業所から無作為に抽出した2000事業所を対象に労働条件等実態調査を実施し、459事業所から回答を得た。調査時点は07年7月31日現在。
05年と07年の就業形態を比べると「常用雇用労働者」は男性が80・7%から74・2%と6・5ポイントの減少にとどまっているのに対し、女性は50%から37・2%まで下がり、割合は男性の約2分の1まで減少した。一方で07年の「パート労働者」の占める割合は男性12・1%に対し、女性は48・5%と男性の4倍となっている。
人数規模別就業形態をみると、従業員300人以上の事業所では07年の「常用雇用労働者」は44・7%、「パート労働者」は43・5%で「パート労働者」は05年の21・5%から22ポイント増で倍増となった。このほか07年の「常用雇用労働者」は従業員100人以上300人未満が66・7%、30人以上100人未満71・0%、10人以上30人未満71・6%、10人未満80・1%。「パート労働者」は100人以上300人未満13・9%、30人以上100人未満14・1%、10人以上30人未満13・7%、10人未満9・4%となっている。
連合沖縄の仲村信正会長は「県内でも正規社員が少なくなっている。一人でも正社員化すれば、雇用情勢も変わっていく。何とか解決してほしい。子どもを産み育てる環境になっているか、どこに問題があるか検証するべきだ」と話している。(大田紗弓)
◆正社員登用 県内鈍く/井村真己沖縄国際大学教授(労働法)の話
県内は出生率も離婚率も高い。パート労働者には正規社員と同じレベルで働く人、短時間労働の人の2つの要素があると思う。パート労働者の増加要因として考えられるのは結婚や出産などで退職した正規社員だった女性が(復職する際)中途では(正規社員の職が)見つからないこと。常用雇用では途中で辞める男性は圧倒的に少ない。全国的には、希望に応じてパートから正規社員に登用する動きがあるが、県内にはその流れがまだきてないことも考えられる。
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