新潟

　◇来週にも県、支援

　県は１６日、四川大地震の支援策として、県防災局職員を被災地に派遣、中越地震の記録を中国に届ける計画を発表した。同地震で蓄積された支援や復旧のノウハウを提供、役立ててもらう考えだ。【渡辺暢】

　０４年の中越地震では、道路の寸断や河道閉塞（へいそく）など、中山間地での地震によるさまざまな問題が噴出。県は必要とされる支援や復旧過程について冊子などに記録、防災計画にも反映させてきた。

　桑原正広・県大連経済事務所長が１５日、四川省政府にノウハウ提供を打診したところ、同政府の担当者から「四川省は地震がない地域で対応ノウハウがない。非常に参考になる」と、歓迎の意向を示したという。

　県は、中越地震の記録などから、今回役立ちそうな部分を北京語に翻訳。早ければ来週にも県防災局職員を派遣し、同省政府に提供する。ただ、被害規模や社会構造が大きく異なることなどから、ノウハウが中国で有効かどうかまだ不透明だという。

　泉田裕彦知事は１６日の会見で「震源地にたどり着けないなど、中越地震と状況が似ている。住宅再建や災害弱者への支援など、地震が起きて１年で何が起きるのかが伝えられれば」と話した。

　泉田知事はまた、佐渡市で現在飼育されている中国産トキの古里である、陝西（せんせい）省を支援する方針を表明。「（中越地震でも）報道されている被災地ばかりに支援が集中していたので、そういったところ（陝西省）を支援したい」と話した。