周りの記者に随分と遅ればせながらiPodを購入すること約4カ月。通勤時間中の暇つぶしに毎日使いつつも、どうももう一つ使いこなせていない気がしていた。「聞きたい曲はiPodの中」と言われても、いちいちメニューからたどって見つけ出すのは面倒だ。また、「プレイリストで聞きたい曲を聞きたい順に」と言われても、これまたいちいち手作業でリストなんか作ってられないというのが正直な感想。結局アルバム単位で聞くことになり、果たしてこれがMDより断然便利な使い方かと言われると大いに疑問だったのだ。

 そんなときにふと気づいたのがiTunesの画面左に並んだプレイリスト。ここには2種類のプレイリストが登録されている。1つは好きな曲を手作業で登録して再生順を調整する通常のプレイリスト。もう一つはライブラリ内の曲を絞り込む条件を設定し、その条件に合う曲をリストアップする「スマートプレイリスト」だ(図1、図2)。スマートプレイリストのいいところは、リストの内容を自動的にアップデートできる点。たとえば通常のプレイリストでお気に入りの曲だけを集めたい場合、新しいアルバムをライブラリに追加するたびにプレイリストの内容も自分で更新する必要がある。スマートプレイリストを使えば、iPodで新曲を再生中にマイレート(評価)を高くするだけで、自動的にお気に入りの曲リストに追加できる。

図1 iTunesの画面左にある「ソースリスト」に、2種類のプレイリストが表示されている。歯車アイコンがスマートプレイリスト、音符アイコンが通常のプレイリストだ

図2 iTunesに最初から設定されているスマートプレイリストの「90年代ミュージック」を右クリックして編集画面を表示させたところ。絞り込みの条件が設定されている

 「一度作るだけでメンテナンス不要のプレイリストなら、面倒くさがりの自分でも作れる」と思って始めたスマートプレイリスト作りだったが、設定できる条件が多岐に渡り、想像以上に複雑な操作をさせられることに気づいた(図3、図4)。なるほど、これまで感じていた「使いこなせていない」感じの原因はこいつだったのか、と納得すると同時にスッキリ。そこで、今回は記者同様に「使いこなせていない感」を感じているiPodユーザーの皆さんに向けて、スマートプレイリストの使い方をまとめた。具体的な活用シーンを想定し、簡単なものから徐々にステップアップしながら仕組みを理解できるようになっている。ぜひ最後まで読んで、一緒にスッキリしてほしい。

図3 ライブラリ内の音声ファイルを右クリックし、プロパティを表示させた。情報タブには、これだけたくさんの関連情報が登録されている。この情報をスマートプレイリストの絞り込み条件として使う

図4 音声データが持つ情報以外に、追加日や最後に再生した日など、iTunes上の管理データも絞り込み条件として利用できる。ライブラリ画面の項目タイトルを右クリックして表示されるメニュー画面からこうした情報を表示させられる

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