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【法廷から】在日韓国人にとって母国とは? (2/2ページ)
このニュースのトピックス:法廷から
裁判官「日本が母国か、韓国が母国か、私が決めることではないけれど、もう1度くれば確実に刑務所送りだからね」
被告「はい」
ここで被告は「社会貢献がしたい」と述べたが、弁護人とのやりとりでは次のように述べている。
弁護人「ミャンマーと中国の災害に寄付をしたのはどんな気持ちから?」
被告「社会貢献で何かしたい。今後も少しずつやっていく」
裁判官の質問が終わると、弁護人が挙手し、再び被告への質問を求めた。
弁護人「実の母の墓はどこにある?」
被告「日本です」
弁護人「入国の動機は墓参りをしたいというのもあった?」
被告「はい」
被告の言葉に感情の抑揚は感じ取れなかったが、言葉の通じない韓国で生活する厳しさは伝わってきた。国籍は違えど、日本人と変わらないように生きてきた被告を韓国に強制退去させるのは酷なようにも思えた。生まれ育った日本にはもう戻れず、国籍上の母国で一生を終えるというのは、どんな気持ちなのだろう。
検察側は「不法上陸を企て、ブローカーを介し上陸した計画的かつ大胆で悪質な犯行」として懲役2年6月を求刑した。
判決は5月30日に言い渡される。
(末崎光喜)