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【愛知】

救急車利用6割が軽症 豊川市消防本部 昨年まとめ

2008年5月17日

 救急搬送の6割が軽症(傷)者−。豊川市消防本部が発表した昨年の救急救助年報で分かった。同本部は「救急車を使っている間は別の重症患者が利用できない点を考え、安易な利用は避けてほしい」と呼び掛けている。

 同本部管内(同市と小坂井町)では昨年1年間で、6021人を救急車などで医療機関などに搬送。うち60%の3614人が入院を必要としない軽症者だった。

 特に7歳未満の乳幼児に軽症者が88%と多く、年齢を重ねるほど割合が減少。65歳以上の高齢者は41%にとどまっている。少子化で子育てに不慣れな保護者が増えた点や、核家族化が進み、子どもの異変を気軽に相談できる相手がいない保護者が増えた点も要因とみられるという。

 同本部によると、5台ある救急車がすべて稼働し“第6”の救急現場に駆けつけることができず、やむを得ず豊橋市から応援を要請したことが昨年だけで3回。うち1回は1月に小坂井町で労災事故現場があり、救急車が欠かせない状況だった。

 4年前には、救急車がすべて稼働し、食べ物をのどに詰まらせた男性を救出するため、やむなく吸引器などの装備のない消防車で消防隊員が駆け、命を救えなかった例もあった。

 同本部は「緊急性のない場合は、かかりつけの医師や消防署などに相談してほしい」と話している。

 (村瀬力)

 

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