埼玉スタジアム(さいたま市)で17日行われたサッカーJ1、浦和レッドダイヤモンズ対ガンバ大阪の試合終了後、興奮した双方のサポーターが険悪な雰囲気となり、約2万人の浦和サポーターがスタジアムを取り囲む事態となった。約1500人のガンバ大阪サポーターは約2時間半、スタジアムに閉じこめられたが、浦和レッズ球団が用意したバス約20台で脱出した。
試合中から続いたスタンドの騒然とした雰囲気が試合後に爆発。両サポーターが物を投げつけ合うなどした。試合終了約2時間後の午後6時になっても、スタジアム周辺に浦和サポーターが居座り、スタジアム内のガンバ大阪サポーターに罵声(ばせい)を浴びせ続けた。
浦和レッズはガンバ大阪サポーターのために急きょ臨時バスを用意。ガンバ大阪サポーターは、ユニホームなどを脱ぎ、応援旗も隠して午後6時40時ごろから順次、県警機動隊員らに誘導され、バスに乗り込んだ。千葉県流山市から家族3人で応援に来た会社員男性(30)は「3歳の長女もいるのに水も買えずに2時間以上待った。怖かった」と疲れ切った様子。埼玉県川口市の主婦(49)は「楽しみに来たのに、ピッチ外でこんなことになるなんて」と声を落とした。
浦和レッズサポーターの同県春日部市の会社員男性(41)は「試合中からガンバ大阪側スタンドは浦和側にペットボトルを投げ込み、子供に当たったりしていた」と話した。
午後6時40分ごろ、浦和レッズ広報が「ガンバサポーターの代表者がレッズサポーターの代表者に謝罪をしたので解散してください」と拡声機でアナウンスすると、浦和サポーターは帰宅を始めた。
一方、この騒ぎを取材していた毎日新聞さいたま支局の男性記者(28)が浦和サポーターに上着を破られた。【山崎征克、飼手勇介】
毎日新聞 2008年5月17日 21時03分