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「50年の集大成」フラメンコの小島章司新作

2007年11月27日15時14分

 小島章司フラメンコ舞踊団が小島の舞踊生活50周年を記念して、新作「戦下の詩人たち《愛と死のはざまで》」を30日から12月2日まで東京・銀座のル・テアトル銀座で上演する。スペイン内戦で共和国政府を支援しながら夢破れた、ロルカら4人の詩人へのオマージュだ。

 小島は元々、バリトン歌手を目指していた。畑中良輔にオペラ「フィガロの結婚」を学んだ時、しぐさなど身体表現の大切さを痛感。クラシックバレエ、モダンダンスなどを学ぶうち、運命に操られてフラメンコに出合ったという。

 ロルカの生誕100年に当たる98年の「ガルシア・ロルカへのオマージュ」を手始めに、20世紀フラメンコ史の再構築を狙った作品を次々に制作した。

 「戦下の詩人たち」は連作「愛と平和」の最終章。ロルカの伝記作家として有名なイアン・ギブソンの著書「戦下の4人の詩人たち」に触発され構想した。

 南仏に亡命し失意の中で死んだマチャード、米国で共和派支持を求めたが果たせなかったヒメネス、内戦で暗殺されたロルカ、獄死したエルナンデス。悲惨な戦下で、人間の根源を見続けた詩人たちだ。

 「スペイン留学以降の経験や読書を通して、この国の芸術家が社会に果たした役割の大きさを痛感してきた。平和を希求する彼らの思いを表現することは、僕の舞踊人生の集大成だと思っている」と小島。

 振り付けをスペインの実力派ハビエル・ラトーレに依頼。4人の詩に沿って物語が展開する。ギターのチクエロが作曲した。

 舞踊手は小島のほか、ナニ・パーニョス、イレーネ・ロサノら。音楽はチクエロ(ギター)、ミゲル・アンヘル(歌)ら。

 1万円と8000円。電話03・3498・0923(小島章司公演事務局)。

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