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優秀生徒に図書券6万円 富山高・同窓会が奨学金

2008年05月17日

 富山高校(富山市太郎丸、結城正斉校長)の同窓会(犬島伸一郎会長)が、成績優秀者らに奨学金として年間約六万円分の図書券や現金約十万円を支給している。十年以上続く慣習で、学校と同窓会は「頑張っている生徒を応援する制度で、対象者にとって励みになる」としている。奨学金制度は同窓会報で紹介しているが、生徒や保護者に広くは知られておらず、疑問の声も上がっている。

 富山高校と同窓会によると、平成十九年度は成績優秀者ら一年生七人に一人当たり約六万円分の図書券を贈った。十八年度までは一年生の時に一学年当たり二、三人の生徒を選び、三年間にわたり年間現金十万円前後を支給する方式だった。

 対象者を拡大することと、学習図書の購入など使い道を明確にすることを目的に、十九年度から図書券の支給に変更。現在の二年生は図書券、三年生は現金を受け取っている。一年生の対象者はこれから決める。同窓会費を財源にしている。

 同窓会によると、対象となる生徒は同窓会の奨学委員会が学校からの推薦を受け決めている。成績優秀で授業に取り組む態度が良好とされる生徒や部活動で優秀な成績を挙げた生徒を選ぶ。校長室や会議室に対象となる生徒を呼び同窓会長らが手渡している。

 同窓会は毎年八月の総会で、奨学金制度について会員の承認を得ている。毎年三月、会員と在校生に配る同窓会報で、奨学金を受けている生徒名を掲載しているが、支給額は示していない。

 在校生や保護者に奨学金制度はあまり知られておらず、疑問を投げかける声もある。二年生の女子生徒の父親(44)は「まったく知らなかった。成績で選別するのは疑問」と話す。三年生の女子生徒の母親(43)は「多くの生徒が分からない場所で金品が受け渡しされているのは良くない。全校生徒の前で支給されれば、生徒にとって励みになるのでは」と指摘している。

 同窓会の小谷徹夫事務局長は「特定の生徒が目立つのはかえって良くないと考え、大々的に行っていない」と説明。河上真弥PTA会長は「制度を知らなかったが、同窓会主催の行事なので、あえて広く知らせる必要はないのでは」と話す。県教委によると、同窓会が成績優秀者らに現金を支給するケースは他の県立高校でもあるという。

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