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【政論】いかがわしい自民党の「二重基準」 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:道路特定財源
平成21年度から道路特定財源を一般財源化する首相の方針に対し、与党の若手らは閣議決定という担保を求めた。首相の威厳もあったものではない。首相は3月27日の記者会見で一般財源化を国民に約束した。公約を実現できずにクビを切られるなら分かるが、具体的な行動を起こす前から身内に信頼されていないわけだ。首相もズルズルと政府・与党合意や閣議決定の屋上屋を架し続け、せっかくの「英断」は色あせた。
そもそも若手らが錦の御旗のようにあがめる閣議決定は、そんなに重いか。政府は14年3月に人権擁護法案を閣議決定したが、いまだ実現していない。なにしろ首相自ら「必要なときには閣議決定を直すことはできるから、そのときの状況で判断すればいい」(昨年10月9日の衆院予算委)と答弁した「前科」がある。
若手らは、一般財源化と、道路特定財源維持を前提とした道路整備特措法案が矛盾すると追及した。しかし、3月13日に衆院で同法案に賛成したのは与党議員だった。首相の一般財源化表明はその後のこととはいえ、首相の公約を色あせさせた当人たちは、自らの国会での投票行動にはほおかぶりをする。本当に一般財源化が正しいと思っていたのなら最初から反対すればいいのに、そんな度胸もない。こうした二重基準を都合良く使ういかがわしさを国民は見ている。(酒井充)