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少女暴行事件押しつぶす沖縄への圧力

ひらのゆきこ2008/03/12
沖縄で起こった米兵による少女性暴行事件を糾弾する集会が、10日の夕方から東京で行われました。沖縄の市民団体から安里英子さんが出席し報告したほか、山内徳信、神本美恵子両参院議員らからもお話がありました。集会後はアメリカ大使館への抗議デモが行われました。
東京 平和 NA_テーマ2

(「前ページ」からの続き)

参加者からの発言
 次に参加者のみなさんからの発言がありました。

山内徳信・参議院議員「基地があるかぎり、いっぱい問題が起こる」
 安里さんの訴えをみなさんの問題として受け止めてほしいと思います。金曜日にこれが日本かという光景に出くわしました。参議院で戦後補償の問題で訴えがあったとき、それをつぶすような別の団体がマイクで「在日朝鮮は帰れ帰れ」と大きな声で言っていた。情けない、悲しい思いだった。こんな小さな日本で、緑豊かな水清き日本の国で罵声を浴びせている。ショックだった。

少女暴行事件押しつぶす沖縄への圧力 | <center>山内徳信参議院議員</center>
山内徳信参議院議員
 沖縄を孤立させるなという訴えは救いです。基地があるかぎり、いっぱい問題が起こる。読谷村の村長をしていたとき、今回の事件と同様の事件に遭遇しました。被害者の関係者の人たちと一緒に基地に入って、「君たちは帰れ」「あなたたちの土地はアメリカにある」と死に物狂いで訴えました。それでも改まらない。

 一番悪いのは日本政府です。その政府を日本国民が選んでいることへの自覚がない。人権や平和を大事にする国会議員を選ばなければ、この国は変わらない。なぜワシントンの司令部が座間に来るのか。艦載機がくるのか。(基地の人々の思いを)つぶしているのは日本国民。目覚めた自覚をもって選挙に取り組まなければ日本が悪くなる。今日の集会を開催して下さった国民広範の皆さんに、沖縄の者として感謝します。

神本美恵子・参議院議員「被害者に落度はまったくない」
 インターネットで被害者が悪いといっているのを見て怒りを感じました。この問題についての全国紙の扱いは小さかった。基地問題が沖縄問題に矮小化しており、なぜ自分の問題、自分の家族の問題として考えることができないのか。県連の政治スクールでこの問題を取り上げたとき、被害者の落度とするのかおかしいというと、参加者の中からすぐに「異議あり。親の躾が悪い」という声がありました。残念なことですが、一部の男性の中にはこの問題を共有できない人たちがいることは事実です。

少女暴行事件押しつぶす沖縄への圧力 | <center>神本美恵子参議院議員</center>
神本美恵子参議院議員
 今回は親告罪なので、告訴を取り下げれば犯罪として取り扱われることはない。でも、それでいいのでしょうか。被害者が泣き寝入りをしなくてもすむような法体系にする必要があります。基地が存在するかぎり、女性への性暴力は終わらない。被害者に落度はない。こんな恐怖に陥った被害者になぜ落度があるのか、と声を大にして言いたい。この問題は国会や沖縄の女性だけの問題ではない。アメリカ大使館と総理大臣に対し、抗議の要請をしました。

神奈川平和運動センター「住民投票のための署名活動をしている」
 神奈川も基地を抱えています。いま住民投票運動をやっています。56万を超える署名を横須賀市長に渡して頑張っています。昨年、住民投票条例をつくってもらい、41,000を超える署名をして請求し、成立しましたが、市議会で否決されました。横須賀に原子力空母がくることへの住民の不安に対し、国や米軍や市長だけで決めていいのでしょうか。もう1回、住民投票をやるために署名運動をしています。女性や若者たちが市内各地で書名活動をしています。

 8月19日に原子力空母がくると言われているので、その1ヶ月前の7月19日に横須賀で一万人規模の集会をやることを計画しています。各県からバス2台がきてくれることになっており、全国規模の集会にしたいと思っています。座り込みや街宣などの活動を通して、国民は横須賀に原子力空母がくることを望んでいないことを訴えたい。もし、入ってくれば、さらに大きな集会をしたい。

平和の声・行動ネットワーク(入間市)「やるべきことはある」
 入間基地にパトリオットミサイルが配備されました。配備される1ヶ月前、デモをしました。100名たらずの参加者に対し、数十名の公安がきて物々しい雰囲気でした。花粉症なのか、白いマスクをしている人もいました。予定が急に変更になり、翌日の深夜、30トンの大型トラック2台きて、パトリオットミサイルはひそかに運び込まれました。運送会社は日本通運です。議会で問われ、市長がポロッと漏らした。

 基地の隣には中学校があります。基地の周りには小学校や中学校があるので、市民の反感を恐れ、深夜コソコソ運び込んだのでしょう。保守的な土地柄ですが、少しずつ、住民の意識が変わってきています。基地の中にミサイルを運びこまれてしまいましたが、やるべきことはある。多方面の市民運動に呼びかけていきたい。

若者中心に活動している団体「アメリカも日本政府も誠意がない」
 辺野古への座り込みに参加しました。今回の事件は基地があることによって起きた事件。アメリカも日本政府も反省の意思を示していません。総領事館に行き、メア総領事とアポイントをとったとき、多忙のために会えないと断られました。あとをつけてみると、飯やに入って飯を食っていました。そのあと、スターバックスに寄ってコ―ヒーを飲んでいました。まるっきり誠意を示していない。正当性がないから、逃げるしかないアメリカと日本政府。

 その一方で、辺野古や高江地区のヘリパットなど、新規の基地建設が進められている。現地では人手が足りないので、一人でも多く現地に足を運んでほしい。昨日、辺野古の基地建設の環境調査が1年遅れるというニュースがあった。嬉しい。ねばり強い現地の闘いがあったからだ。現在の抗議運動が辺野古への基地建設を遅らせているように、実際にやればとめられる。現状に満足せず、東京でも伝えて世論を喚起したい。若者たちにも関心をもってもらうように訴えていきたい。

日本労働党「この国の運命を握っているのは私たち自身だ」
 この種の問題解決のためには、基地をなくす以外にない。1995年の少女暴行事件以来闘ってきたが、同じ事件が起きている。政府は窮地に陥っている。1995年の事件のように、どうにもならないほど追いこめられている。岩国はかろうじて政府が勝った。米軍再編の手がかりをつかんだ矢先、この事件が起こった。日本はアメリカの基地を沖縄に押し付けてきた。アメリカから完全にこの国が独立するしかない。

 世界中でアメリカは窮地に陥っている。アメリカと一緒に戦った国の政府は窮地に陥っている。ブッシュがアラブを一週間回ったが、どこの国からも相手にされなかった。アラブは一つ。イランは兄弟。自分の国の運命は自分たちが握ると決めた。イランがイラクに行って傀儡政権のマリキと握手をした。団結してやっていこうと言った。世界中がその流れにある。日本から米軍基地をなくすために、安保条約を破棄する。この国の運命を私たちが握っている。その全国の闘いにしていきたい。

◇ ◇ ◇

 最後に、沖縄における米海兵隊員による女子中学生への性暴力事件への抗議と在日米軍即時撤退を求める、「ブッシュ大統領への抗議文」と「全国へのアピール」が読み上げられ、いずれも大きな拍手をもって採決されました。
◇ ◇ ◇

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