全国初のメンタルヘルス会社
全国初のメンタルヘルス会社 05/16 19:06

日本では、自ら命を絶つ人が年間3万人を超えるという、世界でも例を見ない異常な状態が10年間も続いています。

特に、働き盛りの50代の自殺者は、年間7,500人にも上っています。

この問題に対処しようと、全国で唯一、産業医を育成している北九州市の産業医科大学が、メンタルヘルス対策に取り組む専門の会社を立ち上げました。

株式会社「産業医大ソリューションズ」。

北九州市の産業医科大学が設立した心の健康・メンタルヘルス対策を専門とする全国初の企業です。

産業医大病院の亀田高志医師が代表です。

産業医として、数多くの事例に対応してきた亀田さんは、自分の経験をもとに、メンタルヘルス対策専門のコンピューターソフトを開発しました。

インターネットで、全国の29の会員企業と結んでいます。

会員企業のひとつ、福岡市に本社がある西部ガスです。

西部ガスは、心の病を抱えている従業員をいち早く把握し、その上で、必要なら休職できるよう配慮しています。

企業にとって悩ましいのは、一度、休職した従業員をどのように復帰させるか、という点です。

西部ガスの人事担当者は、産業医大ソリューションズのソフトを使って、対応の仕方を検討しています。

対応方法を見つけると、その対応策が妥当なのかをインターネットで亀田さんに問い合わせます。

亀田さんからは、的確なアドバイスが返ってきます。

働く人と企業との間の問題を解決することが、働き盛りの人の自殺を防ぐことにつながるはずです。

そのためにも、産業医大はメンタルヘルス対策専用プログラムを活用してほしいとしています。

厚生労働省の調査では、サラリーマンのうち、強い不安やストレスを感じている人は6割に達していて、働き盛りの50代の自殺者のおよそ4割の方が「うつ病」でした。

こうした取り組みは今後、さらに必要になってくるんでしょう。