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女子中学生暴行事件 米軍スピード判決

 女子中学生暴行事件で那覇地検が起訴しなかったものの、軍に訴追された在沖縄米海兵隊の二等軍曹は、16日の高等軍法会議で即日実刑判決を受けた。事件のけじめをできるだけ早く日本国民に示したい米軍側と、少しでも量刑を軽くしたい二等軍曹側の思惑が、法廷での司法取引という形で一致し、スピード決着となった。

 二等軍曹が問われたのは強姦、暴力的性行為(強制わいせつ)など5つの罪。米国の統一軍事裁判法では強姦は親告罪ではなく、軍は被害少女からの告訴がないまま、状況証拠だけで二等軍曹を訴追したとみられる。

 だが軍法会議で立証するとなると、少女に法廷で証言してもらう必要性も出てくる。日本の捜査当局への告訴を取り下げた少女が、あらためて米軍の出廷要請に応じるとは考えにくく、具体的な立証作業が不要となる司法取引は、米軍側にとっても、量刑が減軽される二等軍曹にとっても利になることだった。

 結局、二等軍曹が否認した強姦など四罪は検察側が訴追を取り下げ、事件状況の詳細は審理されなかった。起訴を見送った日本側の捜査結果とかみ合わせつつ、法廷のやりとりは本人が唯一認めた暴力的性行為の罪だけでスムーズに有罪へと導かれた。

[ 2008年05月16日 20:03 ]

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