政府、ダム決壊に備え避難計画の策定に着手　四川大地震

中国の四川大地震で、国営メディアは１６日、被災地で降雨が続いた場合、ダムが決壊する最悪の事態を想定し、住民らの避難計画の策定を開始したと伝えた。国土資源省が四川省の地方政府に命じたとしている。

被災地で降雨が続くとの予報を受けた措置で、中国政府は１５日、四川省など４００カ所以上の貯水池などで不測の事態が起きる恐れがあると警告していた。国営・新華社通信によると、政府は既に緊急資金を関連部門に供与、ダム、貯水池を対象に損壊の有無などを調査させている。

同通信は１５日、亀裂が入ったとの情報が流れたダムもあり、軍兵士数千人が対策のため急派されたが、ダムの構造には問題がないことが判明したとも伝えていた。ただ、施設への水圧を減らすため水位を下げたという。

大地震の犠牲者では、同国国務院（政府）が１５日、犠牲者は５万人に達する恐れがあると報告している。負傷者は１０万人以上となっている。

四川省政府当局者は１５日、死者は１万９５００人と上方修正していた。前回の公式数字より４千人以上増えている。ワシントン駐在の中国大使館によると、地震で倒壊、損壊した家屋は４３０万軒以上に及ぶ。倒壊した建物などのがれきに閉じ込められている住民は約２万６千人とされる。