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温暖化「被害者」ホッキョクグマ、やっと絶滅危惧種入り

2008年05月15日15時05分

 【ラスベガス(米ネバダ州)=勝田敏彦】米内務省は14日、北極海の氷がとけて生存が脅かされているホッキョクグマを、米絶滅危惧(きぐ)種法の「絶滅危惧種」リストに追加指定すると発表した。ホッキョクグマは、地球温暖化が原因で絶滅に追い込まれつつある生物の代表格だが、米国ではリストへの指定が先延ばしされ、政治問題化していた。

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ホッキョクグマは全世界で2万〜2万5千頭にまで減ったとされる=06年6月、米アラスカ州カクトビック、山本壮一郎撮影

 ホッキョクグマは現在、米アラスカ州とノルウェー、ロシア、カナダなどに2万〜2万5千頭が生息。このうちアラスカ州では約3500頭にまで減ったとされる。

 このため同省は06年12月に絶滅危惧種リストへの指定を提案。ところが、同省はその後、一転して指定の決定を延期し、環境保護団体が早期決定を求めて提訴する事態に発展。連邦地裁では15日を期限に指定するかどうかを決めるよう命じる決定も出ていた。

 同省のケンプソーン長官は指定決定の会見で、科学的事実として、ホッキョクグマのえさ場である北極海の海氷が年々減ってきており、このままでは生息数の大幅減少が心配されることは認めた。今回の指定で、政府機関には生息数を回復させる計画の策定などが義務づけられる。

 しかし、長官は地球温暖化との直接の関連は認めず、「絶滅危惧種法で温室効果ガスの排出を規制すべきではない」と述べた。また、指定で、ブッシュ政権や石油業界が推進するアラスカ沖の石油・天然ガス開発は影響を受けないことを強調した。

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