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16日から浅草三社祭 今年は「宮出し」中止

2008年05月15日19時01分

 16〜18日にある東京・浅草神社の三社祭で、今年は最大の見せ場・本社神輿(みこし)の「宮出し」が中止になった。昨年の祭りで、神輿に担ぎ手が乗る「神輿乗り」を神社側が禁じたのに、守られなかったためだ。来年は復活する見込みだが、関係者は観光客の大幅減は避けられないと危機感を募らせている。

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去年の宮出しで一部の人が神輿に乗ったため、今年は中止になった=07年5月20日、東京・浅草

 三社祭は700年近い歴史を持つ同神社の例大祭で、100基以上の神輿が練り歩く勇壮な姿が名物。最終日には、大きな3基の本社神輿が浅草の町をまわる「各町渡御(とぎょ)」がある。早朝に境内を出発する「宮出し」は、全国から集まった担ぎ手衆がぶつかりあい、街全体が最高潮の熱気に包まれる。

 だが今年は15日夜、ご神体を入れる「神霊(みたま)入れの儀」はしたものの、本社神輿は期間中は神輿庫に安置し、担がれるのは町内神輿だけ。本社神輿は、戦後は昭和天皇死去の89年と神輿修理の95年に中止されたことがあるが、「異例中の異例」(神社関係者)の事態だ。

 きっかけは06年で、「神輿乗り」が原因で本社神輿の担ぎ棒が折れた。このため、神社側は「神輿に乗るのはご神体を踏みつける行為」と禁止。それでも違反者が出たため厳しい措置を決めていた。

 地元男性(58)は「一番壮大な宮出しがないのは寂しい限り」と肩を落とす。宮出しがなくなった18日の境内の催しは、野点(のだて)や太鼓、舞踊の披露など。関係者は「観光客の減少は避けられない」と口をそろえる。

 一方、神社側は、一部の担ぎ手が今度は町内神輿に乗るのを警戒。浅草署なども町内神輿のある17、18の両日、約700人態勢で警備する。(木野正章、山田優)

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