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きたみりゅうじのエンジニア転職百景

著者プロフィール

きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/

著者近況

庭に明かりを増設しようと、マリンライトを買いました。単品じゃなにも配線されてないので、近所のホームセンターで電線とか電気プラグとかを買ってきて、皮膜を剥(む)いてネジでとめて……と小1時間。
見事に明かりが灯った瞬間は、なんか小学校時代の理科の実験を思い出すような、そんなうれしさがありました。
いや、こんなんやったの初めてなもんで。最近あったかくなってきたのもあって、庭いじりが楽しいです。

 

巻ノ六十一 馬鹿馬鹿しくて気が抜けた。ついでに会社もイチ抜けた

様々な事情によって、数社を渡り歩いてきたオトコ一匹M田さん。当然色んな職場を見てきたわけですが、果たして彼が最後に行き着いた結論とはいかに。納得して働くためにと、彼が求めた条件とは……。
そんな今回の体験談です。

2008/05/16

怒気をはらんだ電話のワケは?

「キミのところはいったいどうなっているの?」
ケータイ電話越しに聞こえるその声は、明らかに怒気(どき)をはらんだものでした。電話の主は、先日M田さんに「仕事を依頼したいんだけど」と声をかけてくれた人物です。それではと後の交渉を自社の社長にひきついだ数日後の、寝耳に水の電話でした。
「何度メールしても返事がない」
「電話しても不在ばかりで、コールバックをお願いしてもかけ直してはもらえない」
つまりはずっとうちの社長から放置プレイをくらっているのだ……と。それは確かにお怒りごもっとも。
とにもかくにも平謝りした後、M田さんはすぐさま社長に連絡を取りました。もちろん、どういうことかと問い詰めるためです。
「ああ、あれ? あんまりおいしい仕事じゃなさそうだし、だから返答しなかったよ」
社長の口から出た返答はあまりに馬鹿馬鹿しく、M田さんを脱力させるのに充分なものでした。
もともとこの会社、社長の方針に一貫性がなく、これまでにも鬱々とたまってきたうっぷんがありました。だってあれですよ、派遣で外に出た人間の給料は少なくて、自社にいて社長と飲み歩いてる人間の給料はガンガンあがっていくんですよ。実績に依らず飲み会組は賞与も大幅UPな一方で、M田さんのような派遣組は給与カットに賞与もカット。ついでに健康保険なんかの保険料も自分持ちときたもんだ……。
この日、M田さんは「この社長の下では、もう働けんわ」と退職を決意します。その社長自身に誘われて入社を決めて、たった4人からスタートしてがんばってきたこの会社。在籍6年目のことでした。

職歴がネックとなる

転職にあたり、M田さんが活用したのは転職サイトでした。そこで彼は4社ほどに候補を絞り応募。「会社基盤がしっかりしていて、評価制度も明確で、かつ自分のスキルを必要と言ってくれる会社」……そんなところを選んだつもりでした。
しかし、倒産2回に病気退職1回、転職1回、そして今回の転職活動、という「都合5回目の職替え」が、たとえ本人の意志によるものばかりではなかったとしても、企業の担当者の目にはネックと映るらしく、なかなか好意的に見てもらえません。そうして苦戦する中、しかしM田さんは2社を最終候補として絞り込み、それらに対して自身の主テーマとして掲げていた「テスト技術の重要性」に関するレポートを提出します。
こうしてM田さんは、見事内定を獲得するに至ったのでした。
「けれども、いまだに転職時に約束してもらったポジションにはつけてなくて……」
M田さんが転職時に出した要望とは、「テストスペシャリストを目指すべく、品質管理の仕事に就くこと」でした。ただ、現在の環境下にあっても、彼は担当プロジェクト内の規約や開発ルール提案などを行い、それが受容されて、品質管理の一端を担いつつはあるようです。
ちなみにM田さんが退職した会社は、彼の離脱後、さらに輪をかけて退職者が増加中なのだとか。その穴埋めにと、経験の有無を問わず中途採用をじゃんじゃか行っているようですが……。
「たぶん潰れるまではいかないと思いますが、会社としての成長はもう望めないと思います」
そう話すM田さん。今の会社では社内規定の厳しさにやや辟易(へきえき)としながらも、ブレのない評価基準と会社としての方向性に、心強さを感じているのだそうです。

オチの一コマ

社ではなく自身のテーマが職となり

ただ漫然と仕事をしているだけではダメで、ちゃんと自身にテーマをもうけて働いてこそ、「私の職はこれです」と言えるに足る力がつくのではないか。そんなことを思う体験談でした。職という文字を実力に置き換えてもいいかもしれません。
今回のM田さんのように、「転職にあたって自信を持って出せるレポートとか、なんらかの成果物」があるか否か、それを自身に問いかけてみるだけでも、いい“職歴の棚卸し”ができそうに思えますが、いかがでしょ。きたみアイコン
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