12日午後2時28分(日本時間同日午後3時28分)、中国・四川省で起きた地震(マグニチュード7.8)の被害が日々増加しています。オーマイニュースは、今回の地震による現地の声を、四川省に居住している韓国オーマイニュースの市民記者、モ・ジョンヒョク氏の現地ルポを通じて紹介していきます。(翻訳:朴哲鉉)
◇ まさに爆撃された直後の村のようだった。凄惨に破壊された建物と家、黒い煙を吹き出している化学工場、飼い主を失った犬と猫が行き来する路地……。 廃虚の中で生活道具を取りまとめている何人かの住民に会えて話を聞かなかったら、爆撃後の風景だったと言われても信じるほどの光景。 私は14日、四川省のスパン(什〓)市、インファ(營華)に行った。街に入った途端、臭い煙で呼吸障害を起こした。 14日、スパン市のインファ(營華)では化学工場から臭い煙が出ていた=5月14日、四川省・スパン市で(撮影:モ ジョンヒョク) 12日午後にブンセンで起きた地震は直後にインファを襲った。操業中だった雲風化学会社の工場は、地震の襲撃をうけ、修羅場となった。 管理事務所が崩壊し、工場のパイプラインなどがほとんど破壊された。稼動設備が壊れた。その過程で、漏電事故も起きた。事故によって、工場となりの倉庫に積み上げていた約80トンの化学物質が燃え上がった。 有毒性の硫酸とアンモニア成分が混ざった煙は、インファ全体に広がった。地震で労働者600人と、住民1000人余りが埋没されたが、まだ生き残る余地はあったと現地住民何人かが証言した。 現地で会ったワンザイ氏(仮名、36、男性)は、涙を堪えながらこう話した。 「廃虚の中から生き残った人々は埋没された家族、親戚、同僚を助ける時間的な余裕がなかった。地方政府が下した閉鎖命令のせいで強制的にトラックに載せられ、スパン市の中心に移動した。二日後に帰宅が許されて、村に戻ったら武装警察が『あなたの家族が死んだ』と言った。しかし、死体を見せてくれない。それ以上の詳しい説明もしてくれなかった」 埋没された死体を運び出している住民たち(撮影:モ ジョンヒョク) 同日に「有毒ガスの毒性物質が除去された」という地方政府の発表があり、一部の住民は村に戻った。しかし、地方政府は、化学工場近くに住んでいた住民の帰宅は許可していない。この日に撮影した写真をみればわかる通り、未だに集落は正体不明の煙に包まれている。本当に毒性物質が除去されたのか、疑わざるを得ない。 ルウェイ氏(23、女)は 「(当局は)化学物質の毒気が外部に抜け出たというけど、安全のためにマスクを必ずつけている。水は外部から来たミネラルウォーターだけ飲んでいる」 と言ってくれた。 凄惨に崩れた家の中で豚の生死有無を確認していたヤンジュアン氏(58、女)も、 「地震が発生したとき、有毒物質の煙を飲みほした何人かの子供たちがその場で即死した。地震で埋没された人の中では、少なくない人が煙による呼吸困難で死んだ。インファは、地震被害と有毒ガスによって他の地域より一層被害が大きい」 と訴えかけた。 村住民のチョンジンルン氏(46、男性)も 「この地域だけで1万人を越える人々が死んだという噂が広がっている。この周辺にある30の集落(200世帯以上)が地震で大きい被害を受け、またここから出た有毒物質が広がって一時期生き残ったと見えた生存者が死亡したケースがたちまち目撃されている」 と悲しんだ。 14日の『新華社通信』によると、スパン市で失踪され、連絡がつかない住民数は何と3万人に達するという。 震源地のブンセンから50kmしか離れていないスパン市の死亡者数は確認されただけで2500人を越え、負傷者を含むとその数1万人だ。経済的な損失は400億中国元(5800億円相当)に達するとみられる。(つづく) (〓は、方へんにおおざと) 村はまるで爆撃をうけたような感じだった(撮影:モ ジョンヒョク) (撮影:モ ジョンヒョク)
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