12日午後2時28分(日本時間同日午後3時28分)、中国・四川省で起きた地震(マグニチュード7.8)の被害が日々増加しています。15日現在、死亡者1万5000人を含め、負傷者・行方不明者の数は合わせて5万人に達するなど、状況が悪化しています。
オーマイニュースは、今回の地震による現地の声を、四川省に居住している韓国オーマイニュースの市民記者、モ・ジョンヒョク氏の現地ルポを通じて紹介していきます。(翻訳:朴哲鉉) ◇ 突然訪れた悪夢 12日午後、私は重慶市の地下商店街レコード売り場にいた。買い物を物色中、突然、建物がひどく揺れ始めた。揺れは、およそ3分間続いた。激しい頭痛とめまいが襲ってきた。 強力な地震を起きたと感じ、売り場の販売員と一緒に店を飛び出し、地下通路に走った。地上とつながる地下通路には、すでに数十人の販売員と顧客が走っていた。お互い悲鳴をあげながら、先を争って地上出口に出た。 地上の道路には、およそ数千人が集まっていた。まだまだ高層ビルが揺れていた。本能的に時計をみた。午後2時28分(現地時間)だった。 12日午後2時28分、地震が起きた直後、重慶市の路上には人でいっぱいだった=5月12日、中国・重慶で(撮影:モ ジョンヒョク) マグニチュード7.8の強震は、四川省内だけでなく数千キロ離れた北京、上海、南京、香港などの中国都市やタイ、ベトナム、台湾、パキスタンなど東南アジア各国でも振動が感知されるほどのものだった。 410キロしか離れていない重慶の人たちは、生まれて初めて体験する大地震に混乱を隠せなかった。ビルから飛び出した人々は、驚いた胸を落ち着かせながら、携帯電話を取り出し、家族や友人の安否を尋ねるのに余念がなかった。 死亡者だけすでに1万5000人──時々刻々増えていくばかり 13日午前、中国国営『新華社通信』は、今回の地震で四川省だけで1万人余り近く亡くなり、1万人余りがケガしたと報道(15日現在死亡者1万5000人、行方不明2万以上)した。 また「ブンセンだけでなく四川省大部分地域に通信が途絶えて、被害状況がまともに把握できない」としながら時間を追うごとに死亡者など犠牲者が増えると展望した。 事態の深刻性を感じた中国政府は直ちに対策を立てた。胡錦濤中国国家主席は「地震被害者などを救うために最善の努力を尽くせ」と関係当局と四川省や近隣地方政府に指示した。 温家宝総理は今回の地震を「大災難」と位置づけた。温総理は地震発生直後、四川省・成都を経てブンセンに到着し、人命救助と被害復旧を陣頭指揮している。 震源地は少数民族居住地──羌(きょう)民族とチベット人の被害が莫大 羌族の伝統的な家。おもに土で作るため地震に弱い構造になっている=2006年秋、ブンセンで(撮影:モ ジョンヒョク) ブンセン西南部には、中国最大のパンダ研究基地があってパンダ生息地としても有名だ。総人口は11万人だが、その中で羌族は2万9839人。全体人口の26.7%を占めている。羌族は、一時期力強い遊牧民族として知られた。血縁と文化風習がチベット人と似ていてチベット系民族とも言われている。 そもそもブンセンが属しているアバ自治州は、代表的なチベット人居住地でもある。ブンセン周辺の半径100キロは、チベット人、羌民族、回族など少数民族が密集している地域でもある。彼らがアバ自治州全体人口の77%(チベット人55%、羌族18.7%、回族3.3%)を占めており、22.5%の漢民族をはるかに上回っている。 アバ自治州の大部分の家は、自然産の石と土を積み上げて作られている。地震に極めて弱い方法だ。正確な被害情報はまだ伝わってこないが、ブンセンと似たような建築スタイルを持つ近隣の北川県は、建物の80パーセントが崩壊し、ほとんどの道路が破壊されたという。 震源地であるブンセンがもっとひどい被害を受けていることは容易に想像できる。14日、できるだけ現場に近づいてみることにした。(つづく) (〓は、さんずいに文) 四川省内の主な都市に向かう飛行機の路線は延期・キャンセルされた(撮影:モ ジョンヒョク) 【編集部注】タイトルを変更致しました(2008/5/15 22:20)
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