もっとフットサルの認知度を高めていきたい(相根)
――相根さんはもうずいぶん前から吉澤さんが所属するガッタスのコーチを務めていますよね。
相根 そうですね。発足当時からだから、かなり長くやらせてもらっています。今思えば、始めの頃は何から教えればいいのか本当に考えましたね。「CKって何?」っていうレベルからスタートしましたから(笑)。
吉澤 確かにそうでしたね(笑)。
相根 でも、今ではみんなたくましくなりました。一度説明をすれば、たいていのプレーは体現できるようになりましたから。
吉澤 今ではコーチがプレーしているところを見て、「いつも私たちに言ってることができてないですよ!」とか「ボールを取られたら取り返さなきゃ!」って思えるくらいになりました(笑)。
相根 ガッタスのコーチをやることは、僕にとっても勉強になることが多いんです(笑)。
――なるほど(笑)。相根さんは昨シーズン限りで現役を引退して、JFAアンバサダーに就任しました。日本フットサル界をけん引してきた人物の一人ですから、選手としての実績は誰の目にも明らかです。その中で、ガッタスのコーチを務めることで指導者としても成長できた部分があるんじゃないですか?
相根 本当にそうですよ。人にものを伝えることだったり、選手の成長を見続けることのやりがいを感じさせてもらっていますから。
吉澤 それにしても、フットサル界からJFAアンバサダーになったのはコーチが初めてなんですよね? 本当にすごいです。
――人にものを伝えると言えば、お二人とも「JFAこころのプロジェクト」で、子供たちに夢を持つことの大切さを伝える「夢先生」をやられましたよね。
吉澤 はい。私は昨年の10月に。最初に体育館でボールを使って授業をして、その後に教室の黒板に夢曲線というグラフを書きながら授業をしました。予定の時間を20分近くオーバーしてしまったんですけど、時間の部分以外は私なりにうまくできたかなと思っています。
相根 僕も子供たちの前で夢について話し始めると結構熱くなってしまいましたね。
――担当したクラスの子供たちはフットサルのことを認知していました?
吉澤 私が担当したクラスでは知っている子のほうが多かったですね。
相根 そうなんだ? 僕のほうは決して多いとは言えない状況だったかな。そういう意味では、子供たちに対してももっとフットサルの認知度を高めていきたいと思いましたね。
「遊び」、「楽しい」という言葉がキーワードに(吉澤)
――ここ数年でフットサル人口は急激に増えてきました。この先も増えていくであろう環境の中で、子供でも大人でも、フットサル未経験の人はどんなことをきっかけに始めるのがいいんでしょう?
吉澤 私は、「遊び」、「楽しい」という言葉がキーワードになるんじゃないかと思います。友達と2、3人で始めてもいいですし、ボールさえあれば1人だってできます。とにかく遊び感覚で始めて、楽しむ気持ちを第一に考えてプレーすればいいと思うんです。そうやってプレーし続けるうちにどんどん「うまくなりたい!」って思うようになるんですよね。それが向上心となって、個人で練習したり、チームに入ったり、自分でチームを作ってみたり、いろいろな角度から可能性が広がっていくと思うんです。
相根 僕もそう思いますね。あと、初めてやる人は失敗を恐れないことも大切。いくら失敗したっていいんです。どんどんチャレンジしていけばいい。その中で、1回でも2回でも自分が思い描いたプレーを成功させられればベスト。点を取るのはもちろん、いいパスを出すとか、相手からボールを奪うとか。そういう部分がプレーする楽しさにつながっていきますから。とにかく始めてみること、これが一番ですね。
――吉澤さんの場合は、ハロプロのメンバーと一緒に始められたということも大きいんじゃないですか?
吉澤 そうですね。やっぱりみんながいるからこそ、ここまでやってこれましたから。それに、フットサルをやる時は、いつも以上にコミュニケーションが必要になってきますよね。すると、いい意味で「ああ、この子はこういう性格なんだ?」って気が付くことも多いんです。一緒に歌っている時などとは違う一面がフットサルを通して見えてくるので、相手のことをより分かってあげられるし、きっと私のこともより分かってもらえているんじゃないかと思います。そういった人と人との触れ合いもフットサルの魅力の一つですね。
相根 そうなんだよね。例えばプレー中にミスをする。すると「ごめんなさい」とか「次、頑張ろう」って会話が生まれますよね。そこから人と人のつながり、フットサルの輪が広がっていく。そういう楽しみもありますからね。
――今後、相根さんはそういったフットサルの楽しさを伝えていく立場になりますね。
相根 はい。昨シーズンFリーグでプレーして、地域によって観客数にバラつきがあることを感じました。一度生で見てもらえればその楽しさを感じてもらえると思うんです。だから僕は、より認知度を高めるとか、より広く告知するといった部分を重視していきたいと思っています。それと、先ほども言った子供たちへの普及も。日本フットサル界にとってはもちろん、それが日本サッカー界に与える影響も大きいと思うんです。
――フットサルについて語る相根コーチはかなり熱いですね。
吉澤 本当ですね(笑)。私もコーチの言うとおり、もっともっとフットサルが日本国内で広まっていけばと思っています。私はコーチの弟子ですから、その熱さにどこまでもついていきますよ!(笑)
現役時代は正確な技術とハードな守備を武器に最前線で存在感を発揮。今後はJFAアンバサダーとして日本フットサル界の発展に努める
所属するガッタスではキャプテンとしてチームを先導する。背番号10が示すように、試合ではエースとして数多くの得点シーンを演出
とにかく始めてみること、これが一番ですね
相根 澄(元フットサル日本代表)
さがね・きよし/1973年10月4日生まれ、京都府出身。Fリーグ初年度をペスカドーラ町田の一員として戦い、シーズン終了後に惜しまれつつ現役を退いた。前線からのチェイシングや決定力の高さを持ち味としたピヴォとして活躍、名実ともに“日本の顔”としてフットサル界をけん引し続けた。ガッタス ブリリャンチスH.P.では結成当時からコーチを務める。2008年5月、JFAアンバサダーに就任。
[オフィシャルサイト]
http://saganekiyoshi9.com/
人と人との触れ合いもフットサルの魅力の一つですね
吉澤ひとみ(ガッタス ブリリャンチスH.P.)
よしざわ・ひとみ/Gatas Brilhantes H.P(. ガッタス ブリリャンチスH.P.)所属。1985年4月12日生まれ、埼玉県出身。モーニング娘。の4代目リーダーであり、ガッタスではキャプテンとしてチームをけん引。現在はソロとして活動しつつ、音楽ガッタスのリーダーを務める。
[ハロー!プロジェクト公式サイト]
http://www.helloproject.com/
[ガッタス ブリリャンチスH.P.公式サイト]
http://www.helloproject.com/gatas/
音楽ガッタス |
取材協力/adidas FUTSAL PARK 渋谷
アディダスと東急スポーツシステムがコラボレーションし、運営する施設。31×15メートルの砂なし人工芝、照明を始め、男女ロッカーやシャワーも完備。会社帰り、学校帰りにも手ぶらでフットサルを楽しめるよう、アディダス社製の最新グッズのレンタルも。渋谷の他にも、神奈川県横浜市の横浜金沢、嶮山と2つの施設がある。
〒150−8319 東京都渋谷区渋谷2−24−1 東急百貨店東横店西館屋上
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