政治

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

後期高齢者医療制度:与党内で見直し案百出 調整厳しく

 後期高齢者医療制度で与党は、現行は最大7割の保険料軽減措置を「最大9割」とする方向で検討に入ったが、さらなる改善策を求める声は強い。「道路政局」が一段落したこともあり、内閣支持率低下の要因でもある同制度について、被扶養者の保険料免除措置延長など運用面の見直しから凍結、廃止論まで議論百出の状態だ。6月中旬までに運用改善策をまとめる方針だが、福田康夫首相の指導力が問われている。

 「私は地元で、この制度で『諸悪の根源』扱いされている。早く手を打たないと持たない」。自民党の丹羽雄哉元厚相は15日夕、国会図書館の一室に集まった与党の厚生族幹部らの前で強調。参加者は制度見直しに向け20日に与党プロジェクトチーム(PT)を再開することで合意した。

 しかし既に各党で議論が始まっている。参院自民党は14日の政策審議会で、見直しに向けた初の勉強会を開催。「年金からの保険料天引き制度は改めないといけない」との意見などが出た。

 公明党も8日に議論を始め、新たな負担が発生する、子供らに扶養されている高齢者の負担軽減策などを検討している。

 政府・与党で見直し議論が高まるのは、4月27日の衆院山口2区補選で同制度への不満が大きな敗因となったため。「このままでは次期衆院選を戦えない。最終的に制度を廃止すべきだ」(自民党中堅議員)との廃止論まである。

 自民党の堀内光雄元総務会長は10日、公邸で福田首相に呼ばれた際も「老人に肩身の狭い思いをさせる『姥(うば)捨て山』だ」と凍結を訴えた。

 政府・与党は、制度の根幹維持を前提に改善策を6月13日の2回目の年金天引きまでにまとめる。しかし財務省幹部は「限られた財源で、今出ている改善策をすべて盛り込むわけにいかない」と語る。【山田夢留】

毎日新聞 2008年5月15日 23時12分

瞬間ベストセラーランキング

【本:ビジネス・経済・就職】の売れ筋商品!

政治 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報