
補完代替医療外来について打ち合わせをする井上教授(右)と鈴木特任教授(中央)、大野特任准教授=金大附属病院
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金大附属病院は十四日、新たに「補完代替医療外来」を開設する。健康食品やサプリメ
ントなどの補完代替医療は、病気の苦しみから解放されたいと願う患者の多くが病院での
治療に加えて利用しているが、有効性や安全性が科学的に検証されたものは少ない。外来
では専門医が補完代替医療との上手な付き合い方を助言する。
外来は、二〇〇二(平成十四)年に全国で初めて補完代替医療学講座を開講した金大大
学院医学系研究科の鈴木信孝特任教授、大野智特任准教授が担当する。北陸では昨年十月
から両教授が診療を担当している芳珠記念病院(能美市)に続き二番目、国立大附属病院
としては全国三番目の開設となる。
両教授は、がんに効くとされるキノコ「アガリクス」や子宮がんのワクチン療法などに
ついて効果や安全性を確かめる臨床試験を実施してきた。最近問い合わせが急増している
ため、補完代替医療に詳しい金大附属病院産婦人科の井上正樹教授の協力で産婦人科外来
内に補完代替医療外来を設けることにした。
診療は毎週水曜午前九時から午後三時までで、完全予約制。相談料は外来初診料もしく
は再診料のみとなる。サメ軟骨やプロポリスなどの食品からアロマセラピー、鍼灸、温泉
、心理療法まで、がん患者の45%が利用しているとされる補完代替医療について相談に
応じる。実施中の臨床試験の窓口も兼ねる。
鈴木特任教授は「外来を通じて補完代替医療の正しい知識を広めたい」と話している。
問い合わせは金大の補完代替医療学講座=076(265)2147=まで。