医師不足が深刻化している公立刈田総合病院を運営する白石市、蔵王町、七ケ宿町の1市2町の首長や議長ら17人が14日、県庁を訪れ、村井嘉浩知事に、同病院への医師確保に協力を求める要望書を提出した。
要望書は、同病院には18診療科の常勤医が計28人しかおらず、耳鼻咽喉(いんこう)科、泌尿器科、麻酔科では常勤医が不在などと窮状を説明。「このままの状況が続けば、120余年の歴史をもつ病院が破綻(はたん)する」としている。
同病院管理者の風間康静白石市長は「県全体で医師が足りないのは承知しているが、地域による偏在があるように思う。仙南地域の住民が安心して医療を受けられるよう、県がリーダーシップを取ってほしい」と要望。村井知事は「重く受け止め、全力でバックアップしたい」と応えた。
同病院の常勤医は、06年度の38人から28人に急減。常勤医の負担を減らすため、緊急性を要しない場合は開業医で受診するよう、先月から住民説明会を開催して呼び掛けたり、独自に地域の医療機関マップを作成して駅や医療機関に張るなどしている。【伊藤絵理子】
毎日新聞 2008年5月15日 地方版