無料出会い系サイトの甘い罠－実は「アリ地獄サービス」

【裏インターネット事件簿】
　いまなお絶大な人気を誇る出会い系サイト。一時のブームほどではないが、最近は低価格な固定料金制のサービスが多く登場し、人気も再過熱気味。そんななか、最近急激に増加しているのが携帯電話向けの「無料出会い系サイト」だ。月間の平均利用料が５０００円以上といわれる出会い系サービスがタダで使えるというものだが、一部のサイトには「あるトラップ（罠）」が隠されているという。無料とは名ばかりの、一度ハマると脱出困難な「アリ地獄サービス」なのだ。（2004.08.25掲載）

　この罠にまんまと引っかかったのは、出会い系サイト利用歴半年のＮ氏。彼が無料サイトに登録したのは約２カ月前のことだった。
　「無料サイトといっても、中には良質なところもあるんですよ。そう思ってＹという無料サイトに登録しました」
　会員登録の数時間後、早速女性からメールが届いた。
　「無料ですから返事を何回書いてもタダ。数撃ちゃ当たる精神でメールしまくりました」。しかし女性から返ってきたメールは、どれもそっけないものばかりだった。「３日くらい遊んでいましたが、飽きちゃって…。結局、その後は放置していました」。
　ところが、その１週間後、携帯に１通のメールが届いた。「出会い系サイトＹです。代金のお支払いが確認できませんので、１週間以内に利用料３万円をお支払いください」。
　メールを見たＮ氏は驚いた。「電話番号も知られてたので怖くて３万円払っちゃいましたよ。こんなんだったら最初から有料サイトを使えばよかった…」。
　なぜ、無料をうたうサイトから督促が来たのか。出会い系サイト運営経験者のＲ氏が答えてくれた。
　「これは、最近流行の“アリ地獄サイト”です。たしかに利用は無料なのですが、一定期間利用せずにいると罰金が発生するんです。それは、規約に明記されているはずです」
　そこで問題のサイトＹの規約を見ると、「利用は無料ですが、利用停止後７２時間放置した場合、違約金３万円を頂きます」という、とんでもない条項がたしかに記載されていた。
　Ｒ氏は、さらなる“罠”についても説明してくれた。
　「実は、このサイトから送られるメールは本物の女の子が書いたものではなく、システムが文章を判別して送ってくる定型メールなのです。Ｎさんは、機械相手に一生懸命返事を書いていたというわけです（笑）」
　出会い系サイトでステキな女性に出会って、しかも無料…。などというムシのいい話なんてあり得ない。無駄金を使いたくなければ、せめて登録前に規約くらいは読んでおくべきだろう。新種の無料サイトには十分ご注意を。

トラックバック